高次脳機能障害は「見えない障がい」と言われます。
一見すると、後遺症があるとは分かりません。普通の人のように見えます。
高次脳機能障害の程度はひとそれぞれ。日常生活だけでは見えてこない後遺症の場合もあります。
ある場面になると、その後遺症が分かる。
それまでは分からない。
こういう人もいます。
逆に、接してみてすぐに分かる後遺症も方もいます。
高次脳機能障害はほんとうに千差万別です。
見た目じゃ分からない、程度も種類も人それぞれ。
だから、よけい周りから理解されにくいという二重の苦しみがあります。
◆ 【見えない障がい】高次脳機能障害 - 誤解されることで一層苦しい障がい
高次脳機能障害とは、脳卒中や事故で頭に衝撃がきて脳の一部に損傷を受けます。その脳の損傷によりいままで出来ていたことができなくなることです。
たとえば、着替えができなくなる。お箸を使うことができなくなる。というか道具を使うことができなくなる。すぐに忘れる。前の事を思い出せなくなる。性格が変わってしまう。文字が分からなくなる。文字が書けなくなる。など、この他にもたくさんの「できない」「苦手」があります。
ほんとうに千差万別。
ところが麻痺がある方は姿を見たら分かる場合があります。
しかし、高次脳機能障害は脳の障がいですが麻痺ではない「行動」「思考」「性格」など見えないところに障がいが残ります。
だからぱっと見では分からないことがよくあります。
退院して会社に戻ります。
上司「おっ、退院できてよかったな。ではさっそくこの商品を棚に並べてくれ」
いつもやっていた超簡単な業務内容です。
Aさん「え…これ…???」
今までできていたことができません。というか上司の指示の意味が分からない。混乱する。
一見、今までと変わらないように見えるAさんですが、高次脳機能障害があるとこういうことになる場合があります。
これはほんの一例です。
脳卒中や脳挫傷などで、麻痺だけでなく、こうした高次脳機能障害が残ることがあります。
高次脳機能障害になる原因は一番多いのは「脳卒中」です。
つぎに多いのが、「事故などで頭を強く打った」です。
失行・失認というのは、「いつも使っている物が分からない」「どう使っていいのか分からない」ということです。服がきちんと着れない。お箸やスプーンが使えない。などがそうです。
注意・遂行機能障がいは、集中力が低下している、約束を守れない、時間を忘れる、次にどうすればいいのか分からないということです。
行動と情緒の障がいは、他人とすぐトラブルを起こす、性格が変わってしまった、怒りっぽくなったということです。
いろいろありますよね。
でも見た目じゃ分からない。なので、後遺症があるということを理解されないことがあります。
これが本人や家族をさらに苦しめることになるのです。
◆ 若い人、働き盛りの人は仕事をどうするか?かなり深刻です
こうした苦しみは普段の生活だけでなく、就業もです。
このデータを見ますと、
元の職場に復帰できた人は1割以下です。
1割以下…
そう、だから深刻なんですね。
程度の差はあれ、見た目は普通でも仕事では使えないというと聞こえが悪いですが、働けない人が圧倒的です。
特に妻や子どもがいる人が高次脳機能障害になると、たちまち深刻です。
若い人もこれからどうやってお金を稼いだらいいのか。
突然の出来事に戸惑う家族をたくさん見てきました。
この高次脳機能障害の社会保障は、高齢者のそれとは違って本当に冷たい。
看護師になって高次脳機能障害患者さんとその家族に関わるようになってから、初めてこの現実を知りました。
一人でも高次脳機能障害について正しい知識を持っていただき、本人や家族の苦しみが少しでも軽くなるような社会になるようにこれからも発信をしていきます。
あまり専門的じゃなく、分かりやすい本のご紹介です
何とも勇気づけられるタイトルじゃない!
引用・参考:Abema Times
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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