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医療職向けのカテゴリ記事一覧

SCU、回復期、ACLS、認知症ケア専門士、認定看護管理者ファースト、うつ病にさせないためのアドバイザー。医療的ケア教員。現役看護師だから書ける旬な情報を分かりやすく発信。

カテゴリ:医療職向け

  • 8de64a66aaf284f551232040faa68fa2_s.jpg ..
    2019/02/14医療職向け

    リハビリの開始時間が遅れると、あとあと他のリハビリにも影響がでます。また、患者さんがリハビリに集中して取り組めるように援助することはとても大切です。私たち回復期病院のスタッフにできることはなんでしょう..

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  • 2018/12/30医療職向け

    こんにちは、ピストンです。患者さんからの暴力についてのお話です。この記事は医療従事者向けの内容ですが、一部に患者さんやその家族も被害に遭う場合もありますので、参考にしてください。以前にも書いたことがあ..

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  • 2018/12/16医療職向け

    さて、「あるあるシリーズ」です。さっそく行ってみましょうー!「日勤あるある その3」● 体温計やボールペンなどが無くなる忽然と姿を消すピストンのボールペン。もう、何十本、僕のそばから離れていったことか..

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  • 2018/12/13医療職向け

    今日のお話は転倒されたある患者さんについてです。● 転倒を繰り返しているAさん(男性 70歳代:パーキンソン病)Aさんは自宅でも転倒を繰り返していました。今回はパーキンソン病気の増悪で歩行状態が悪くな..

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  • 2018/12/06医療職向け

    こんにちは、ピストンです。今日のお話は「医療施設のリスクマネジメント」です。● 検査や治療・処置の際に患者が検査台から転落日本医療機能評価機構は、医療機関での検査や治療・処置の際に患者が検査台から転落..

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  • f2d5bef0e9ad071f0377efb435a8f74e_s.jpg ..
    2018/12/03医療職向け

    こんにちは。恐怖の日勤あるあるシリーズ。日勤編。それではいってみましょうー。◆ 朝の勤務前、外部からの電話がかかってくるこれはどういうことかと言いますと、 「今日は休みます」とスタッフからの電話がかか..

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    2018/12/01医療職向け

    「夜勤あるある」シリーズは読者も多くて好評だったので・・・・・「夜勤あるある」シリーズに引き続き、調子に乗って今度は「日勤あるある」です。それではいってみましょう。こんなこと聞いたことはありませんか?..

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    2018/11/29医療職向け

    今日のお話は、「患者さんへの言葉使い」についてです。どちらかというと、今回は医療、介護の世界で働いているスタッフ向けの記事です。こういう言葉使いは良くない例をあげます。入院している患者さんは年上の方が..

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    2018/11/27医療職向け

    今日のお話は、「道で倒れている人を見つけたら」というお話です。◆ 事故の瞬間に立ち会った時の話昼頃だったと思います。バス停のあるロータリーに道路からバスが入ろうとしたとき、歩道を歩いている中年女性をバ..

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  • 2018/11/23医療職向け

    こんにちは、ピストンです。「夜勤あるある その2」ということで、またまた恐怖のジンクスがあります。よくあるのが、怖い先輩看護師と一緒の夜勤に入った時、普段はやらないような失敗をやらかしてしまうというこ..

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リハビリ開始時間と終了時間、守れていますか?

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リハビリの開始時間が遅れると、あとあと他のリハビリにも影響がでます。

また、患者さんがリハビリに集中して取り組めるように援助すること

はとても大切です。

私たち回復期病院のスタッフにできることはなんでしょう。


◆リハビリ開始時間と終了時間、守れていますか?



回復期リハビリテーション病棟では1日のリハビリスケジュールが組まれています。

何時からPT甲さん、何時からOT乙さんというように、1日に複数のセラピストが入れ替わりながらリハビリをします。

もし開始時間が遅れたら、次の開始時間に影響します。

早くてもだめ、遅くてもだめ、できるだけ時間厳守ですることでスムーズにいきます。

ただ、時に時間どおりに進まないこともあります。

その場合はどう対処するのか?

患者さんの立場だったらどう思うのか?

ある患者さんの言葉が私の心にすごく響いたので書きたくなりました。


リハビリ開始時間と終了時間、守れていますか?


◆ 「オレは1日3時間しかない。必死やねん」



私が夜勤のとき、50代前半の脳梗塞の男性患者さん(仮にAさんとします)のはなし。Aさんは営業マンで学生のお子さんもいる、働き盛り。

消灯時間のまえに、いつものようにAさんのベッドに行きました。

私)Aさん、今日もリハビリお疲れさまでした。

Aさん)はあー、もう最低です。


Aさんは今日の出来事を語ってくれました。

■リハビリ開始時間が10分遅れた。10分遅れて担当リハスタッフがやってきた。遅れてきて開口一番「歯磨きは終わっていますか?」「トイレは済ませましたか?」だとぉ。

オレは時間どおりに開始できるように車いすに座って準備万端で待っていたんだ。

なのにそれはないだろう。しかも小学生じゃあるまいし。

10分遅れて開始しても、リハビリ終了時間は予定通り。

10分遅れたのなら10分延長しろよ。

■リハビリルームまで行くのに約5分かかる。10分遅れて迎えに来たら、リハビリルームに着くころには15分遅れて着くことになる。そうするとリハビリベッドが他の患者で使われていて場所探しをしないといけない。またまた時間のロスになっている。

■リハビリ開始してまずはマッサージから始まった。マッサージ中に担当セラピストはキョロキョロと周りを見たりする。ずっとオレを見ろとは言わないが、マッサージとはいえもっと目の前の患者に集中しろ。いい加減にされている感じがすごくする。

■リハビリスタッフ間の連携ができていない。一日に何人かのリハビリスタッフが交代で入るが、前のスタッフがどんなリハビリをしたのか把握せずに次のスタッフがリハビリをする。例えば「前のリハビリでは〇〇をしたので、今からはそれに更に〇〇を加えてやってみましょう」というように「繋がっていくリハビリ」をしてほしい。各リハビリスタッフがバラバラな考えでリハビリをしている。もっとリハスタッフが密に連携を取りながら「繋がっていくリハビリ」をしてほしい。

■80代、90代の高齢者のリハビリと40代、50代の働き盛りのリハビリを同じに考えないでほしい。

オレはまだまだ働かないといけないんだ。子どもはまだ高校生なんだ。だからオレは必死なんだよ。

1日3時間しかリハビリ時間がないんだ。1分たりとも無駄にしたくない。


Aさんはこのように言われました。

もっともだなと思いました。

患者さんが必死なら、私たちも必死でやらないといけません。

患者さんがいい加減なら私たちもいい加減でいいということではありませんが、どんな仕事でも熱意を持って取り組まなくてはプロフェッショナルではありません。

熱意のないとか、お客さんを考えていない仕事ぶりは、すぐに見抜かれます。

たとえそのようなつもりではなかったとしても、です。


◆ リハビリがスムーズに開始できるようにできることは?



