衆議院選挙の投票日も近いですね。
各政党は大胆な財政支出をする政策を発表しています。
これが絵に描いた餅なのか、世紀のホラ吹きなのかを考えるにあたり、
正しい貨幣観を持つことが必要と考えます。
そこで、お金の真実を書き、事実はこうですよということを共有したいと思います。
もうすでにご存知の方は飛ばしてもらってかまいません。
お金は、皆さんが財布の中に持っている紙幣だけのことではありません。
お金は、日本銀行が刷る紙幣だけがお金ではありません。
紙幣という「物」だけがお金だと思ってしまうと、経済がうまく説明できません。
◆ 貨幣は貸借関係で生まれる
例えばボクが家を買おうとして、銀行に融資を受けに行きます。
銀行から3,000万円借りました。
このとき銀行は、ボクに貸してくれた3,000万円はどこから用意したのでしょうか。
答えは、銀行はボクの預金通帳に30,000,000と記入しただけです。
単に通帳に数字を記入しただけです。
3,000万円という紙幣を実際に用意したわけではありません。
まさに貸借関係が生まれた瞬間に、お金が生まれました。
ボクに貸した3,000万円は銀行からみると資産。
ボクからみると3,000万円の負債になります。
ボクからみると3,000万円の負債になります。
こうして3,000万円というお金が世に生まれました。
お金は政府が作るだけではなく、そのへんの銀行で誰かがお金を借りた瞬間に生まれています。
銀行が単に数字を書くだけでお金が誕生します。
これを「万年筆マネー」といいます。
文字どおり数字を書くだけでお金が誕生します。
まあ、現在では万年筆ではなくキーボード入力ですが。
このようにお金は、貸借関係で生まれます。
これを「信用創造」といいます。
銀行は数字を書くだけでボクの預金を増やしますが、その根拠は信用ということです。
誰かの資産は、誰かの負債。
誰かの負債は、誰かの資産。
さっきの3,000万円でいうと、
銀行の資産は、ボクの負債。
ボクの負債は、銀行の資産。同じことですね。イコールです。
これは信用のもとに、銀行がボクの通帳に単に数字を記入したことでお金が誕生したということになります。
ボクの負債が増えれば、銀行の資産も増えます。
負債と資産はイコールです。
◆ 銀行が「いいよ」と言えばそれでお金が生まれる
ということは、世の中のお金の量は一定ではなく、常に変動しています。
そのへんの銀行で誰かがお金を借りたら、それで世の中のお金が増えます。
銀行に行って「お金貸して」と言って、銀行が「いいよ」と言ったらお金が誕生します。
逆に、借金を返済したらその分お金が減ります。
さっきの話でボクが3,000万円を完済したら、3,000万円というお金がこの世から消滅します。
お金は貸借関係で生まれます。
貸借関係がなくなれば、お金は消えます。
ボクが毎月10万円ずつ銀行に返済すると、10年後にはその分借金が減ります。
ボクの負債が減って、銀行の資産も減ります。
さらにボクは20年間ずっと返済していくと、さらにボクの負債は減り、銀行の資産も減ります。
さらにボクは返済を続けて、ようやく3,000万円を返済しました。
するとボクの負債は消滅し、銀行の資産も消滅します。
そうです、3,000万円という負債と資産がこの世から消えました。
お金は貸借関係で生まれます。
貸借関係がなくなれば、お金は消えます。
こういうことが、今もあちこちで起こっています。
世の中のお金の量は一定ではなく、常に動いています。
お金は貸し借りがあって誕生し、それを書くだけで有効になります。
ルパン三世が狙う大きな金庫に紙幣を溜め込まなくてもいい。
昔のように金とか銀とかの物を用意しなくていい。
単に数字を書くだけでお金が誕生します。
◆ 国債も貸借関係で生まれる
国債という、いわゆる「国の借金」とマスコミで呼ばれるものも、貸借関係で生まれます。
文章だけで説明すると非常に分かりにくいので、
ここでは三橋貴明氏がYouTubeやテレビやブログで説明するときに使っている図が秀逸すぎるので、引用させていただきます。
図:三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへのエントリー」より
この秀逸な図。さすがです。国債の流れが一目でわかります。
国債発行に税金は必要ありません。
上の図をご覧いただくと、税金は一切出てきませんね。
お金は貸借関係で生まれます。
国債を発行するのに税金は関係ありません。
国民の銀行預金から国が借りている、ということもありません。
世の中のお金から国がガサーっと借りているわけでもありません。
国債は貸借関係から生まれるのです。
◆ 日本は財政破綻しない
ということは、国債発行をしても金利はあがりません。
市中のお金を政府が借りて国債発行をしているわけではないから、世の中のお金が減るわけではないからです。
