病院にはさまざまな患者さんが入院しているので、毎日いろんなことが起きます。
トラブルは絶えません。
いまボクは回復期リハビリテーション病棟で勤務しています。
なので、当然ながらリハビリをするために入院している患者さんばかりです。
ところで、
「リハビリをする気がなくて、家に帰りたい一心」の患者さんがいたら、どうしますか。
彼女(Aさん)は50歳代。
脳出血で左片麻痺があり、一人で歩行ができません。いつもは車いす。
入院当初から「もう帰りたい」と言っていました。
最近はとくにその訴えが強く、リハビリを拒否してボイコット。
食事や内服薬も拒否して、ボイコット。
ご主人と二人暮らしです。
夫は「リハビリ意欲ができようにするのが、病院の務めだろ!俺は妻によう言わん!」と。
夫は「妻本人がもう帰りたいといっているし帰らせる」
「いや、こんな介護しないといけない状態で帰ってこられても困る」
と主張がコロコロ変わります。
最後には「妻のやる気を出させないのは、病院のせいだ」と。
で、病棟で問題になりました。
◆ 本人の意向が最重要
意思表示ができる患者さんの場合、
やはり本人の意向が最重要になります。
これは医療法第1条の2に書いてあります。
≫ 医療法
なので、本人が「もう帰りたい」と言えば、強制的に入院継続をすることはできません。
ところがここが大事なところで、
そうはいっても、Aさんの場合、もう少しリハビリをすればもっと改善する見込みがあります。
杖歩行までいけそう。
もっと日常生活が楽に送れる可能性が非常に高い患者さんです。
ボクたち病院側の人間としては、これは非常にもったいない。
ここで退院してしまっては、せっかく歩ける可能性があるのに、それをつぶしてしまうかもしれない。
なので、本当は帰らせてあげたいのだけども、
本人や夫を説得して「もうちょっとリハビリをがんばりませんか」と言いました。
いっぱいお話をしてけど、本人は「もう嫌。入院の不便さが耐えられない」と、
帰るの一点張り。
で、夫が冒頭のように、
「本人のやる気がでないのは病院のせいだ」とわめいたというわけです。
◆ 病院は個室にしたり時間調整したりと配慮している
最初は大部屋でしたが、プライバシーや夜の物音を考慮して個室に。
リハビリ時間も本人の意向を尊重して時間調整しながらスケジュールを組む。
飼っているペットにも会わせることもした。
まあ、いろいろとAさんのストレスが軽減するように配慮はいっぱいしていた。
ところが、最終的には、Aさんも夫も病院に不信感をぬぐうことはありませんでした。
こうしたケースは、Aさんの場合だけではありません。
病院がいろいろ配慮をしても、けっきょく本人が嫌の一点張りだと、どうしようもありません。
病院がいろんな配慮をしても、
いまここでリハビリを止めるともったいないことを説明しても、
本人が「もうやらない」「麻痺が改善するよりも家に帰りたい」
と言ってきかない場合は、どうしようもありません。
病院はなんども説明をしました。
でも本人はリハビリ拒否を変えない。
こうなると訪問リハビリという手を使う方法があります。
しかし、入院しておこなうリハビリに比べてどうしても時間や方法が限られます。
やはりリハビリ入院したほうが、みっちりできます。
だから入院したのです。
◆ やはり本人の意向が大きく左右する
こうしたケースは、どこの病院でもあります。
本人にリハビリする意思がない場合は、そもそもリハビリ病院が断ることもあります。
医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重…(医療法第1条の2)
国民みずからが健康の保持増進のための努力が基礎になっているからです。
国民一人ひとりが、みずから努力することが求められているからです。
なので、「リハビリする気がない」とボイコットしているくらいのケースでは、
リハビリ入院継続は難しい。
ボクら医療者からすると、ここでリハビリ中断するのは、非常にもったいないのですが、
それはさんざん説明したこと。
もやもやすることが起きるのですが、
いろんな考えの人が集まっているので、
つくづく人間関係の難しさを実感します。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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難しいですね。きっと、その方は自宅に帰っても不便が続くのでしょうし、ご主人も元通りの生活ができない奥さんを見て、結局イライラして文句を並べることになりそうですね。現実(現状)を受け止めるところからの第一歩ですね。
ようこくん さん>>
おしゃる通りですね。
まずは現実を受け止めるところからですね。