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看護師ができることは何でしょう。

私たち看護師がこの件でできることは、リハビリ開始時間までにケアを済ませておくこと。

トイレ介助、オムツ交換、注入食を終わっておく、創部の処置を済ませておく、車いすに座って待機してもらうなど、できることはたくさんあります。

環境調整をしたり、疼痛緩和をしたり、夜に良眠できるように援助したり、

看護師もリハビリに協力できます。

患者さんがリハビリに集中して取り組めるように援助できます。


また上記のように看護師が今日のリハビリについて患者さんに聞くのもありなのです。

リハビリスタッフには言いにくいこともあるでしょう。

看護師とリハビリスタッフとの連携は大切なです。

患者さんが今、何に悩んでいるのか、どうしてほしいと思っているのかを共有することはとても大切です。

医療の中心に患者さんがいて、その周りに医療スタッフがいる。

このことをしっかり胸に刻んでいこうと思います。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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患者さんからの暴力 その対応

こんにちは、ピストンです。


患者さんからの暴力についてのお話です。


この記事は医療従事者向けの内容ですが、一部に患者さんやその家族も被害に遭う場合もありますので、参考にしてください。


以前にも書いたことがありますが、今回はどう自分を守るかについてです。


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● まずは情報収集



まずはその患者さんについての情報をとりましょう。


急性期病院では誰が入院してくるのか分からない場合が多いですので、来てみてからでないとどんな人か分かりません。それでも付き添いの家族などから情報を聞いて、普段から暴力行為があったかどうか、酒癖や怒りっぽいか、家族に手をあげることがあったか、などは聞き出せます。


あんまり日常的に暴力的な場合は、家族のほうから医療従事者に教えてくれることも多いです。


回復期病院の場合は、前の急性期病院から情報が来ますから、暴力行為があったのかどうか分かりやすい立場にいます。


まあ、暴力行為があった患者さんを受け入れるのはどうかとも思いますが、そういうこともあります。


大抵、ちゃんとリハビリを受けないことが多いので、転院してきてもあまり有効なリハビリが期待できないことがあります。


そりゃそうですよね。怒りっぽかったり、暴れたりする場合ちゃんとリハビリをするほうが珍しいです。


いづれにしても、事前にどういう患者か、過去の行動を知っておくことは大事です。


こちらの心構えや対応に影響しますから。



● 距離をとる



実際にその患者さんと関わるとき、例えば体調を聞く時や会話をするときには一定の距離を保つようにします。


バイタルサインを測る時はどうしても接触しないとできません。


その時は病室ではなくリハビリ室やナースステーションなど周りに多くの人がいる時に測るようにします。


何も絶対ベッドサイドで測らなくてもいいですから。


誰か男性看護師などにお願いしてもいいでしょう。


仕事上、どうしても接近せざるを得ないことがありますから、そもそも受け持ちから女性を外すというのが安全です。


女性医療従事者が殴られた例を見てきましたから、「女を殴るなんて男として最低だ」という発想は殴る患者には通用しません。女であろうと、男であろうと殴ります。


いつ殴りかかってきてもいいように、距離をとり、サッと避けられるように身構えておきましょう。



● 大声を出す



殴られたり、捕まえられたりしたら、大声を出して助けを呼びましょう。


遠慮はいりません。大声を出してください。


あんなにいっぱい人がいるはずの病棟でも、死角はいっぱいあります。


病室で殴られても当事者しか見ていない、知らないということは結構あります。


案外、みんな他人には無関心なところがあります。


大声を出して。叫んでもいいです。


今まさに危険な目に遭っていますということを周りに知らせることです。


早く助けに来てもらわないと、被害は大きくなりかねません。


殴る患者は本気ですから。


結構なパンチが飛んできます。



人によっては恐怖で声が出ないことがあります。近くのナースコールを押すだけでもいいです。



● 一人で対応しない



やはりこれが一番だと思います。


2人以上で対応する。


2人いれば対応しやすいのと、被害が受けにくくなります。


また複数人いることで、数の圧倒性による抑止効果もあります。


ただ精神的に理解力や判断力がない患者の場合は数の抑止力が効かないので、注意が必要です。



夜勤はただでさえ人手が少ないので危険が増します。


女性だけの夜勤を避けるようにしてください。


暴れているときは本当に力が強いので、女性スタッフが複数いても対応できないことがありますから。



● 暴力を受けたらどうするか



助けに来てくれた人が守ってくれます。


上司や同僚に状況を言いましょう。


必要なら診察も受けてください。


あとは病院の対応として、警察に通報するとか家族を呼んで状況説明をすることになります。


多くの場合は強制退院となります。



あと大切なのは、被害を受けた人のサポートです。


傷は治っても、心の傷は深いものです。


対応を間違えるとトラウマになって職場に戻れなくなる場合があります。


難しい問題ですが、周りのサポートは大事です。




日本看護協会では「医療現場の暴力対策」としてHPに載せています。

⇩  ⇩




こうした医療現場の暴力はどこの病院でもあります。クリニックでもあります。


でもニュースではほとんど流れません。


院内感染だけでなく暴力からも自分の身を守らないといけない時代になりました。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。



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日勤あるある その3

さて、「あるあるシリーズ」です。


さっそく行ってみましょうー!「日勤あるある その3」



● 体温計やボールペンなどが無くなる




忽然と姿を消すピストンのボールペン。

もう、何十本、僕のそばから離れていったことか。


看護師になってからというもの、ボールペンは必須のアイテム(他の仕事でもそうですが汗)。


肩身離さずお前を捕まえていたのに。

どうして・・・・


ナースステーションは不思議の場所。


あれほどの数のボールペンをなくしたのに、どこにも余ってない!!!



