脳出血の後遺症で高次脳機能障害になった若者を何人も見てきたが、やはり若いと回復がいい。もちろん人によりけりだが、全体的に若いほど回復がいいと言える。回復期では、このように、患者さんの回復過程の変化を目の前で見ることができる。ボクはこういうのが魅力に感じて回復期にいる。
— ふるたによしひさ@看護師 (@yoshihisanurse) March 9, 2023
脳卒中で若い患者さんをみていると、高齢者よりも回復が早いです。
◆ 【脳卒中】若い人は回復が早い
脳卒中後のリハビリ目的で入院してくる患者さんの多くは70歳~90歳代です。
ときどき30歳代~50歳代の若い患者さんが来られます。
このような若い患者さんのリハビリをみていると、回復が早いことがわかります。
もちろん個別の状況や個人差はありますが、全体的に見てやはり回復が早いです。
急性期病院から回復期へ来られた当初の状態から、退院日の状態を比較すると、あきらかに回復がすごく明確にわかります。
回復期に入院当初できなかったことが、退院日には日常生活のことがほとんど自分でできるようになっていることを何度もみてきました。
◆ コミュニケーションがきちんととれるかどうか
こういう回復が早い患者さんをみていると、
単に年齢が若いだけではいけないことがわかります。
会話がきちんとできるかどうかです。
これは非常に大事な要素です。
脳卒中になった場合、人によっては失語といって、会話がうまくできないことがあります。
失語は大きく二つに分けられます。
感覚性失語と運動性失語です。
感覚性失語は、言葉、単語の意味がわからなくなってしまいます。
なので、会話をしていても理解できません。
本人は流暢にしゃべりますが、意味不明なことを言います。
本人は相手の言っていることがわかりません。
こういう不思議な現象が起きます。
運動性失語は、言葉の意味はわかりますが、たどたごしく話します。
うまく言葉が出てこなくて、
「えーー、えーー、あ、あのー、の、の、の…ど、渇いた」
というように、なかなか言葉が出てきません。
本人は相手の言っていることはちゃんとわかります。
本人の頭のなかではどういう会話をするかわかっていますが、
実際の言葉が出てきづらいのです。
脳卒中で回復が早い人の特徴は、年齢が若いだけでなく、
言葉が理解できるかどうかも重要な要素です。
上の例でいいますと、
言葉の意味が双方理解不明な感覚性失語より、
言葉の意味がわかる運動性失語のほうが、回復は早いです。
やはりコミュニケーションがきちんととれるほうがリハビリも進みやすいということがいえます。
運動性失語の場合は、たどたどしい会話ですが、言葉の意味はわかっていますので、
「では、この歩行器を使って歩いてみましょう」
というリハビリスタッフの指示に従ってくれます。
感覚性失語の場合は、ちんぷんかんぷんです。指示に従ってくれません。
こうした違いが、回復力に大きく影響を与えていることは容易に考えられます。
◆ その人に合ったリハビリのやり方を探ること
脳卒中は、患者さんの数だけ種類があるといってもいいぐらい、その人によります。
麻痺といっても、すごくバリエーションがあります。
それぐらい人によるのです。
なので、入院中にほかの患者さんの様子を見て、
「ああ、なんで私はあの人のように動けないのだろう…こんなにリハビリしているのに」
と、がっかりすることがあるかもしれません。
しかし、他人は他人。自分は自分です。
脳卒中は患者さんの数だけ種類がある、というほど奥深いものです。
方程式どおりにいかないものです。
たしかに、
若い、言葉でコミュニケーションがきちんととれる、
という患者さんのほうが回復は早いです。
そうなのですが、高齢であっても、感覚性失語であっても、回復はしていきます。
ただ時間がかかりますし、
やり方を工夫していく必要があります。
高齢だからとあきらめるのではなく、
自分なりのやり方でリハビリを継続していくことが大切です。
それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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こんばんは。詳しい説明ありがとうございます。現在は病院を決めてソーシャルワーカーに連絡済みで面談待ちといった状況です。まだ連絡来ないのでいつかは分からないのですが。免許の返納の件は主治医に次回の外来時に相談して脳の画像検査お願いしてみようと思います。実は要介護2なんですよ。認知も明らかにでているのですがもちろん本人認めずでやはりはっきりした診断必要ですね。大変参考になりました。感謝です。
みぃにゃん さん>>
面談がうまく進むといいですね。
そのほうがお父様も安全ですし。