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言いたくても言えないことがあるのは、世界のどこの国でもあるはずです。

アメリカの看護師が言いたくても言えないことを書いた記事のご紹介です。


business insaider japan(翻訳:Toshihiko Inoue、編集:増田隆幸)

アメリカの看護師は日本と違って、看護師の裁量が広く専門性が高い資格です。

日本も専門家でありますが、アメリカのほうがもっと専門家として広く認知されています。

日本の看護師は掃除、入浴、食事介助、着替え、オムツ交換、といった看護師でなくてもできることも看護師がやります。

アメリカは基本的に分業ですから、看護師の主な仕事は与薬や処置、医師の介助です。

なので、日本の看護師は「何でも屋」さんです。


このように日本とアメリカとでは看護師の地位はちょっと違います。

国民の認識も違います。

こうしたことを予備知識として持ちながら、アメリカの看護師が言いたいことを見ていきましょう。

上記原文からの抜粋です。




◆ 「看護師は一緒に働いている医師に全幅の信頼をおいているわけではない」

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アリゾナ州の看護師デイビットさんはこう言います。

「患者は悪い医師について何も知らない」


アメリカではある州で懲戒処分や医療行為禁止処分を受けた医師が、他の州で働いているのが少なくとも500人見つかった。

看護師が患者に「セカンドオピニオンを聞く権利がある」という時は、「私ならこの医師に診て欲しくない」という意味です。


アメリカでは州ごとに法律があって、こうしたことがあるということです。


◆ 「病院はホテルではない」

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アメリカの看護師の多くが話すのは、

「患者は病院はホテルで、看護師を呼べば仕事の手を止めて枕を持ってくるメイドのように扱っている」

このように思っている患者はたくさんいるという。


ペンシルベニア州のある看護師はこう言います。

「患者の中には、病院はホテルで、看護師はサービスを提供するためにいると本気で考えている人もいる」

さらに、

「私が血を流している患者と廊下を歩いている時でも、私を呼び止めて新しいシーツを"すぐに"持ってくるように言う患者もいる」

とのことです。


たしかに・・・・

実際に病院で働いていると、います。たくさんいます。

後でもまったく問題ないようなことでも、"いますぐ"と要求してきます。

ある患者さんは、自分でできるのに、終日スタスタと歩いているのに、「冷蔵庫からジュースとって」と要求してきます。


たとえホテルであっても、こういうのはダメでしょう。


◆ 「重症の患者がいる時は、ノドの痛みをすぐに手当できない」

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アメリカのある看護師はこう言います。

「症状の軽い患者は看護師は重症の患者を先に手当することをまったく理解していない」


アイオワ州の看護師マイテさんはこう言います。

「私を必要としている他の患者がいるかもしれないし、他に悪いことが起こっているかもしれない。患者の要求を断るわけではないが、最優先ではない」

「患者にあなたたちが常に最優先ではないと言いたい」としています。


ニューメキシコ州の看護師ショーンさんはこう言います。

「喉の痛みは看護師が優先するものではないと伝えたい」


喉の痛みの患者を断るわけではありませんが、もっと優先順位が高い患者がいる場合は、そちらを最優先するという意味です。

事故現場の優先順位「トリアージ」に通じる考えですね。

でもこれが分かってくれない患者さんは結構います。

「爪切って」「水筒にお茶」

別にいますぐしないといけないことではないはずですが、今すぐしないと気が済まない患者さんがいます。

一人や二人ではありません。

「水筒にお茶」では、「水筒にお茶を入れて欲しいです」とちゃんと文章で言わずに「お茶」です。

我々の見本となるべき年配の方が、こういう態度でいます。

全員じゃないですよ、もちろん。でも本当にこういう態度の患者さんはけっこういらっしゃいます。


レストランでスタッフに、
「水!」
と言っている客がいるでしょ。
あれと同じです。
なぜ「お水をください」とちゃんと文で言えないのでしょうか。
どうして「水!」と単語だけで言うのでしょうか。
そういう人はこの認識のまま、病院でも同じような態度でいるのでしょう。