あれほどのボールペンなら、そこらへんに置いてあってもよさそうなものなのに、本当にステーションから消えている。

事務机の引き出しにもない、ペン立てにもない、パッと見て他の看護師が持っている・・でもなさそう。



あぁーっ、なぜだぁ!!


しかし、ピストンは経験上、そんなこともあろうかと、3本で100円の激安ボールペンしか買わないのであった。

これなら、まだ、心の傷は小さい。


つらいのは、キャラクターデザインの少し高めのボールペンを持ってきている子。

お気に入りのボールペンとか、思い入れのあるボールペンを持ってきている子。


ダメですよーーー!


なくなったときのショックが大きいから。

絶対どっかにいっちゃうから!


でもそういう子って、ペンにヒモを付けて首から下げているんですよねぇ。

やるなあー。



体温計もどこかに行きます。


でもあとで知らぬ間に元の場所に戻っていることがあります。


誰かが、そっと戻したのでしょう。


たまにケースしかなくて、体温計本体だけが行方不明ってこともあります。


きっと誰かの患者さんの脇に挟んだまま忘れているんでしょう。



● 電話でどこのだれか名乗らない人が多い


病院スタッフって自分のことを名乗らない人が多いんです。

ルルルルー、ガチャ、「はい、、、はい、、、あ、わかりました。ガチャン」


あっ、お名前を!って聞く前にガチャンと切られてしまう。

あなたは誰よー?

知っている人なら声でわかるけど、病院には看護師がいっぱいいるのよ~。



電話がかかってきたときもそう。


ルルルルー、ガチャ「はいピストンです。〇〇ですか?ええ、ありますよ。足りないんでしたら、少しお分けしますよ。で、失礼ですが、どちらの病とぅ・・ガチャン」


消耗物品のおすそ分けをもらいに来るんなら、せめてどこの病棟かくらいは言ってよね。


ナースステーションに張り紙して置いておくことすら、紙にちゃんと書けないでしょ。

「〇〇病棟から取りに来ます」って。


あと医師も結構名乗りません。


僕たちも電話相手の医師の名前を知らなかったりすることがあります。

名前の分かっている個人の医師用のPHSに掛けるのなら、別に医師が自分の名前を言わなくても分かりますが、

問題はパートに来る常勤でない医師に掛ける時です。


当直医師用PHSに電話するときにドキドキします。

「当直用」なので電話番号一覧表を見ても、今日PHSを持っている医師が誰なのか分からないからです。

勤務表を見ていても顔を知らない医師の場合、本当にその人か分かりませんし(まあ、その人なのでしょうけど)。


忙しいときは当直医師の名前を確認していないときもあって、直接PHSにかけるときは、

「〇〇先生、転倒がありまして・・・」と〇〇先生のところが言えなかったりするとちょっと困りますね。僕たちも相手の名前を確認してから掛けないと。


医師から掛かってくる電話は名乗らないことが多いです。


常勤の医師はまだわかりますが、非常勤の医師は初めましての場合が多いので、医師も名前を名乗ってほしいです。



● とりあえず何でも病棟に電話してくる事務



これも結構あって、困るんです。


家族らしき人から病院に電話がかかってきた時、よく確認もせずにとりあえず病棟につなぎの電話をかけてくる事務。


違う病棟の患者さんの家族だったり、そもそも入院していない人の関係者だったりします。


もうー、プライバシーなんてどこ行ったのー!


事務所はめんどくさくて患者のことならナースかな?って感じで取り次いでくるけど、こっちも困りますから!


ていうか、他人だったらどうするの⁈ 

基本的に電話での問い合わせはダメですよ!

なりすましで個人情報を引き出す人だっているんですから。

危ないよお。


というか、事務員こそ、こういう法的なことや倫理的なことを知っておいてほしいなあ。



● 日勤あるある その3は本当か?


本当です。


新人看護師諸君へ。

ボールペンは安物で量を重視して品を選びなさい。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。



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転倒 予防 いつもリスクと向き合っている


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今日のお話は転倒されたある患者さんについてです。


● 転倒を繰り返している


Aさん(男性 70歳代:パーキンソン病)


Aさんは自宅でも転倒を繰り返していました。


今回はパーキンソン病気の増悪で歩行状態が悪くなりリハビリ目的で入院されました。


杖歩行をされていますが、杖は手に持っているだけで全然有効に使えていませんでした。


地面に付いてもいない、ただ持ってるだけ。


フラフラとよろけながら歩かれる姿は、見てて危なっかしい感じでした。


自宅で転倒を繰り返していた・・・このままだと入院中に転倒されるのは想像に難くない。


入院時カンファレンスを開き、理学療法士や主治医、看護師などが意見を言って転倒対策を考えました。


転倒対策として杖の使用方法の指導、付き添い歩きをするためにナースコールの指導をしていくことに。



● 指導してもなかなか上手くできない日々


リハビリで杖を使った歩行練習を開始。


杖だけではなく、歩行状態そのももにアプローチし、歩容を改善していくことにしました。


パーキンソン病は摺り足、無動、突進歩行など、独特の歩き方になってしまいます。


AさんはON・OFF現象がほとんど見られない方でしたので、OFF時のことを考慮しなくてすみました。


足を地面に擦って歩いていたため、ちょっとした段差でも躓いてします危険がありました。



リハビリが進んできて歩行状態が改善してきました。


まずまずの安定感を得られるようになってきました。


必要時にナースコールも押してくれます。


ある夜勤のとき、朝方にAさんが起床し洗面所で洗顔や歯磨きをしていました。


洗面所に椅子を用意し、Aさんは椅子に座って整容をしていました。



Aさんが椅子に座って整容をしているのは見ました。


数分後に前を通った時、椅子にAさんがいませんでした。


洗面所にいません。


「ナースコールせずに一人で部屋に帰ったか・・」


部屋に行くとAさんがベッドで寝ていました。『やはり一人で戻ったんだな・・』と思いました。


顔を手で押さえています。


「!!!、あっ!Aさん、その顔!!」


Aさんの右目の下が大きく腫れて出血しています。


Aさん:「どうもないですよ。どうもない。大丈夫です」



洗面所で椅子に座って整容をしていたとき、少し遠くに置いていた歯ブラシとコップを取ろうとしてAさんは手を伸ばした。おしりを椅子から浮かした。次の瞬間バランスを崩して洗面台に顔を強くぶつけたのです。


