11031078050.jpg


回復期リハビリテーションでは、できる能力の有効活用と更なる能力の獲得、できないことは獲得にむけた訓練と代替機能の訓練をします。

「できる能力」は基本的に患者さんにやってもらうことになります。

たとえば、服を着るとか、杖で歩くとか、スプーンを持って食べるとか、いろいろあります。

なので、できるから敢えてスタッフは手を出さないことがあります。たとえ少々動作が遅くても、自分でできることをこちらがやって奪うことはしないようにします。靴を履くことだと、患者さんが自分で靴を履くのを待ちます。この「待つ」ということが大切なことがあるんです。

でもこれが分からない人がいます。





◆ 「病人だからもっともっとやってあげろ」という発想。

こういう考えの人は高齢の方に多いと思います。現場にいるとよく実感します。

何回もあるんです。

ある患者さんが靴を履くのを、私はじっと見守っていました。一人でできる患者ですから。

それを見ていた隣の患者が「おい!何突っ立ってんだ。手伝ってあげろや、かわいそうだろ!」と突然どなってきたんです。

で、私は「この人は自分でできるんです。何も、できないのを放っておいたということではありません」ということを言いました。すると「違う!!この人は病人なんだぞ!もっとやってあげろ!」とまたまた怒鳴ってきました。「いやいや違う!」と私も言い返して…ということがあったんですが、まあ、こういうことは今までもよくあることです。


つまりこの隣にいた怒鳴った患者さんは高齢の男性です。「病人なんだから、つべこべ言わずとにかく手伝え」という論理です。


これはリハビリテーションをよく分かっていない人の考えなんです。

別に意地悪で手伝っていないわけではありませんからね。まだまだリハビリの考えは広がっていませんし、こういう誤解をする人っています。


◆ 患者一人一人のニーズは違う。これを多くの人に知っていただきたい。

患者さんの目標というか、求めていることは当然一人一人違うものです。

ということは、獲得すべき失った能力は違う。


実際にリハビリをされている方、またはリハビリをしてきた方ならよく分かると思うのですが、リハビリスタッフは患者の疾患や既往歴や習慣やクセや性格や暮らしぶりなどさまざまなことを考慮してメニューを考えます。

つまり、一見ほかの患者と同じようなことをしているメニューでも味付けがちょっと違っていることがあります。だって全部人それぞれですからね。


リハビリは他人がどうのこうのというより、患者の自分自身に向けた取り組みをすることになりますから、よく知らない人が他人のリハビリメニューに対してあれこれ横やりをするのはよくありません。


◆ 医療現場をかき乱す「自分の正義」

2a91a8c9f93be410fbee59a364d29ca2_s.jpg


傍から見るとただボーっと見ているだけに思うかもしれませんが、実は頭の中ではかなり考えています。ボーっとしていません。


スタッフの行動には意味があります。


でもこういう怒鳴った患者がいると、現場の空気というか動きをかき乱すんです。スタッフは別に悪いことをしているわけではないので気にしないのでしょうが、やはり「やりにくい」ことになります。

私は百戦錬磨ですから場慣れしていますが、新人ナースやまだ2~3年目のスタッフだと動揺してしまうことがあります。

なので、こういう患者はけっこういるんですよね。自分はいい事を言っているつもりなので、悪気はないのでしょうが。


リハビリをしている目的は患者によってさまざまです。

自分の価値感をうっかり出してしまうと、こうした嫌な雰囲気になりますので、

「患者の病気は多種多様。それに合わせたリハビリ内容も多種多様」

ということを広がってほしいと思います。




それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

<スポンサードリンク>





タグ