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実際にあったことなのですが、

入院者が生活保護だからいい加減な医療をされたと勘違いした人がいます。


◆ 生活保護者だから手抜きされたと勘違い



入院中に急変して死亡退院された患者の知人から、病院に何度も問い合わせがありました。

「カルテを見せてほしい」

「どういうことがあったか説明してほしい」

こういう問い合わせが何度もありました。


死亡した患者さんは家族がいない生活保護者でした。

家族が誰もいない孤独な患者さんでしたので、身の回りの世話を知人がしていました。


その知人から、患者死亡後に何度も病院に問い合わせがありました。


でもあくまでも知人ですので、家族ではありません。

カルテを見せるわけにはいきません。


最初はなんでこんなにしつこく病院に問い合わせてくるのだろう？と思っていました。

あるとき、その知人は電話でこう言いました。

「ちゃんとやってくれていたんですね」


今までのやりとりとこの一言でわかりました。

死亡した生活保護患者さんの知人は、

「生活保護だから、手抜きした医療を提供されたから死亡したんじゃないのか？」

と疑っていたのです。


生活保護だからいい加減な医療を提供された…。

生活保護だから差別されたのでは…。

そう疑っていたのです。

だから、カルテを見せろ、もっと説明してほしいと、

家族でもない知人なのに、しつこく病院に問い合わせをしていたのです。


◆ 生活保護だからといっていい加減なことはしない



生活保護だからといって、いい加減な医療はしません。

日本の医療は誰がどこで受けても同じ水準です。

働いている医療スタッフも

「この人は生活保護だから、適当でいいや」

なんて思っていません。


この件で考えました。

生活保護や貧困者は、今まで差別や心無いことを言われてきたんだろうなと。

生活保護ということで、世間から冷たい目で見られてきたんだろうなと。


だから、死亡したのは生活保護だからいい加減なことをされたからだろう、と思ったのでしょう。


そうではないのですが、

そう思ってしまうほど冷たい目に遭ってきたのでしょう。


生活保護でも手抜きせずちゃんとやってくれていた、と理解してくれてからは、その知人からの問い合わせはなくなりました。

世の中はこういう思いの人がいるんです。




それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。





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