レントゲン検査で右頬骨を折る大事故になりました。



● 転倒リスクとどう付き合うか


歩行状態が改善し転倒リスクが減少してきたと安心していた矢先のことでした。


歩いている時ではなかったため、まったく想定外でした。


ちょっと手を伸ばせば届くところのコップを取るために、Aさんはナースコールを押さなかったのです。


「そんなことぐらいでナースコールなんて」


Aさんはそう言いました。



転倒リスクはどこにでもある。そう実感しました。


今回は骨折という大事故になってしました。


たとえ外傷がなくとも転倒は大問題です。


「そんなちょっとしたことでいちいちナースコールを押すなんて・・」

「看護師は忙しいから、わざわざそんなことで呼ぶなんて・・」


と考える方は大勢いらっしゃいます。


実際よくそう言われる患者さんに会います。


そう言われる患者さんの気持ちも分かります。


回復期リハビリテーション病棟ゆえに、できることは自分でやっていただくという基本的な方針もあり、どこまで付き添うかという問題がいつも頭を悩ませます。


安全に入院生活を送れるようにすることは大前提です。


そのために患者さんが不自由を感じたりすることがあるかもしれません。


転倒は絶対防ぎたい。


ガチガチに自由を奪うこともしたくない。



● 患者さんの能力を正確に評価することの大切さと難しさ


身体能力を測定するスケール(ものさし)はいろいろあります。


その中でどのスケールを選ぶか、


また、スケールの評価の結果がやるスタッフによって若干変わってくるものもあります。


患者さんの体調にもよるので、日によっては同じ検査をしても評価が違ってくることもあります。


患者さんの能力を評価して、どこまでスタッフが関与していくのか、


これからも模索して患者さんが安全にリハビリに集中して取り組めるように考えていきたいと思った事例でした。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2018年12月12日   更新日:2019年11月18日


[ひらめき] こちらの記事もおススメリンク記事「転倒予防の考え方」



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医療リスクマネジメント

こんにちは、ピストンです。


今日のお話は「医療施設のリスクマネジメント」です。


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● 検査や治療・処置の際に患者が検査台から転落


日本医療機能評価機構は、医療機関での検査や治療・処置の際に患者が検査台から転落したケースの報告が2014年1月から18年6月までに9件あったことを明らかにした。転落によって患者が大腿骨頚部骨折や、くも膜下出血などを起こした事例があったことから、転落の危険性がある検査の場合は患者にそのことを説明した上で、身体をしっかり固定するよう求めている。 (記事:ナースプラス)


回復期リハビリテーション病棟に入院している患者さんも、検査を受けることがあります。

CTやレントゲン、心電図などの検査を受ける際、検査台に寝てもらうことになります。


通常は検査台の周りに誰かしら医療スタッフがいるので、寝ている患者さんに危険なことが起こらないように注意をしています。

このニュースのように検査台から転落するケースは、医療現場で働いている者としては考えられないことです。


でも起きたんですよね。


医療現場は時として予想外の出来事が起こります。


多くの入院患者さんが一つのフロアで寝泊まりしています。個性もそれぞれ。疾患もそれぞれ。


最近は医療の高度化、入院患者の高齢化などの医療環境が変化しているために、患者さんの安全確保が重要なリスクマネジメントになっています。


あっ、危ない!!という場面は確かにあります。



● 【ケース1 頭部MRI検査で検査台から転落】


頭部MRI検査のために看護師と診療放射線技師が患者を検査台へ移動したが、看護師は「患者が認知症」と診療放射線技師に伝えなかった。診療放射線技師はその患者と意思の疎通ができていると思ったため、患者の身体を固定しなかった。

撮影が始まって10分後、診療放射線技師は患者が検査台にいないことに気付き、検査室に入ると、患者が検査台の下の床にうずくまっているのを発見。その後、X線撮影をしたところ、右大腿骨頚部外側骨折を確認した。

(記事:ナースプラス)


頭部MRI検査は所用時間が20分~30分程度かかります。


検査中は「ガーン!ガーン!ガガガガガッ!」と、かなりうるさい音が鳴ります。


MRIやCT検査中は動いてはいけません。動くと画像が乱れてしまいはっきりと写りません。

せっかく撮ったのに画像診断に使えない場合もあります。


検査中に気分が悪くなったりする患者さんがいます。

閉所恐怖症や大音響に耐えられなくなり、途中でリタイアされる方もいます。



そのため絶対患者さんから眼を離してはいけないのです。


途中で何が起こるか分からないから、ガラス越しの操作ルームで放射線技師や付き添いの看護師等が見守っています。


今回の事例は記事を読む限りでは、病院側の過失を問われるケースになると考えます。



 【ケース2 頭部MRI検査で検査台から転落】


心臓カテーテル検査の際に患者は鎮静された状態だった。看護師が物を取りに行くため検査室を出て、戻ってきた時、患者は転落していた。

転落までの間、医師は患者に背中を向けて作業していたほか、臨床工学技士は機器の操作中で、診療放射線技師は画像を確認するなど、誰も患者の様子を見ていなかった。転落後に頭部をCT撮影した結果、患者が外傷性くも膜下出血を発症していることが分かった。

(記事:ナースプラス)


このケースも何だか不可解です。


病院によるのかもしれませんが、カテーテル検査時は結構なスタッフが揃っているのです。

2~3人とかではなく、少なくとも4~5人くらいはいるはずです。


カテーテル検査の場所は透視ができる個室で行います。


放射線を使用する場所なので、通常の壁よりも


特殊にできています。

そのため、遮音性も高い。

僕も部屋に入ったことがありますが、結構静かです。


もし患者さんが検査台から転落したら、その音で瞬時に気付くはず。

外傷性くも膜下出血を起こすほどの衝撃なら絶対何らかの音がしたはず。


もう一つ、放射線技師はガラス越しの操作ルームで操作しているのですが、医師がいる診察台とはマイクで音声が聞こえるようになっています。
音声を拾うだけでなく、カチャカチャと物を触っている処置の音も聞こえてきます。


