ALS患者に頼まれて殺人をした医師について思うことがあります。
◆ ALS嘱託殺人事件に思う
「産経新聞の記事より」
難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者への嘱託殺人罪などに問われた医師の大久保愉一(よしかず)被告(45)の裁判員裁判第6回公判が23日、京都地裁(川上宏裁判長)で開かれた。被告は、ALS患者の林優里(ゆり)さん=当時(51)=を死亡させたことについて「困っている林さんを放っておくことはどうしてもできなかった」などと述べた。
ALS患者さんを何人もみてきましたが、やはりとても残酷な病気です。
意識はそのまま保ち、
手足が動かなくなり、呼吸もできなくなり、食べられなくなり、
まぶたも開けられなくなり、言葉を発することもできず、
やがて、
意識はそのままで、まったく何も動けず人工呼吸器につながれて
目も閉じた状態で寿命が尽きるまで生きることになります。
意識はそのまま保っています。
これが本当に残酷な病気です。
目をあけられず、
話すこともできず、
指1本すら動くことができず、
呼吸もできず、
食べることもできず、
耳や皮膚からの刺激情報だけで生きるのです。
もちろん、人工呼吸器や胃ろうなど、
生きるための医療処置はされるのですが、
それにしても意識はそのままでいっさい動けなくなるのは残酷です。
◆ 日本でも安楽死や尊厳死の議論を深めたらどうか
ALS患者さんだけでなく、難病で寝たきりでまったく動けない患者さんをたくさん見てきました。
実際にケアもしてきました。
意識はどうもなくて保っています。
でもまったく動けない。
人工呼吸器につながれて会話もできません。
自分からは意思疎通がまったくできなくなります。
まだ軽症のときはなんとかできたことも、
やがて病気が進行するとできなくなります。
医師に殺してと頼んだ患者さんはどういう心境だったか。
想像しかできませんが、
殺してほしいと頼む気持ちはわかります。
じゃあということで殺してしまっては犯罪ですし、
言われたからできることでもありません。
そういうことを分かったうえで、
日本でも安楽死や尊厳死について議論を深めていく必要があるのではないかと思います。
それでも生きたい!
寿命が尽きるまでどんな手をつかっても生きたい!
という人もいるでしょう。
なので、「自分の人生を選べる」という選択肢を残すことで、
ある人を救うことになるのでしょう。
それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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