新人看護師が「つらい」と感じることの原因はいくつかあります。
なかでも最も多いのが「人間関係」です。
他のサイトを見ると、「知識がないから」「技術が未熟だから」などが書いてあります。
また、日本看護協会の調査で「新人看護職員の離職理由」に、「基礎教育終了時点の能力と現場で求める能力とのギャップが大きい」「現代の若者の精神的な未熟さや弱さ」が1位・2位になっています。
≫ 日本看護協会 「新人看護職員研修の現状について」
ですが、それは根本的なつらさではありません。この資料の裏を読まないと真実が見えてこないんですね。
最も多くて深刻なのが「人間関係のつらさ」なのです。
◆ あなたの悩みは「対人関係の悩み」です。
アドラー心理学をご存知でしょうか?
大ベストセラー本「嫌われる勇気」なら聞いたことがあるかも知れませんね。
アドラーは、フロイト・ユングと並んで三大心理学者の一人です。世界的に超有名な心理学者なんです。
そのアドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言っています。
対人関係、これは人間関係の悩みといえるでしょう。
究極的なことを言うと(現実ではあり得ませんが)、この世に自分しかいないのなら、すべての悩みが消えるというものです。
たとえば、顔とかの容姿にコンプレックスを抱えて悩んでいる人は、この世に自分しかいなかったら悩みは消えます。他に誰もいないので、容姿を気にする必要がないからです。
また、売り上げが悪い、成績が悪いという悩みも消えます。
お金がないという悩みも消えます。自分一人だけだと払う必要がないし、そもそもお金が不要になります。
病気の悩みも消えるとアドラーは言います。これからの人生を気にする必要もなくなるし、自分が死ぬと人類史は終了するのでそもそも歴史を振り返ることもない。何か手柄を立てる必要もなくなる。
人はいろいろな悩みを持っていますが、それらは「対人関係」があるゆえに悩みが生まれています。
他者の存在があるから、悩みが生まれるということです。
つまり、「すべての悩みは対人関係の悩み」に行きつくというのがアドラー心理学です。
考えてみましょう。
職場の悩みはまさにそうじゃないですか?
上司に悩んでいる人、いませんか?先輩に悩んでいる人、いませんか?
患者との関係に悩んでいる人、いませんか?
たしかに看護技術が未熟が原因で悩む新人は多いでしょう。私もそうでした。
でも、よくよく考えてみると、やっぱり対人関係(人間関係)の悩みなんですよね。
看護技術が未熟だと患者さんを不安にさせたり、危険な目に遭わせたりしますよね
→ 患者さんとの人間関係にある悩みです。
未熟でミスをすると先輩や上司から怒られたり、嫌な陰口を言われたりする 。自分の評価が気になる。
→ 先輩・上司との人間関係にある悩みです。
「学校卒業時点の能力と現場が求める能力とのギャップが大きい」というのも、対人関係の悩みです。
しかし、これはちょっと私はおかしなことだと考えています。
看護学生は免許がないので実践できる看護技術はほとんど素人レベルなのです。
そもそも医療行為ができないので、練習するにも限度があります。
やりたくてもできないんです。
演劇やフィギアスケートでいうと、本番さながらの通しを一切しないまま本番当日を迎えるようなものです。
看護師は仮免もないので、自動車免許でいうと、教習所で仮免許をとって走ったことが無い人が免許を手に入れて、いきなり公道で初めて運転するようなものです。
これで「現場とのギャップが大きい」って、そりゃそうでしょ。
教習所でシュミレーションばかりやってて、免許をとったらいきなり本物の車で公道を走るんですから。
車の運転も医療行為も、どちらも命に関わることですよね?