それなのに「戻ってきた時、患者は転落していた」って、誰も気付かんかったんかーい。



鎮静しても患者さんが動くことってあるんです。


全身麻酔のオペ中でも、時として何らかの動きが出ることがあります。

実際、僕は全身麻酔のオペ中に少し動いた患者さんを見たことがあります。


検査中はそこまで麻酔がかかっているわけではないでしょうが、尚更動く可能性があると考えます。



なぜ誰も転落に気付かなかったのか不思議です。


医療事故2.jpg


● リスクを知ってコントロールする


よく「医療安全」と呼ばれますが、これは日本と少数の国の言い方で世界は違います。


WHOを含めて多くの国では、「患者安全」と言います。


医療安全というと、患者の安全だけでなくすべての医療従事者を含めた広い意味で使われます。



リスクマネジメントは、4段階から成り立ちます。


① リスク識別(リスクを特定する)

業務の中でどのようなリスクがあるか、起こり得るリスクも考えられるだけ挙げます。

過去に起こった事例を含めて挙げます。


② リスク評価 

リスクの発生頻度と重大性を評価します。


③ リスク対応(リスクの発生を減らすかゼロにする)

リスク評価とリスク対応、それぞれのリスクを発生頻度と重大性によって、大きく4つのグループに分けます。


A:リスクを移転する(滅多にないことに対しては、保険の掛け金を払って対応する)

B:リスクを回避する(その業務からの撤退を考える)

C:リスクは保有する(リスクを保有していて、もし発生したらその都度支払いを考える)

D:リスクを最適化する(リスク因子を分けて、保有か移転する)


④ リスク費用算定

4つのグループをまとめて、リスク管理の費用は全部でどのくらいかを全体の活動のバランスを考えて算定する。



いままではリスク管理をするのは地位の高い人がやるものでした。

しかし最近は個人レベルのリスクマネジメントが重要になっています。


企業として責任を負うだけでなく、個人の医師や看護師のリスクマネジメントが問われているのです。

僕も看護師の医療事故の保険に加入しています。

もし、医療事故訴訟になったときの賠償責任金、訴訟費用などに備える看護師対象の保険です。

これは病院に入職した時に病院側から看護師に薦められる保険です。強制ではありませんが、結構多くの医師や看護師が加入しているはずです。


事故を起こそうとして起こしたわけではなくても、患者安全に絶対はない。


職場で誰に相談したらいいのかを明確にし、一人一人がリスクマネジメントを考えて行動していかなくてはいけません。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。









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日勤あるある その2

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こんにちは。


恐怖の日勤あるあるシリーズ。


日勤編。それではいってみましょうー。


 の勤務前、外部からの電話がかかってくる

これはどういうことかと言いますと、

 

「今日は休みます」とスタッフからの電話がかかってくることがあります。



朝、一通り患者さんの着替えや離床やトイレ誘導やらを終えて、「さあ、もうすぐ朝ごはん。いよいよ夜勤も終わりだあ」と思っている矢先に、魔の電話がかかってきます。


リリリリリリィーーーン!


「!!!!!電話だ!!!!」


「まさか、誰か休むのか⁈」


恐る恐る受話器を取ると、



今日の日勤さんからの電話で「すみません。子どもが熱でして。今日は休みます」


ピストン:「そ、それは大変ですね。お大事に」



受話器を置くと、すぐに今日の役割分担の変更にかかります。


「えーと、この部屋の担当をBさんにして、入院受け係をCさんにやってもらって・・・」


この作業が大変なんです。ただでさえ人手不足なので、一人休むと日勤の負担がすごいことになります。


大抵は朝ごはん前くらいに電話がかかってきます。
その時間には休むことを事前に病棟に知らせないと、その日の役割分担を変更して朝の勤務からスムーズに動くことができないからです。


でも、お子さんが熱で大変なので、それは仕方がないことです。


うちの子もそうなるかもしれませんし、お互い様ですから。


でも、でも、なんで人が少ない日に限ってこうなるのーーー⁈



◆ 便秘の処理ができないまま日勤が終わろうとしている

お通じが3日以上出ていない便秘の患者さんには、何らかの便秘処理をします。


多くの病院では3日お通じがないと、下剤を飲ませたり、摘便をしたり、浣腸をしたり、座薬を入れたりします。


病院の基準では3日なのです。


健康のためには快便がいいのですが、高齢になると多くの人が便秘になります。


自分の力では便が出せなくなってきます。


そこで、日勤でなんとか便を出すことをするわけです。


どうして日勤で便を出そうとするのかというと、夜勤で便が出てオムツ交換が大変になったり、出過ぎてオムツから漏れてズボンやシーツにまで便まみれという悲惨なことが起こることがあるからです。


日勤でも起こることですが、夜勤は体力的にも人手的にも大変なので、便が出てしますとさらに大変なのです。


患者さんも、便が出そうになったり、漏らしてしますとゆっくり寝ることができませんから。


患者さんの安眠のためにもできるだけ日勤で便がでるほうがいいのです。



ところが、忙しくてつい、便を出すことをしないまま日勤終了の時間がやってきてしまうことがあります。


そうすると夜勤者から「どうして日勤で何もしなかったの?!」とつっこまれ、


慌てて、「すみません。今から浣腸してきます」と言って便処理をする羽目になったりします。



「便秘なのは分かってたんですが、忙しかったんだよーー!すみませんね!」←心の声


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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日勤あるある その1

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「夜勤あるある」シリーズは読者も多くて好評だったので・・・・・

「夜勤あるある」シリーズに引き続き、調子に乗って今度は

「日勤あるある」です。


それではいってみましょう。



こんなこと聞いたことはありませんか?



● 日勤終わりに近づくと、急患が来る


日勤者: 「はあー、疲れたあ。もうすぐ日勤も終わりの時間だあ。さっさと夜勤に申し送って、こちらはおさらばとしよう。」


ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピッ!


「えっ!! 今、救急車止まった⁈」

「やばい!来るよ!急患だし、きっとそのまま入院じゃあ・・・・」


・・・・・ ーー 病棟のナースステーションの電話が鳴る ーー


!!!!!


