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リハビリの開始時間が遅れると、あとあと他のリハビリにも影響がでます。

また、患者さんがリハビリに集中して取り組めるように援助すること

はとても大切です。

私たち回復期病院のスタッフにできることはなんでしょう。


◆リハビリ開始時間と終了時間、守れていますか?



回復期リハビリテーション病棟では1日のリハビリスケジュールが組まれています。

何時からPT甲さん、何時からOT乙さんというように、1日に複数のセラピストが入れ替わりながらリハビリをします。

もし開始時間が遅れたら、次の開始時間に影響します。

早くてもだめ、遅くてもだめ、できるだけ時間厳守ですることでスムーズにいきます。

ただ、時に時間どおりに進まないこともあります。

その場合はどう対処するのか?

患者さんの立場だったらどう思うのか?

ある患者さんの言葉が私の心にすごく響いたので書きたくなりました。


リハビリ開始時間と終了時間、守れていますか?


◆ 「オレは1日3時間しかない。必死やねん」



私が夜勤のとき、50代前半の脳梗塞の男性患者さん(仮にAさんとします)のはなし。Aさんは営業マンで学生のお子さんもいる、働き盛り。

消灯時間のまえに、いつものようにAさんのベッドに行きました。

私)Aさん、今日もリハビリお疲れさまでした。

Aさん)はあー、もう最低です。


Aさんは今日の出来事を語ってくれました。

■リハビリ開始時間が10分遅れた。10分遅れて担当リハスタッフがやってきた。遅れてきて開口一番「歯磨きは終わっていますか?」「トイレは済ませましたか?」だとぉ。

オレは時間どおりに開始できるように車いすに座って準備万端で待っていたんだ。

なのにそれはないだろう。しかも小学生じゃあるまいし。

10分遅れて開始しても、リハビリ終了時間は予定通り。

10分遅れたのなら10分延長しろよ。

■リハビリルームまで行くのに約5分かかる。10分遅れて迎えに来たら、リハビリルームに着くころには15分遅れて着くことになる。そうするとリハビリベッドが他の患者で使われていて場所探しをしないといけない。またまた時間のロスになっている。

■リハビリ開始してまずはマッサージから始まった。マッサージ中に担当セラピストはキョロキョロと周りを見たりする。ずっとオレを見ろとは言わないが、マッサージとはいえもっと目の前の患者に集中しろ。いい加減にされている感じがすごくする。

■リハビリスタッフ間の連携ができていない。一日に何人かのリハビリスタッフが交代で入るが、前のスタッフがどんなリハビリをしたのか把握せずに次のスタッフがリハビリをする。例えば「前のリハビリでは〇〇をしたので、今からはそれに更に〇〇を加えてやってみましょう」というように「繋がっていくリハビリ」をしてほしい。各リハビリスタッフがバラバラな考えでリハビリをしている。もっとリハスタッフが密に連携を取りながら「繋がっていくリハビリ」をしてほしい。

■80代、90代の高齢者のリハビリと40代、50代の働き盛りのリハビリを同じに考えないでほしい。

オレはまだまだ働かないといけないんだ。子どもはまだ高校生なんだ。だからオレは必死なんだよ。

1日3時間しかリハビリ時間がないんだ。1分たりとも無駄にしたくない。


Aさんはこのように言われました。

もっともだなと思いました。

患者さんが必死なら、私たちも必死でやらないといけません。

患者さんがいい加減なら私たちもいい加減でいいということではありませんが、どんな仕事でも熱意を持って取り組まなくてはプロフェッショナルではありません。

熱意のないとか、お客さんを考えていない仕事ぶりは、すぐに見抜かれます。

たとえそのようなつもりではなかったとしても、です。


◆ リハビリがスムーズに開始できるようにできることは?



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看護師ができることは何でしょう。

私たち看護師がこの件でできることは、リハビリ開始時間までにケアを済ませておくこと。

トイレ介助、オムツ交換、注入食を終わっておく、創部の処置を済ませておく、車いすに座って待機してもらうなど、できることはたくさんあります。

環境調整をしたり、疼痛緩和をしたり、夜に良眠できるように援助したり、

看護師もリハビリに協力できます。

患者さんがリハビリに集中して取り組めるように援助できます。


また上記のように看護師が今日のリハビリについて患者さんに聞くのもありなのです。

リハビリスタッフには言いにくいこともあるでしょう。

看護師とリハビリスタッフとの連携は大切なです。

患者さんが今、何に悩んでいるのか、どうしてほしいと思っているのかを共有することはとても大切です。

医療の中心に患者さんがいて、その周りに医療スタッフがいる。

このことをしっかり胸に刻んでいこうと思います。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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