でも新人看護師はこんな状況でもがんばって精進しています。
がんばっているんですが、やっぱり上手くできなくて悩みますし、
周りからは低い評価を受けるので、余計つらいんですよね。
看護協会の調査を見て、「ああ、そんなんだ」で終わらせるもはもうやめて、ここまで問題の本質を考えないといけないでしょう。
新人看護師がつらいと感じることの本質は、「対人関係の悩み」にあることが分りました。
ではこうした悩みを解消するためにどういう行動をとればいいのでしょうか。
私が考える解消法は3つあります。
◆ 【やるべきこと その①】自己啓発本や優しさにたっぷり触れる。
学生だった頃の悩みと社会人になってからの悩みはちょっと違います。
新人看護師は看護師一年目であると同時に、社会人一年目でもあります。
なので、大人のコミュニケーション能力を養っていかないといけません。また働いているとトラブルは付き物です。これに対処する手段やメンタルを持つことも大切です。
どんな仕事もそうですが「お金を稼ぐ」ということは非常に大変なことなのです。
自分が働くようになって、親の大変さや世の中の大人たちの苦労が身に染みて分かる。
あのビルで働く人も、あのお店で働く人も、今通り過ぎた営業車を運転する人も、みんなそれぞれ悩みを持って今日も仕事をしています。
社会人になった今、世の中の先輩が残した役立つノウハウや考え方にたくさん触れましょう。
自分では気付かなかった考え方やノウハウが世の中にたくさん出回っています。
また、読めば希望や勇気を与えてくれる本があります。
できるだけたくさんの考え方に触れてください。
苦しい状況を打破するためには、それなりのメンタルが必要です。
また、どんな状況も自分のとらえ方一つで意味付けが変わってきます。
不幸ととらえるか、勉強になったととらえるか。
人生経験がまだ浅い新人さんは、自分の置かれた状況を客観的に見ることができない人がいます。
極端な発想しかできない、多様な発想ができないといったことがよくあります。
こうした人は自己啓発の本をたくさん読んで、自分と違った視点に触れるようにしましょう。
本屋に行ってもどれがいいか分からないかもしれません。
そういう時は、ちょっと立ち読みして「これいいこと書いてあるなぁ」と思ったら何でもいいので買いましょう。「タイトルが気に入ったから」でもいいです。とにかく最初はたくさんの本に出会いましょう。たくさん読むうちにだんだんと本の見極めができるようになります。
今、大事なのはどの本を選ぶかではなくて、自分と違った視点や考え方にたくさん触れるということです。
とはいうものの、最近私が読んだ本のなかで「これはいい!」と思った本があります。
脳科学と心理学で根拠ある解説をして話を進めてくれるのがうれしい。
なんと、著者は看護師なんです。だから本の内容も看護師の悩みやつらさに対処する方法が書いてあります。
これはマジで買ってよかった。
自己肯定感を高く持つことはとても大切です。
読めばもっと自分を肯定できるようになりますよ。
つらい時ほど、人の優しさにたっぷり触れてください。
自分自身をケアすることが大事です。
最近の新人看護師さんはほとんどがSNSをやっています。
私の周りの新人さんもほとんどがSNSをやっています。そういうもんなのです。
でも友人関係とかアイドルとかのフォローしかしていない人がけっこういて、ちょっともったいない。
それもいいんですが、世の中はもっと広い。いい事をたくさん発信している人がいます。
たとえば私がおすすめするインフルエンサーを2人ご紹介します。
1人目は「Testosterone」さん。
「筋肉は裏切らない」で有名なフォロワー数96万人のTwitter界の有名人。著書もあります。
とにかく彼のツイートを読んでほしい。
気持ちよすぎ。人生肯定しすぎ。勇気とユーモアにあふれた彼の言葉を浴びましょう。
きっと「あれ?私なんであんなことで悩んでいたんだろう」ってなるから!
もう一人は、このブログでもご紹介した「小池一夫」さんのツイート。
人生の生き方の参考になります。しかも話口調がとても優しい。
読めば癒されるし、自分も優しい気持ちになれます。
まだまだ世間は捨てたもんじゃない。
世の中にはね、優しさもたくさん転がっているんですよ。
◆ 【やるべきこと その②】得意を伸ばす。
これは私がいつも新人看護師に言っている言葉です。
自分の得意分野を持ちましょう。
得意分野を伸ばしましょう。
これからの時代はスペシャリストにならないといけません。
なんでもできるゼネラリストが良かったのは昔のことです。
こらからはどこの職場にいってもやっていける、スペシャリストがとっても大事になります。
どこの病院に行っても通用するスキルを身に付けろ、ということです。
だから自分の得意を持つこと。これ、めっちゃ大事です。
働いていて何かつらいことがあっても、腹立つことがあっても、その得意分野があなたを助けてくれます。
たとえ相手からバカにされても、怒られても、責められても、「これだけは誰にも負けない」というものを持っていれば、再び立ち上がりやすくなります。
「何も得意がない」という人は、新しいことに挑戦しましょう。
挑戦すると、きっと失敗します。ミス連発。必ずうまくいくとは限りません。
たくさん恥をかくことになると思います。
でもそれでいいんです。
恥をかいたということは、挑戦したということです。
特に若いときの恥はいっぱいかきましょう。
その時は恥ずかしいと思うかもしれませんが、たくさん恥をかくと慣れてきます。
大丈夫です。若い時の恥なんて、大したことありません。
それよりたくさん恥をかいちゃいましょう。
◆ 【やるべきこと その③】転職する
「どうしても嫌で嫌で仕方がない」
「八方塞がりで、にっちもさっちもいかない」
「ときどき、消えてしまえばいいんだと思う」
こういう状況なら、またはこれに近い状況なら思い切ってその職場から去りましょう。
はっきり言いますが、会社はあなたを守ってくれません。
いらなくなったら、ポイなのです。
これを厳しいと考えるか、それなら忠誠を誓うのはやめようと考えるか。
看護師免許があれば、転職先なんて山のようにあります。
自分が壊れる前に、去りましょう。
以前、大手広告会社「電通」で過労による自殺者が出ました。これはニュースで大きく報道されましたね。
この一件で、電通が支払った賠償金は「50万円」です。
たったの50万円ですよ。従業員が超過勤務までして会社で身を粉にして働いたのに、精神まで壊しておいて、たったの50万円で済むんです。
従業員はボロボロになって亡くなりました。一方会社はいまだ業界トップで君臨しています。
これが現実なんです。
だからあなたがボロボロになっても、会社は助けてくれません。
なのでここまでくると、環境を変えることをおすすめします。
一年目で辞めると言うと、「そんなんじゃどこも雇ってくれない」「一年目で転職なんてできっこない」「もっとここでスキルを磨いてから転職したほうがいい」このように上司から言われるでしょう。
これ、全部ウソですから!