むしろお金が増えます。
お金は貸借関係で生まれますから、国債発行をすると国民にお金が回ります。
国債発行は、貨幣発行です。
そして超大事なことは、日本は財政破綻しないということです。
国債発行をしても、未来に不安はありません。
結論はこれです。日本は財政破綻しません。
財務省自身が公式ホームページでそう書いています。
「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルト(債務不履行)は考えられない」
日本銀行が公式にこう述べています。
今もこの瞬間も書いてありますのでぜひ見てください。
財務省自身が「債務不履行はない」と発表≫ 財務省公式ホームページ
そして、国債は日本銀行が買い取ればチャラになります。
財務省が勝手に無責任にそう言っているのではなく、事実としてそうです。
貨幣発行ができる政府が、債務不履行になるわけがありません。
理論的には、国債発行は無限にできます。
ただし、インフレ率だけを気にしていればいい。
◆ ハイパーインフレーションにもなりません
国債発行が増えるとハイパーインフレーションになるという危惧があると、一部の経済学者が言っていますが、それもありません。
なぜなら財務省自身がハイパーインフレーションを否定しているからです。
財務省自身が「ハイパーインフレーションの懸念はゼロに等しい」と公式発表しています。
財務省自身が「ハイパーインフレーションはない」と発表≫ 財務省公式ホームページ
事実として、こんなに国債があるのに日本はデフレですもんね。
日本よりももっと国債発行をしているアメリカや中国もハイパーインフレーションになっていませんね。
事実として、ハイパーインフレーションはありえません。
理論的に国債は無限に発行できますが、そこはインフレ率の制限を受けます。
政府目標はインフレ率2%です。
世界的にみても、だいたい2~4%程度が適正です。
国債発行は、残高に制限を受けるのではなく、発行量に制限を受けるのではなく、インフレ率の制限を受けます。
インフレ率だけを気にしつつ、国債発行を怖れずにすることが経済成長に絶対必要です。
◆ 各党の財政支出政策は実現可能
なぜここまで貨幣や国債について述べてきたかというと、いまの衆議院選挙で各党が財政支出について言っていますよね。
これらの財政支出は不可能だと思いますか?
各政党は途方もないホラを吹いているのでしょうか?
いいえ違います、可能です。
正しい貨幣観を持ち、正しい国債の仕組みがわかると、税に頼らず財政支出が可能とわかります。
貨幣は貸借関係で生まれる。
政府の負債は、国民の資産。
政府の支出は、国民の収入。
国債発行は、貨幣発行。
国債も貸借関係で生まれる。税は関係ない。
自国通貨建て国債で財政破綻はありえない。
インフレ率だけを気にしていれば、理論的に国債は無限に発行できる。
ハイパーインフレーションの可能性はゼロ。
つまり、いままでの貨幣観は間違いということです。
国債発行をしていると、いずれ財政破綻すると思っていました。
財政破綻とまではいかなくても、赤字って良くないよね、と思っていました。
国債発行って、あまりいいイメージを持っていませんでした。
政府がお金をジャブジャブ支出するのは良くない、と思っていました。
政府が十分なお金を数字を書くだけで生み出せるとは思っていませんでした。
国債発行が、貨幣発行とは知りませんでした。
国の財政を、家庭の家計簿と同じ感覚で考えていました。
日本は、国債発行をおそれるあまり、未来に投資してこなかった。
アメリカも中国も、日本とは比べものにならないぐらい多額の国債を発行しています。
破綻していますか?
ハイパーインフレーションになっていますか?
いいえ、コロナ禍であっても経済成長しています。
過去20年、先進国のなかで給料が増えていないのは日本だけです。
なぜ中国がこれほど経済成長をしているのでしょうか。
中国は自国通貨建て国債を大量に発行しているからです。
中国のあのすごいインフラ整備は、多額の国債発行があるから可能なのです。
日本は緊縮、緊縮、緊縮、増税、増税、増税。
これでは経済に差がでるのはあきらかですよね。
まだまだ多くの人は多額の国債発行をおそれていると思います。
しかし、正しい貨幣観を持ち、世論を積極財政に向けていかないといつまでもデフレのままです。
政府は税金に頼らず十分な資金調達が可能とわかりましたが、なぜ今まで実現できなかったのでしょうか?
それは財務省が国債発行を嫌がっているからです。
次回は、なぜ財務省は国債発行を渋るのかを書きます。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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