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急性期、回復期、生活期と人の病気の段階は大まかに分けて、この3つに分かれています。

それぞれの段階で専門家とともに、患者さんは治療やサポートを受けることになります。


回復期看護というのは、あらゆる知識が結集しないと成り立たない奥深い領域です。

だから面白いし、やりがいがあります。


◆ 回復期看護は、これから始まる長いリハビリの旅を支える仕事



リハビリというのは、すぐに成果が出ないものです。

たまに急激に回復する人がいますが、そういう人は若さやダメージの部位などたまたまラッキーが重なったと考えられます。

思うように成果が出ない人からすると、そういう人ばかりを見ていても自信がなくなりますよね。


早く良くなりたいという焦りが生じますが、リハビリは一歩一歩着実に継続していくことが大事です。

そして試行錯誤と創意工夫を続けていくこと。


理学療法士などセラピストが直接患者さんにリハビリを指導していきますが、実は病棟の看護師も大きな役割を持っています。

看護師はチーム医療のコーディネーター役です。

患者さんの日常生活を一番よく知っている存在です。

主治医や担当リハビリスタッフの考えていることも把握しています。

患者さん本人の思いだけでなく、家族の思いも知っています。

社会福祉士(相談員)の思いや苦労も知っています。

なので、回復期看護はすべての知識や情報を一元管理し、リハビリ入院中やその後の生活を見据えた援助をしていくことになります。


だから、回復期ってすごく勉強しないと分からないことだらけなのです。


再発予防は超重要ですが、それを患者さんや家族に指導するときは、病理から栄養学から予防医学から急性期の知識といった膨大な知識が必要です。

退院後の社会資源の活用にしても法律から福祉政策まで幅広いですよね。

もちろんすべてを回復期看護師がやるわけではありませんが、ある程度知っておかないとチーム医療のコーディネーター役は務まらない。

自分がどう助言をしたり、アドバイスをしたり、提案をしたらいいのか分からないですし、次に自分はどう動くべきかが予想できなくなります。


したがって回復期ってすごく学べるし、いろんな分野の知識がつくので物知りになれます。


これらはすべて患者さんとその家族のためです。


リハビリ病院を退院してからが本当の旅の始まりです。


旅の途中にあきらめないように、くじけないようにコツを教える。

患者が自分の病気について詳しく理解してもらう。

リハビリはただ闇雲にやればいいというわけではありません。

セラピストの指導と一緒に患者が回復するための最善の方法を考えていきます。


◆ ときには厳しく、ときには優しく



患者さんのこれからを考えると、ときには厳しく接することがあります。

この意図が正しく伝わらなくて、患者さんが怒ることがあります。

しかし、怒ろうが厳しくするときは、厳しくします。

退院したらもう私たち看護師やセラピストはそばにいません。

この現実をしっかり理解しない患者さんは、あとから痛い目にあいます。

私たちはそれを分かっているので時に厳しく接します。


厳しい指導というのは、愛情の裏返しなのです。

退院後に患者さんが困らないようにしているのです。


憎くて言っているわけではありません。


サービス業だと認識している患者さんはもっと優しくもっと細やかにやってほしいと思うでしょうが、何でもかんでもスタッフが手を出すのは間違いです。もっと手を出してほしいと思っている患者さんがいるのなら、それは患者さんが認識を変える必要があります。


入院当初は病棟スタッフがあれこれ手助けをしていたが、リハビリが進んでくると手助けをすることがなくなってきた。患者さんが自分でできることが増えてきた。看護師もそれほど手を出すことがなくなってきた。これが理想です。

看護師が必要ないということは、患者さんにとって良いことなのです。

まずはそれを目指しましょう。


◆ 発症から何年経ってもリハビリ効果は出る



昔は一度壊れた脳は元にもどらない。したがってリハビリには限界があると言われていました。

ところが、最新の研究では脳には可逆性があって、発症から何年経ってもリハビリの効果が出ると言われています。

これほど患者を勇気づける研究はありません。


脳卒中でリハビリ入院期間は六ヶ月。


昔はこの六ヶ月を過ぎたらもう回復はしないと言われていました。発症からすぐにリハビリを始めて、その後は徐々にリハビリ効果は落ちてくる。六ヶ月を過ぎることには、もうがんばっても回復はしないと言われていました。

でも違います。

発症から何年経ってもリハビリ効果は出ます。

90歳でもちゃんとリハビリをすれば筋力が付きます。

だから継続することが大事です。


患者さんも家族も、継続することが大事ということを学んでいただきたいと思います。


回復期看護は、再発予防も関係して非常に幅広い知識と情報が必要です。

リハビリは患者さんしか分からない苦労があります。苦しみがあります。

そして、長い長い旅になります。

一緒に悩んで考えて、サポートをしていきます。

医療や福祉、リハビリについて誰に相談していいか分からない時は、とりあえず看護師にご相談ください。

看護師はチーム医療のコーディネーターですから、必要があれば各専門家に連携をとります。



リハビリ後はしっかりと自分をメンテナンスしましょう。
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それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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