余裕で転職できますから。転職経験豊富な私が言うから間違いありません。そんな新人、ゴロゴロいますから。何も知らない新人をいいことに、こんなウソを平気で言ってきますからご注意を。
自分がつぶれるくらいなら、サッサと去りましょう。
患者さんを元気にするためには、まず自分が元気でないとね!
◆ まとめ
もう一度言いますよ。
あなたの悩みの本質は、人間関係がつらいと感じていることです。
そんなあなたがやるべきことは、
① 自己啓発本や世の中の優しさにたっぷり触れましょう。
② 得意分野を持って、伸ばしましょう。
③ 転職してもOK
毎日がつらいと、どんどん孤独に陥ってしまいます。
そのうち、誰にも相談できずにますます泥沼にはまってしまうことがあります。
先輩からキツく言われているのは恥ずかしいことじゃないです。
できない自分は否定される存在ではないです。
人は環境によって大きく左右される生き物。
もしかしたら環境があなたをそうさせているのかもしれません。
つらい時は、そのつらさを出していいんです。
なにも恥ずかしいことではありません。
最後に言いたいことがあります。
あなたはこんなもんじゃない。もっともっと輝けるさ。
【あなたの心を潤し、奮い立たせてくれる、おすすめ本】
すべての人は幸せになれる。読んで損なし。というか読むべし。
筋肉は裏切らない。これ読んで悩みなんてぶっ飛ばせ!
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
ボクがライブ配信をしている「LIVE812」(はちいちに)。
スマホ専用のまったく新しいライブ配信アプリです。
無料で、コメントや視聴し放題です。
フォローすると、ライブ配信の時スマホに案内がいきます。
いまなら、300ポイントプレゼント!
ぜひ、ボクのライブ配信に遊びに来てください(笑)
「LIVE812」のフォロワーさん、現在150名
↓QRコードをスマホで読み取ってください
↑QRコードをスマホで読み取ってください(今なら300ポイントプレゼント)
ありがとうございます。
Twitterのフォロワーさんが5,000人を超えました。
初出掲載:2020年1月11日 更新日:2020年7月1日
アドラーさんでしたっけ?記憶にとどめます。アドラーさんの仰ることはテーラワーダ仏教のアルボムッレ・スマナサーラさんの仰ることとまるで同じです。表現の仕方が違うだけです。自分を客観的に見ることなどできないわけですが、その努力により妄想はなくなり不安も恐怖もなくなるわけです。つまり他人と比較しない。そして現実を直視する。そのために多くの本を読んだりして自分を磨く。うまく表現できませんが。
リス太郎さん>>
そうですよね。
「こんなことを言ったらあの人はどう思うだろう?」
「相手は自分のことをどう思うのだろう?」
これは相手の課題です。自分のことをどう思うのかは、相手の課題です。
だからそれは相手に任せておけばいいのです。
相手の課題まで自分が背負うから、しんどくなるのです。
背負うべきは、自分の課題です。
これはなにも誹謗中傷や嫌な言動をしても放っておけということではありません。
そうではなくて、人は対人関係を気にするあまり、ありのままの自分を出せずにいます。
「あ、これは自分が背負うべき課題ではないんだ」
と気付いた時、生きやすくなります。