◆ 「厳しいスケジュールで働いているので、遅刻は迷惑」

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オクラホマ州の看護師メリッサさんはこう言います。

「患者が1時間遅れてくると、全スタッフに影響が出る」


予約時間に遅れてくる患者は、看護師にとって大きなストレスになると述べます。


時には遅れることが起きるかもしれません。

そうした場合、できるだけ早めに病院に遅れることを伝えて、だいた何時くらいに着くのかを連絡してほしいと思います。


◆ 「治療歴を伝える時は簡潔に」

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ノースカロライナ州の看護師アンさんはこう言います。

「看護師は忙しい。患者の治療歴は可能な限り早く把握しないといけない。そうした情報を簡潔、迅速に入手する必要がある。そうすれば医療チーム全員のために、電子カルテにすべての情報を記録できる」


患者や家族がいつも簡潔に迅速に今までの病歴を知らせることができるとは限りません。

アンさんの言いたいことは分かりますが、ちょっと難しいかなと思います。


◆ 「看護師も人間」


フロリダ州の准看護師レスリーさんはこう言います。

「看護師にも患者をケアすることが難しいくらい具合の悪い日があることを伝えたい」


オハイオ州の看護師ミーガンさんはこう言います。

「8時間休みなし。今夜は娘の初めての試合にも行けない。夫は病気で仕事を失ったばかり。家族のことが心配。看護師も人間で家族がいる。患者のケアをしている間は家族に会えない。せめて礼儀正しくしてほしい


これはアメリカらしいというか、アメリカ人ならきっとこう思うはずです。日本人より強いかもしれません。

アメリカは家族を大事にします。家族第一です。

ハリウッド映画を観ていると分かりますが、大抵の映画は家族愛が出てきます。

家族を救う、家族を守る、家族で逃げる、家族を愛する

こういうお国柄ゆえ、家族と会えないのがとてもつらく感じるのかもしれません。

「せめて礼儀正しくしてほしい」は、アメリカ人もそう思うんだと思いました。


それとそこまで体調が悪いのなら休みましょう。


◆ 「礼儀正しいことは得」

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ペンシルベニア州のある看護師はこう言います。

「礼儀正しい患者は、より丁寧に扱う」


はっきり言いますね。

しかしこれは看護師に限らず、どの仕事にも言えるかも知れません。

口には出さなくても、「いいお客にはより丁寧に」の心理が働くもの。

どんなお客であっても同じサービスと見えても、態度の悪い客には内心ムカムカして働くスタッフがいるでしょう。


◆ 「看護師は学位をもっており、インターネットより知識がある」

ニューメキシコ州の看護師ショーンさんはこう言います。

「患者が医療ドラマを観ているから自分のほうが詳しいと考えている時に、気分が悪くなる」

マサチューセッツ州の看護師ナットさんはこう言います。

「WebMDやグーグルで調べて、看護師以上に詳しいと考えている患者がいる」


パソコンやスマホなどで簡単に調べられる時代です。

グーグル大先生はなんでも教えてくれます。

これからはこうした患者はますます増えてくるでしょう。

知ったかぶりの患者とは違って、正しく自分の病気を理解する、勉強するのは悪い事ではありません。

でもそれを偉そうに言うのはやめましょう。


◆ 「『看護師!!』と呼ばないで」

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テキサス州の看護師エイミーさんとフロリダ州の看護師ベッツィーさんはこう言います。

「患者がナースコールを使う代わりに「看護師!」と叫ぶのは嫌い」


これは先ほどの「水!」と言うお客の話しと通じるのでしょう。

それと病棟で大声を出すのは気分のいいものではありません。


◆ 「子どもに予防接種を」

オハイオ州の養護教諭スーザンさんはこう言います。

「患者に対して、子どもの予防接種を受けるよう言いたい」


これは背景があって、2019年1月~5月24日までに、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、26州で940件の麻疹(はしか)を確認しました。これは1994年以降で最悪の数字。

アメリカは2000年に麻疹の撲滅宣言をしました。麻疹ワクチンは自閉症と関係があるという間違った情報のため、麻疹が再び流行している。


◆ 患者と看護師は敵対する関係ではなく、協力する関係です。

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これら10のことは、アメリカの看護師たちが語ったことです。

日本とアメリカとではお国柄も制度も違うので、なかには「ん?」に思われた方がいるかも知れません。

内容は看護師に限らず他の職業でもありえることです。

サービス業で客から横柄な態度をとられたとか、あるでしょ?


でも「言いたくても言えない」と題にありますが、アメリカ人なら言ってそうですけど(笑)


売り手と買い手、職員と顧客、お互いが気持ちいい態度でいたいものです。

どっちが上とかありません。

どうせ毎日社会で生きているのでしたら、みんなで気持ちよく生きていきましょう。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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