「やばいよ、やばいよ」(出川哲郎なみのリアクション)


ガチャ、「はい、ピストンです。。!! に、入院ですか。。はい、わかりました。。。」


トホホホー、こんなギリギリ日勤の時間じゃあ、僕らが入院をとらなきゃいけないじゃん。

せっかく定時で帰れると思っていたのにい。


残業確定。


日勤中の入院は、日勤者がとるというルールがあります。

(病院によっては、違うこともあります) 日勤終わりギリギリでの、滑り込み入院は、日勤者がかなり恐れる事態です。

しかも、あまり忙しくなく、このまま定時で帰れるか⁈ という時に、不思議と急患が来るのです。


はい、残業。


恐るべしジンクス。


 ● 休日明けの出勤日、ナースステーションの中の自分の名前の札に、投薬し忘れた薬が貼ってある


休日はうれしいものです。

でもその嬉しさをひっくり返す恐怖の瞬間が待っていようとは。。。。

休日で充電してきたあとの出勤日。


「おはようございます」


と、いつものようにナースステーションに出勤してくる。

ふと、今日の役割分担を示したホワイトボードに目をやると・・・・


!!!!!!


あれ? 自分の名札に何か貼ってある⁈


ゲゲゲッ!! じぇじぇじぇっ!!!(ちょっと古いか)

「内服薬じゃないかああああ!!!」


自分の名札には、前の勤務の時に患者さんに投与し忘れた内服薬が貼ってあり、ついでに見つけた先輩看護師のコメントを書いた付箋も一緒に貼ってあります。


付箋には、

「ピストンさん、〇〇さんの薬を投薬し忘れていますよ。インシデントレポート書いてください。」


うそーーーー、ちゃんと飲ませたはずだけどなあ。おっかしいなあ。


でも、実際に飲んでいないままの内服薬が残っているわけだし、その日付けの内服薬だし、間違いないですよね。


こうして、朝の出勤早々に、インシデントレポートを書かなくてはいけないはめになり、朝からテンションが激下がりになります。


● なぜ日勤が入院をとるのか?


「日勤終わりに近づくと、急患が来る」でも書きましたが、多くの病院では日勤者が入院をとることになると思います。


それは、日勤中ということもありますが、夜勤はスタッフ数が少なく、人手が少ない分、夜勤のルーティンワークが更にキツイものになってしますからです。


夜勤者はそのことを知っていますので、夜勤者をこれ以上しんどい思いをすることがないように、入院処理をします。


入院処理は、 採血、点滴薬の準備、内服薬の確認や準備、医師の指示確認、ベッド作り、心電図モニターの準備、吸引の準備、暴れそうな患者ならセンサーの準備、部屋やベッドの患者ネームプレートの準備、カルテの準備などまだまだたくさんあります。


電子カルテに移行している病院でも、そこそこ大変な仕事です。


それが入院の裏側なのです。


入院の裏側では、スタッフがバタバタと忙しく動いています。


それですから、日勤が終わりそうなときに緊急入院が来ると、残業になってしまいます。 患者さんは大変な状況ですから、仕方ないです。


僕らはそれが仕事ですから!(と、ちょっと元気を振る舞ってみる)



● なぜ看護師さんは、忘れた内服薬をミスった人の名札に貼り付けるのか?


これは当の本人からすると、本当に嫌なものです。 まっ、患者さんに飲ませ忘れた僕が悪いんですけど。


これは伝統といえるのかもしれません。 業界のしきたりとも言えるのかもしれません。


結構、あちこちの病院でも見かけます。

ナースステーションの目立つところに、ミスったものを貼り付けてあるのは、気分のいいものではありません。

まるで、見世物のようです。


こうなると、多くのスタッフの目に付いているので、隠せません。 いや、隠しちゃだめですよ。ミスですから。


特に新人のことは、自分ではちゃんと仕事をしているつもりでも、ポカミスがあるので、気分が沈んだものです。


(名札に貼り付けなくても、こっそり自分に教えてくれたらいいのに) ← 心の声



● 日勤あるあるは本当か?


本当です。


ほぼすべての看護師さんは経験しているはずです。


誰しも逃れることができない、アリ地獄あるある。


恐ろしや、日勤ジンクス。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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患者さんから指名される存在を目指して

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今日のお話は、「患者さんへの言葉使い」についてです。


どちらかというと、今回は医療、介護の世界で働いているスタッフ向けの記事です。

こういう言葉使いは良くない例をあげます。

入院している患者さんは年上の方がほとんどです。

人生の先輩であるわけですから、失礼のない言動を心掛けましょう。

年下であってもこれは変りません。

言葉使い一つで、患者さんからの印象は大きく変わってしまいます。

トラブルになるケースもあるので、言葉は慎重に選んで使うことをおすすめします。


どうです?

現場で使っていませんか?


