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誰も身体拘束なんてしたくないですよ。

でも仕方ないこともあります。


◆ 本当は身体拘束はしたくない



これは本当にそうです。

ボクだけじゃないです。

看護師はみんな、身体拘束をしたいとは思っていません。

本当はしたくないんですけど、しかたなくやっています。


身体拘束をしなくていいのならそれが一番です。

みんなこういう思いでいます。


しかし、現実はそううまくはいきません。

「ごめんなさいね、ごめんなさいね」

と言いながら身体拘束をしています。


なぜか?

せん妄があるからです。


これは本人にもどうしようもありません。

コントロールできません。

集中治療室でもよく起きます。

病棟でも起きます。


点滴を引っこ抜きます。

鼻の栄養チューブも抜きます。

ベッドから出ようとしてこけます。

手術後の体に付いているいろんなコードやチューブを抜きます。

本当に危険です。


認知症やせん妄で、いくら言っても無駄です。

収まりません。

だからやむを得ず身体拘束をします。

これしか方法はありません。

あとは鎮静といって薬で眠らすか。

でもそればかりできないしね。


なので、身体拘束をしないと本当に危険なんです。

患者さんは言っても通じないのでしかたないのです。


◆ 認知症も同じ



このブログを読んでいるような通常の状態では想像のつかないことですが、

病気になり、手術し、環境がかわると、そういうことになります。

患者さん自身もコントロールできません。

指示が通じないのです。

危険なうえに、指示が通じないので、やむを得ないのです。


あと、認知症で便をいじったり、

おむつを投げ捨てたり、

服を抜いで全裸になったりします。


本当に、病棟で周りにいっぱい人がいるのに、

そんなことをします。


手にミトンといって、物がつかめない特殊手袋をします。

全裸になって恥ずかしい思いをさせる(本人はそう思っていないでしょうが)のを防ぐためです。

便をいじって、便まみれになるのを防ぐためです。

それは悪ですか?

自分の親が認知症で便まみれになっても、

「いや、ミトンをしないでください」

と言えますか?

便まみれになっているほうが、人間の尊厳を踏みにじっているでしょう。

指示は通じず、何度言っても効果がない、

ならば手にミトンをはめて、便いじりができないようにします。

家族の同意はとります。


これらは仕方ないと思います。

本当はしなくないです。

でも、チューブを抜きまくって血だらけになったり、

ベッドから勝手に出てコケて怪我したり、

便いじりをして便まみれになったり、

そうしたほうがよほど人間の尊厳を踏みにじっていると思います。


身体拘束をした施設とか裁判で訴えられていますが、

本当にしかたない場合もあるということは、

広く社会に知ってもらいたいです。




それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。





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