頭痛持ちの方はたくさんいらっしゃいます。
ボクは頭痛が生まれてこのかた、1~2回くらいでほとんど経験がありません。
ところが頭痛を頻繁に起こす方は多くて、そういう方は頭痛の苦しさに悩まされています。
ボクは脳神経外科や脳卒中患者さんの多い回復期リハビリテーションを経験しているので、そういうところにいると、患者さんに頭痛があると「まさかの脳卒中の再発か?!」と心配されることがよくあります。
頭痛がひどいと頭の中になにかが起こったのでは?と心配になるのは当然です。
不安になりますよね。
でもほとんどの頭痛は命にかかわらないのです。
「ほとんど」というのは、一部は怖い病気があるからです。
ですがそればかりを心配していると生活ができません。
だから多くの脳神経外科医も「頭痛の多くは心配ないもの」と認識しています。
今回は頭痛の基礎です。
◆ 【頭痛】ほとんどは命にかかわらない
頭痛のほとんどは命にかかわらないものです。
ところが命にかかわるこわーい頭痛があります。
それは「くも膜下出血」です。
これは最恐にこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい病気です。
しつこいくらい言います。
くも膜下出血はめちゃくちゃこわい病気です。
看護師になるまで知りませんでした。名前は知っていましたが、くも膜下出血の中身はそれほど知らなかった。
でも知ると、「めっちゃこわいやん!!(◎_◎;)」
くも膜下出血には「三分の一の法則」があります。
1/3が死亡
1/3が重度の障がいで社会復帰不可能
1/3が歩いて退院できる(社会復帰可能)
これのどの1/3に入るかで運命が決まります。
死亡率は30~40%
つまり1/3が死亡します。その多くは病院にたどり着く前に死亡します。
つまり即死です。
くも膜下出血は金づちで頭を殴られたような強烈な頭痛が生じます。
「あああああーーー!!!あたまがぁーーーいいいいたーーーい!!!」
いままで味わったことのない頭痛が襲います。
死亡の1/3に入ってしまった方は、この時点で多くは死亡します。なかには病院まで持ちこたえますが、病院で亡くなります。
家族にさようならも言えず、なんの準備もないまま、仕事もやり残したまま、子育ても途中のまま、いきなりその瞬間人生が終了します。
ボクはSCU(脳卒中専門集中治療室)で何人もみてきました。
ほんとうに悲しくて、やりきれなくて、こわいことです。
くも膜下出血は本当にこわい。
命にかかわる頭痛の最たるものは、くも膜下出血です。
これはマジで命にかかわります。
あとは「頭蓋内圧亢進」です。(ずがいないあつこうしん)と読みます。
これは脳が浮かんでいる水(脊髄液)が何らかの原因で循環しなくなり溜まっていく一方で脳が水で圧迫されることです。または、脳が何らかの原因で腫れることで脳が圧迫されることです。
これも頭痛を伴います。
この場合、頭痛だけじゃなく嘔吐や視力障碍を生じます。
あとは脳出血で頭痛がありますが、これは全員ではありません。
脳出血による頭痛は、頭痛以外にも麻痺や嘔吐など他の症状も出ますので、異常が分かりやすいです。
それと頭痛をともなう病気として脳へ行く血管の「動脈乖離」(どうみゃくかいり)です。
これは血管の壁が何らかの原因で内側の一部がはがれてしまう病気です。これも強い頭痛が起こりやすいです。
ざっといいましたが、これらの頭痛は大きな病気が原因ですので、一刻を争います。
何度もいいますが、くも膜下出血は無事に社会復帰できる人はたったの1/3です。
くも膜下出血で助かるには手術しかありません。
しかも「生きて」病院にたどり着かないと話になりません。そもそも助かりません。
とにかく生きて病院にたどり着くのが生き延びる唯一の手段です。
いつもの頭痛ではないと直感で感じたら119番です。
で、こういうこわい病気の話をしておきながら、こんなことを言うのはあれですが、
ほとんどの頭痛は命にかかわりません。
というもの「頭痛だけが症状」という頭痛は、まず大丈夫だからです。
いつもの頭痛がある人も大丈夫です。
◆ 緊張型頭痛と片頭痛、これが大多数を占める
多くの頭痛は頭頚部の筋肉の緊張からくる「緊張性頭痛」です。
緊張型頭痛は、持続する締め付けられるような頭痛や重苦しい頭痛です。
あまり続くと吐くこともあります。
筋肉の緊張を解きほぐしていくと治ります。
夜寝て朝なるとおさまっていることが多いです。またストレスを解消することも治るためには大切です。
片頭痛は「片」とありますが、頭の片方だけじゃなく両方痛むこともあります。
これは脳や頭皮の血管が異常に緊張しておこります。
これらの頭痛の原因は、ストレス、アルコール、空腹、騒音、まぶしい光などがあると頭痛を誘発しやすいです。
これらは頭痛そのものが症状であり命にかかわりません。
人によっては激しく痛むのですが、命にかかわりません。
「命の危険信号」ということではありません。
別に寝るなり、ストレスを解消するなりして、特に何もしなくても勝手におさまります。
でもいまはいい薬がありますので、お困りの方は頭痛専門の医師に相談してみてください。
頭痛があると動けなくなることがあります。
なるべくストレスを抱えないようにする。よく寝る。
これが大切です。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
コメント 0
コメントを書く