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今日のお話は、「患者さんへの言葉使い」についてです。


どちらかというと、今回は医療、介護の世界で働いているスタッフ向けの記事です。

こういう言葉使いは良くない例をあげます。

入院している患者さんは年上の方がほとんどです。

人生の先輩であるわけですから、失礼のない言動を心掛けましょう。

年下であってもこれは変りません。

言葉使い一つで、患者さんからの印象は大きく変わってしまいます。

トラブルになるケースもあるので、言葉は慎重に選んで使うことをおすすめします。


どうです?

現場で使っていませんか?


◆ 良くない例①赤ちゃん言葉は使わない

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高齢者に対してまるで赤ちゃんと話をしているかのように、


「○○でしゅか?」

「はーい、よく噛み噛みしましょーね」

「もうおいしいでちゅか?」


といったように、赤ちゃんと接しているような声掛けをすることです。


こういう言葉使いは禁止です。


「歳をとると赤ちゃん返りする」とは言いますが、この場合はそういうことではありません。


失礼なのです。


もうあえて書くまでもないことですが、いまだに後を絶ちません。


僕も現場で目撃したことは何度もあります。


人生の先輩に対して失礼であるし、なんだか小馬鹿にしたような感じを受けます。

言っている本人はそのつもりはないかもしれませんが。


看護学校や介護の学校に通ったことがある人は、学校の教育で絶対教わったはずなのです。

そんな言葉使いをしてはいけないって。


そのような学校に通っていなくても、一般常識だと思っています。



◆ 良くない例②ストレートすぎる質問をする


「〇〇さん、今日便出た?」

「うんこ出た?」

「うわ!すごい臭い!絶対この人出てるわ」

「えっ、この部屋臭くない⁈ 誰よー、もうー」


これもアウト。


「今日便出た?」はもしかしたら、あるかもしれませんが、

せめて他患者がいるところでは聞いてはいけません。

あと「お通じがありましたか?」くらいの表現に変えて聞いてほしいところです。


そのほかの発言は、よく聞く言葉です。

あるんです。よく。


しかも大きな声で。


大抵は寝たきりの患者さんだったりすることが多いのですが、

本人はしゃべられなかったり、意思疎通が難しかったりする患者さんが多い。

でも、自分が言われたら嫌でしょう。

自分の親や子に対して言われたら嫌でしょう。


実際はそうであっても、そこはバーンと口に出してはいけませんよね。


でも看護師さんは多いよ。気を付けないと。



◆ 良くない例③デリカシーのない質問をする



先の「ストレートすぎる質問をする」と似ているところもあるのですが、そんな言い方しなくても・・・と思う言葉を掛けるスタッフがいます。


例えば、

入院患者さんが外出から病院に帰ってきたとき、「タバコ吸いました?」と聞くスタッフ。

まずは、「おかえりなさい。外出中はお変わりありませんでしたか?」「寒かったでしょう。体調は崩していませんか?」でしょう。


それもなく、外出や外泊から帰ってきていきなり「タバコ吸いましたか?」って。

たしかに普段からこっそり吸っていたことがある患者さんでしたけど。

でもそりゃあないですよね。

実際その患者さんは怒りました。当然です。

「なんじゃあ、その口の聞き方は!!!帰ってきていきなりタバコ吸いましたか?だとお。せめて外出中はどうでしたか?くらいないんかい!!」


大目玉をくらったスタッフにはいい勉強になったかな。社会人として。これも一般常識ですよ。くじけず、成長してくださいね。



◆ 良くない例④命令口調で話しかける


これも多いです。


認知症患者さんや高次脳機能障害の患者さんやわがままな患者さんなどに対してよく見られます。


患者さんに振り回されて全然仕事が進まなかったり、ワーワー騒がれたり、忙しい時に手がかかってしまうと、つい

「もー、ちょっと待ってっていってるじゃない!」

「順番!!何度言ったら分かるの!」

「立たないの!一人で立つとこけるでしょ!危ない!」

「ナースコールは⁈ 勝手にベッドから出てきて!こけたらどうするの?ちゃんとコールを押してって言ったでしょ」


など命令口調で患者さんに話しているスタッフがいます。


これも我々は気を付けないといけません。


分かっているんです。病気が原因でそうなっているということを。ちゃんと分かっているんです。

でもイライラが過ぎて言ってしますのでしょう。

イライラも分かりますよ。でも、気を付けないといけません。


これも看護師さんに多い印象です。襟を正していかなければ。



◆ いづれにしても、失礼な言葉使いをしている職員がいたらどうするか

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言った本人に直接告げるのがいいでしょう。

別室にいるときに言うのがいいです。

ナースステーション内など、皆の前で叱るのは避けましょう。

見世物みたいに、失敗をさらすのはよくありません。かえって逆効果です。

中には他人の前で指摘を受けたことを根に持つ人がいますから。


言いたくなる時があることは、誰にでもある。


言いたくなる根拠があるときもあるでしょう。


分かりますよ。

でも、やはり、接客業に通ずる仕事であり、ホスピタリティは大事です。


大事なご家族を病院や施設などでお預かりをしているのです。

わがままを言っていても、叫んでいても、その患者さんには患者さんなりの理由があります。

そして、誰かの親であり、誰かの子であり、誰かの兄弟であるのです。


その患者さんには大切なご家族がいるのです。


患者さんの後ろにいる存在をもっと意識しましょう。


医療や介護の世界で働いている人だけでなく、どの業種でも言えることです。


キレイな言葉や立ち振る舞いを身に付けていくように努力が必要です。

言葉使いのキレイな人はそれだけで品格が感じられます。


仕事をするからには、患者さんから、家族さんから用事を指名される存在を目指したいものです。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2018年11月28日   更新日:2019年11月16日






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