脳卒中死亡率が高い県は東北地方に多く、秋田県は以前から特に高い地域です。
さて、こうした事態に対して秋田県ではどのような対策をしているのでしょうか。
◆ 減塩キャンペーンを実施
秋田県では、高血圧を減らすために、県や医師会が中心となって減塩キャンペーンを実施しました。
時はまだ高度成長期前のことです。まだまだ今のような十分な知識や制度がなかった時代です。
その後、日本経済の発展にともなって栄養状態は改善され、さらに1961年にスタートした国民皆保険制度によって多くの人々が高血圧治療を受けられるようになりました。
こうした取り組みによって、総合的に、脳卒中の発症、とくに脳出血が減少しました。
これは秋田県で突出したのですが、日本全体にも当てはまり、脳卒中の死亡率を低下させました。
◆ これからも脳卒中発症状況は増えると推測されている。
日本の脳卒中死亡率は、1960年代中頃をピークに、その後大きく低下しました。
1980年ごろにはガンによる死亡率、1985年ごろには心臓病による死亡率が脳卒中よりも高くなりました。
現在は、肺炎が脳卒中を抜いています。
医療の発展と国民の意識の向上により、脳卒中死亡率は減少しています。
しかし、秋田県では、現在でも脳卒中による死亡率が心疾患よりも多い状態が続いています。
秋田県では、1973年から脳卒中の全県登録が開始され、1983年からはCTによる画像診断に基づいた登録が行われていますので、脳卒中の発症状況がかなり正確にとらえられています。
1990年代には横ばいになっていたものの、2000年代にはいって、むしろ発症数が増加している傾向があります。
これは人口に占める高齢者数が増加したためです。
2025年まで脳卒中発症は増加すると推計されています。
◆ 秋田県に限らず、日本は高齢化により脳卒中は減少しない
秋田県の高齢化率は全国でも二番目に高いため、こうした傾向が目立ちます。日本全体においても、これから高齢化がますます加速していくことは間違いありません。
今後しばらく、脳卒中発症は増えることがあっても減少することはありません。
しかも脳卒中は再発しやすい。
一度発症した方が、二度三度と発症するのをたくさん見てきました。
再発すればするほど、症状がひどくなります。
国民一人一人が発症および再発予防について、よく知っておく必要があります。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました
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