◆ 良くない例①赤ちゃん言葉は使わない

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高齢者に対してまるで赤ちゃんと話をしているかのように、


「○○でしゅか?」

「はーい、よく噛み噛みしましょーね」

「もうおいしいでちゅか?」


といったように、赤ちゃんと接しているような声掛けをすることです。


こういう言葉使いは禁止です。


「歳をとると赤ちゃん返りする」とは言いますが、この場合はそういうことではありません。


失礼なのです。


もうあえて書くまでもないことですが、いまだに後を絶ちません。


僕も現場で目撃したことは何度もあります。


人生の先輩に対して失礼であるし、なんだか小馬鹿にしたような感じを受けます。

言っている本人はそのつもりはないかもしれませんが。


看護学校や介護の学校に通ったことがある人は、学校の教育で絶対教わったはずなのです。

そんな言葉使いをしてはいけないって。


そのような学校に通っていなくても、一般常識だと思っています。



◆ 良くない例②ストレートすぎる質問をする


「〇〇さん、今日便出た?」

「うんこ出た?」

「うわ!すごい臭い!絶対この人出てるわ」

「えっ、この部屋臭くない⁈ 誰よー、もうー」


これもアウト。


「今日便出た?」はもしかしたら、あるかもしれませんが、

せめて他患者がいるところでは聞いてはいけません。

あと「お通じがありましたか?」くらいの表現に変えて聞いてほしいところです。


そのほかの発言は、よく聞く言葉です。

あるんです。よく。


しかも大きな声で。


大抵は寝たきりの患者さんだったりすることが多いのですが、

本人はしゃべられなかったり、意思疎通が難しかったりする患者さんが多い。

でも、自分が言われたら嫌でしょう。

自分の親や子に対して言われたら嫌でしょう。


実際はそうであっても、そこはバーンと口に出してはいけませんよね。


でも看護師さんは多いよ。気を付けないと。



◆ 良くない例③デリカシーのない質問をする



先の「ストレートすぎる質問をする」と似ているところもあるのですが、そんな言い方しなくても・・・と思う言葉を掛けるスタッフがいます。


例えば、

入院患者さんが外出から病院に帰ってきたとき、「タバコ吸いました?」と聞くスタッフ。

まずは、「おかえりなさい。外出中はお変わりありませんでしたか?」「寒かったでしょう。体調は崩していませんか?」でしょう。


それもなく、外出や外泊から帰ってきていきなり「タバコ吸いましたか?」って。

たしかに普段からこっそり吸っていたことがある患者さんでしたけど。

でもそりゃあないですよね。

実際その患者さんは怒りました。当然です。

「なんじゃあ、その口の聞き方は!!!帰ってきていきなりタバコ吸いましたか?だとお。せめて外出中はどうでしたか?くらいないんかい!!」


大目玉をくらったスタッフにはいい勉強になったかな。社会人として。これも一般常識ですよ。くじけず、成長してくださいね。



◆ 良くない例④命令口調で話しかける


これも多いです。


認知症患者さんや高次脳機能障害の患者さんやわがままな患者さんなどに対してよく見られます。


患者さんに振り回されて全然仕事が進まなかったり、ワーワー騒がれたり、忙しい時に手がかかってしまうと、つい

「もー、ちょっと待ってっていってるじゃない!」

「順番!!何度言ったら分かるの!」

「立たないの!一人で立つとこけるでしょ!危ない!」

「ナースコールは⁈ 勝手にベッドから出てきて!こけたらどうするの?ちゃんとコールを押してって言ったでしょ」


など命令口調で患者さんに話しているスタッフがいます。


これも我々は気を付けないといけません。


分かっているんです。病気が原因でそうなっているということを。ちゃんと分かっているんです。

でもイライラが過ぎて言ってしますのでしょう。

イライラも分かりますよ。でも、気を付けないといけません。


これも看護師さんに多い印象です。襟を正していかなければ。



◆ いづれにしても、失礼な言葉使いをしている職員がいたらどうするか

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言った本人に直接告げるのがいいでしょう。

別室にいるときに言うのがいいです。

ナースステーション内など、皆の前で叱るのは避けましょう。

見世物みたいに、失敗をさらすのはよくありません。かえって逆効果です。

中には他人の前で指摘を受けたことを根に持つ人がいますから。


言いたくなる時があることは、誰にでもある。


言いたくなる根拠があるときもあるでしょう。


分かりますよ。

でも、やはり、接客業に通ずる仕事であり、ホスピタリティは大事です。


大事なご家族を病院や施設などでお預かりをしているのです。

わがままを言っていても、叫んでいても、その患者さんには患者さんなりの理由があります。

そして、誰かの親であり、誰かの子であり、誰かの兄弟であるのです。


その患者さんには大切なご家族がいるのです。


患者さんの後ろにいる存在をもっと意識しましょう。


医療や介護の世界で働いている人だけでなく、どの業種でも言えることです。


キレイな言葉や立ち振る舞いを身に付けていくように努力が必要です。

言葉使いのキレイな人はそれだけで品格が感じられます。


仕事をするからには、患者さんから、家族さんから用事を指名される存在を目指したいものです。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2018年11月28日   更新日:2019年11月16日






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JCSを知らない看護師は看護師にあらず

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今日のお話は、「道で倒れている人を見つけたら」というお話です。


◆ 事故の瞬間に立ち会った時の話


昼頃だったと思います。

バス停のあるロータリーに道路からバスが入ろうとしたとき、歩道を歩いている中年女性をバスが跳ねました。


その女性は道路に仰向けに倒れていました。


たまたま近くにいた僕はその女性のところに駆け寄りました。

「大丈夫ですか⁈!」と声をかけると、

女性ははっきりとした声で「当たったあ」と言いました。


バスは女性を跳ねたところで停車しています。うしろは大渋滞です。

しかし、バスの前は跳ねた女性がいますから、前に行くこともできず、後ろは後続車でバックできず、その場に停まったままです。


運転手はすぐに降りてきて女性に駆け寄り、「すみません!大丈夫ですか?」と声をかけて、すぐに電話をかけました。


女性ははっきりした声でこちらの質問に答えることができ、開眼しています。

両手両足を動かすことができて特に痛がる様子もありません。

「大丈夫、大丈夫」と言えています。


僕は内心「これは、きっと大丈夫。おそらく大したことはなさそうだ」と直感しました。


ほどなく救急車がやってきて、女性を搬送していきました。

警察も来ました。

ほぼ同時にバスの職員もやってきて、バスの移動と交通整理に協力していました。


女性が救急車で搬送されていくのを見届けて僕はその場を離れました。



◆ 事故を目撃したらまずどうするのか


目撃したほうもかなりビックリしますが、まずは被害者に駆け寄り「大丈夫ですか?!」と大声をかけてください。


そこで開眼をせず返答もないようでしたら、かなり危ない状態だと推測してください。


声掛けをして眼を開けるようでしたら、そこまで緊急でもない可能性があるが、病院で検査は必ずしてください。


声掛けをして眼を開けるし、きちんと返答できるようでしたら、とりあえずはただちに命にかかわることはなさそうだと思ってもいいでしょう。ただし、病院受診は必ずしてください。


いずれの場合でも病院受診は必ずしなければいけません。


今のお話は緊急度の話ですので、「あ、これは安心していいから病院へ行かなくてもいいんだ」とは決して思わないようにお願いします。


大声を出して人手を集めます。

AED(除細動器)を持ってきてもらったり、救急車を呼んでもらったりします。

赤の他人であっても、頼むのに遠慮はいりません。

集まった人が年上であろうと遠慮はいりません。

緊急事態なのですから。

あと、人手が集まると被害者を安全な場所へ移動します。よほどのことがない限り、安全な場所へ移動させます。

道路に寝たままだと二次被害が発生するリスクがあるからです。


安全確保をしてからAEDを使用してください。

これは日本ACLS協会のBLS(一次救命処置)のプログラムにもあります。


AEDの使い方はこちらの記事をみてください↓



イメージ 写真:レスポンス


◆ 声掛けをして相手の反応から何が分かるのか?


