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「脳卒中の超基礎シリーズ」で今回は『分かりやすい脳梗塞 ⑷」です。

内容は時間が勝負ということです。




◆ 発症したばかりの脳梗塞は時間との戦い

脳梗塞にかぎらず、脳卒中はどれも時間との戦いです。

脳梗塞は脳の血管が詰まることでその先に酸素や栄養がいかなくなり、その血管が支配している脳の組織が死んでしまう病気です。


脳血管が詰まってしまったとしても、すぐに脳細胞が死んでしまうわけではありません。

脳血管が詰まっても、幸いなことに、側副血行路というバイパスみたいな細ーい血の通り道があちこちにあります。

メインの血管が詰まってしまうので大変な事態ではありますが、この側副血行路というバイパスがあるおかげで、脳梗塞が発症した直後はまだ助かる予知があるのです。

ですので、脳血管が詰まってしまっても、閉塞した血管の領域がすべて死んでしまうことはありません。

語弊があるといけませんので、もう一度いいますと、脳梗塞が発症した直後であれば、早期に治療ができれば、軽い後遺症ですむかもしれないのです。


◆ 側副血行路(バイパス)には個人差がある。

メインの脳血管のほかにまるでインターネットの回線のようにあちこちに伸びている側副血行路(バイパス)は、個人差があります。

このバイパスがうまく機能してくれて重度の麻痺が発生してもおかしくない状態なので、意外と軽い麻痺で済んでいるとか、逆に亡くなってしまう人もいます。


実際に臨床の現場にいますと、確かにこのような患者さんに出会います。

現場で働いていると側副血行路(バイパス)の存在を意識して患者さんと接していることはほとんどないのですが、脳画像をみるとそれがよく分かります。

中大脳動脈という大きな血管が脳にあります。これが詰まると広範囲の脳がダメージを負います。

通常なら重い麻痺や失語等が起こっても不思議ではありません。しかしそれにもかかわらず、案外軽い麻痺で済んでいる患者さんがいます。脳画像では結構な範囲のダメージがあるのにです。

かたや同じくらいの脳ダメージを負った患者さんがいて、こちらはもう社会復帰がかなり難しいことが予想されるほど重症です。


このようにバイパスには個人差があります。

このバイパスがうまく働いてくれるのかどうかを事前に知る方法はありません。

脳梗塞になったときにバイパスがうまく働いてくれるかは、そのときになってみないと分からないのです。


◆ 詰まった血管を再開通するときの超怖いリスク

血管が詰まってしまった状態がどれだけ長く続いたのかによっても、脳の障害の程度には大きな違いがでます。

血管の詰まりが起こっても、治療によって完全な梗塞がおこるまえに再開通ができれば、ほぼ麻痺などの症状がなく済む場合があります。

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これとは反対に、血液が流れなくなって脳細胞が死んでしまった後に血流が再開すると、脳浮腫を起こしたり、血管が破れて脳出血を起こすリスクがあります。

ですので、t-PAという再開通のための薬を使うのは発症から4.5時間と決まっているのです。

これ以上の時間が経ってしまうと、ダメージを負っている脳に重大なリスクが起こる可能性があるからです。

何でもかんでも「やれやれ、ドンドン」では危ないのです。


脳血管が詰まるとその先の脳細胞に血液が届かずに死んでしまう、これは分かったと思います。

しかし、その先の血管それ自体も死んでしまうのです。血管も死ぬのです。

死んだ血管に動脈という圧力の高い血液が流れ込むとどうなるでしょう?

そうです。いとも簡単に血管が破れてしまい出血します。これを出血性脳梗塞といいます。


◆ まとめ

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脳梗塞を発症しても早く治療ができれば、症状を最小限に食い止めることができます。

しかしこれにはリスクがあり、適応する人は限られていますし、どこの病院でもできるわけではありません。

麻痺の程度など症状は、その人のバイパスがどれだ上手く機能してくれるかで変わってきます。

いずれにしても、「あれ?なんか変だ」と思ったら、すぐに119番です!


それではでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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