脳出血について学んでいきます。


脳出血の最大の危険因子は「高血圧」と前回でお話をしました。






これ以外にも、脳出血の原因はいろいろあります。



● 高血圧以外の脳出血の原因は?



脳出血の原因には、高血圧以外にも


●血液の病気、


●血管の奇形(※血管にも奇形があります。奇形があると出血しやすい傾向にあります)


●肝臓の疾患で出血傾向にある


などがあります。


他にも、


最近では、他の病気や脳梗塞の治療で血液が固まりにくい薬


(抗凝固薬や抗血小板薬;いわゆる血液をサラサラにする薬)を内服中の患者さん


などでも起こります。


高齢者では血管壁にアミロイドという異常タンパク質が沈着するアミロイドアンギオパシーが


原因の脳出血があります。


これらの症例でも、出血のきっかけは急激な血圧上昇が関与していると思われ、


和式トイレを避けるなど、日常生活上の工夫が必要です。


和式トイレだと洋式に比べて怒責が効くので、血圧が上昇しやすくなります。


あと怒りっぽいのもいけません。


穏やかにいきましょう。



● 出血はどのくらいで止まるのか



出血は動脈の破たんによって起こりますが、多くは数分から数十分以内に出血が止まると思われています。


しかし、発症から6時間程度の超急性期には、血腫が増大する可能性があることが知られています。


したがって、脳出血を起こしたときは、最初は軽症だからといって放置していると、


数時間以内に急激に悪化し死亡する危険性もあります。



まあ、放置はしないでしょうけどね。



悪化を防ぐためには、発作の急性期に充分な観察を行い、


急激な血圧上昇を避ける血圧管理をおこなうことが重要です。


集中治療室では、血圧を厳格に管理しています。


多くは血圧を下げるように薬剤を投与します。


もちろん全身管理をしているのですが、それくらい血圧管理は重要になります。



● まとめ


●脳出血の原因には、高血圧以外にもいろいろあります。

●脳梗塞の治療で血液が固まりにくい薬
(抗凝固薬や抗血小板薬;いわゆる血液をサラサラにする薬)を内服中の患者さん
などでも起こります。
●出血のきっかけは急激な血圧上昇が関与している

●和式トイレを避けるなど、日常生活上の工夫が必要です。

●多くは数分から数十分以内に出血が止まると思われています。

●発症から6時間程度の超急性期には、血腫が増大する可能性があることがある。

初出掲載:2019年1月9日   更新日:2019年11月18日