声掛けをして眼を開けない場合、

もしくは声掛けをしても身体を叩いたり痛みを加えても眼を開けない場合は、

頭の緊急手術をしても予後が悪いことが多いのです。


要は何をしても眼を開けない場合は、緊急手術をしても良くならない可能性が高くなるということです。


事故でよく起こるのが、「急性硬膜下血腫」です。


眼を開けるか開けないかは、「急性硬膜下血腫」の手術をする際の判断材料になるのです。


何をしても眼を開けない場合は、頭に血が出て溜まっている状態を改善しようと、溜まっている血を抜く手術「血種除去術」をしても、良くならない可能性が高いのです。


逆に、声掛けや刺激で眼を開ける場合は、

これは手術をしたら改善できる可能性があるということで、手術適応なのです。



◆ ジャパン・コーマ・スケール(JCS)というものさしで意識レベルを判断します。


「ジャパン・コーマ・スケール」は通称「JCS(じぇいしーえす)」と言います。


TVドラマや映画などでよく出てくるフレーズです。


「コードブルー」のドラマでもよく出ていました。


看護師さんなど医療職の間では、JCS(じぇいしーえす)と呼ぶのが一般的です。


さっきの刺激に応じて一時的に開眼することを確認していたのは、

このジャパン・コーマ・スケール(JCS)を使って被害者の状態をみていたのです。


ジャパン・コーマ・スケールのコーマとは、

「昏睡」の意味です。


これは日本が考え出した「昏睡」の状態を測るものさしなのです。


そして、本来、頭部外傷や脳血管障害の急性期=脳ヘルニアの進行の評価に使うものです。

先ほどの「急性硬膜下血腫」の手術適応例であげたように、


「開眼するかしないか」


に重点を置いたものさしなのです。


「コーマ」という「昏睡」の言葉が使われているように、意識レベルがどのレベルなのかを判断するためのもので、先ほども言いましたように、開眼するかしないかに重点を置いたスケールのため、適応として不適切な病気や事例があるのが欠点です。


ちょっと難しい話になりましたが、

JCSは日本の医療現場に広く浸透しているスケールです。

多くの医療ドラマにも出てきますし、一般市民の方でも知っている方が多い。


「これを知らない看護師は看護師にあらず」、

と看護学校の先生から言われて、必死で覚えた記憶があります。


今思えば必死になって覚えるほどのものではなかったと思いますが、ピストンの看護学校時代は必死だったのです。

なんせ中年おっさんで学生をしていましたから。。覚えが悪かったんです。。。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2018年11月26日   更新日:2019年11月17日

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夜勤あるある その2

こんにちは、ピストンです。




「夜勤あるある その2」ということで、またまた恐怖のジンクスがあります。



よくあるのが、



怖い先輩看護師と一緒の夜勤に入った時、普段はやらないような失敗をやらかしてしまうという


これまた、恐怖のあるあるです。


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イメージ


皆さんもよく聞きませんか?



● ジンクス その3 怖い先輩看護師と一緒の夜勤のときに限って何かをやらかしてしまう



シフトを見ているので、前から心づもりをしてその夜勤に臨みます。


「今日は怖い先輩の女王 Aナースと一緒。ヘマをしないように気を付けなくっちゃ!」 と内心ビクビクしながらも、どこか心の中では、「よし!一晩の我慢だ。やりきってみせる!」 と自分で自分を奮い立たせながら臨んだ夜勤。


ところが・・・ 起こるんです。


魔のヘマが。


点滴をしている患者さんがいて、その点滴の更新をするタイミングを間違えてしまって、更新時間になっても前の点滴が終わっていない⁈


しかもかなりの量が残っているぅぅ。


多少の誤差ならまだしも、かなりの量の点滴液が残っていると、もう無理です。明らかに滴下計算ミス。


もしくは、時々点滴の滴下をちゃんと見ていなかったということになります。



自分から気付いて報告したのなら、まだいいのですが、 よりによってこういう時に限って、先輩が先に気づくんですよね。


ごめんなさい。そして患者さんにもね。



● ジンクス その4 患者さんがいつもより不穏になる



認知症の患者さんや高次脳機能障害の患者さん、高齢者であると不穏になる患者さんは増えてきます。


夜間に不穏になりそうな患者さんはスタッフの中では広まっているので、あらかじめ予想して対応したりするのですが、その不穏ぶりが、こういう夜勤のときに激しい。


もう、大声で騒ぐわ、家に帰えろうと出口を探して動きまくるわ、点滴を抜くは、鼻の経鼻経管栄養のチューブを抜くわ、いろいろあります。


患者さんは、その人それぞれに理由があってこうなっているんでしょうけど、対応するスタッフはとても大変になります。


ユマニチュードをしても、傾聴しても、タッチングしても、何しても大騒ぎ。 そうなると一人では対応ができなくなりますから(他のナースコールも鳴りますし)、怖い先輩看護師にヘルプを頼んだり相談したりする必要が出てきます。


対応に慣れていないと怖い先輩看護師からビシッと言われることもあります。


患者さんの安全のためには、キツく言われることは分かるんですが、ヘトヘトになっているところにとどめをさされるように結構こたえるんですよね。


あとで、「私の対応が悪かったのかなあー」って反省することになります。



● 怖い先輩は、なぜ怖いのか



怖い先輩は、その対応、ミス、やり方、将来、の怖さが分かっているのです。


自分も経験してきているんです。


だから後輩には同じ目に遭ってほしくない。 怖いことを知っているので、つい、キツイ言い方になってしまうのでしょう。


本当に理不尽な怖い先輩は論外ですが、 そうではない、ちゃんと理屈の通ったことを言う先輩は、ありがたい存在です。



● 夜勤あるあるのジンクスは本当か



本当です。 「マーフィーの法則」のように起こります。


しかし、 僕の考えでは、結局、後で振り返るといい経験なのです。


難しい対応の患者さんのことを経験できたのです。 そして次に活かせられるのです。



困ったときにちゃんと対応する先輩はかっこいいじゃないですか。


自分が先輩になったとき、後輩が困っているのをスマートに対応できるかっこいい先輩になりたいものですね。


あと、やがて自分の技術が上がってくるにつれて、怖い先輩からガミガミ言われることは少なくなってきます。 怖さで話しかけることを避けているともったいない。


打ち解けてくると、案外かわいい側面が見れることもありますよ。



他にも夜勤ジンクスはあります。


今日はこの辺で。


[ひらめき] こちらの記事もおススメ リンク記事夜勤あるある その1

[ひらめき] こちらの記事もおススメ リンク記事「夜勤入り前のあるある」


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


まかせて!?夜勤―まんがでリハーサル

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