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前回のお話では、脳はかけがえのない、神秘的な臓器と言いました。

分かりやすい脳の基本についての話、第二弾を進めていきます。


◆ 脳はそうとう柔らかい

脳はよく豆腐かプリンのようだと例えられるように、そうとう柔らかいのです。それくらい柔らかいので当然もろい。脳外科の医師の言うには、少しとがったもので押せばズブズブと中に入ってしまうほどだそうです。

こんなに重要な臓器がなぜこれほどまでにもろいのか、とても不思議ですよね。

逆にとても頑丈ならよかったのにと思うのは私だけでしょうか。


生きた人間の脳に実際に触れられるのは脳外科医ですが、実は私は亡くなった方の脳を触ったことがあります。

某超有名大学医学部に研修にいきまして、そこで「検体」の脳を持たせていただいたことがあります。

なんとも不思議な感じがして、あまりにそっと持ったのでどれほど柔らかいのか分かりませんでしたが、あのときの神秘的で緊張した感じは今も覚えています。

◆ 脳は水のなかにいる

脳の周りはとても硬い頭蓋骨でおおわれています。脳はとても柔らかいので、直接この硬い頭蓋骨の中にはいっていると脳が傷ついてしまいます。ではどうするか?

実は脳は頭蓋骨のなかで水に浮いたようになっています。

頭蓋骨の内側には硬膜(こうまく)といって硬い膜があります。そのなかに充満している髄液(ずいえき)の中に脳が浮いているのです。

水に浮かせることで衝撃から脳を守っている構造になっています。

ちょうどお豆腐が水のなかで浮いているようなものです。お豆腐屋さんにいくとありますよね。またはスーパーのお豆腐もパックの水のなかに入っていますよね。あれも柔らかいお豆腐を衝撃から守って形を保つために、ああやっているのです。水に浮かせることで衝撃を吸収できるようになっているのです。

それでもあまりに強い衝撃が加わるとひとたまりもありませんが。

◆ 脳は三つの膜で覆われている

脳を守っているのは、硬い頭蓋骨、髄液だけではありません。

脳は3つの膜で覆われているのです。

この膜は外側から、「硬膜」「くも膜」「軟膜」です。「軟膜」が一番脳に近く密着している撒くです。

くも膜下出血の「くも膜」は三つの膜の真ん中にあります。

この膜たちも脳を守っています。

髄液は硬膜の内側にあります。


このように脳はとても脆い存在ゆえに、何重にも保護されています。それならもともと頑丈な構造であればよかったのにと、またしても思うわけですが、脆いゆえに大切にしないといけないのです。

脳卒中や頭部外傷では、こうした脳の脆さが如実に現れて深刻な事態を招きます。


また、脳のこのような構造を知ることで、どうして自然界は水に浮かすと守ることに繋がるとしてそのような構造に造られたのかと不思議に思います。

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まだまだ脳の基本的なことは続きます。

それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。