こんにちは、ピストンです。


脳卒中の中で「脳出血」についての勉強です。



● 脳出血の最大の原因は高血圧



 


脳の真ん中あたりにある上に伸びているイソギンチャクのような細い血管が「穿通枝」(穿通動脈)と

呼ばれる細い血管です。

ここが詰まるとラクナ梗塞、出血すると脳出血となります。

細いから詰まりやすい、破れやすい血管です。



脳の深い所にある血管が破れて、脳の中に出血を起こす病気を「脳出血」といいます。


脳出血を起こす血管は、0.2~0.5mm程度の細い血管で、


ラクナ梗塞(脳梗塞の一つ)を引き起こすのと同じ細い血管(穿通枝)です。


穿通動脈ともいいます。



脳出血の最大の危険因子は



「高血圧」



です。


その昔、終戦後、我が国では栄養状態が悪く低コレステロールの頻度が高いために血管壁がもろくなって、


それが脳出血の危険因子でした。


なぜコレステロールが低かったら危険因子なのかというと、


血管の壁はコレステロールからできているからです。



その後1970年代からは、栄養状態の改善、食塩摂取量の低下、国民皆保険制度施行による高血圧治療の


普及によって、脳卒中、特に脳出血の発症・死亡が急速に低下しました。



高血圧が長期間続くと脳の中の細い動脈の壁がもろくなり、壁の一部がふくらんで小さな血管のコブ


(微小動脈瘤)ができます。


そのもろい壁やコブが高い血圧に耐えきれずに破たんして脳の中に出血します。


出血した血液のかたまりを血腫といいます。


血腫が脳細胞を破壊し、さらに周囲の脳細胞を圧迫するため、脳の機能が障害されて、神経症状が出ます。



最近の研究では、以前は正常血圧とされていた最高血圧140~120mmHgの間の血圧の人が、


120mmHg以下の人に比べると脳卒中や心臓病の発症率が高いことが明らかになり、


より厳格な血圧管理が大事なことが分かってきています。



血圧は季節や日内でも周期的に変動します。


季節的には冬に高く夏に低く、日内では早朝と夕方に高くなります。


このような変動は、出血性脳卒中の発症ピークとよく一致しています。



24時間血圧を測定して、日常生活が血圧にどのような影響を与えるかを調べた結果があります。


日常活動時の血圧変動を動作直前と比べると、


日常活動によて血圧が非常に大きく変動しているのが分かりました。


平均でみると、


咳、排便、階段の昇降で上昇が大きいことが分かりました。


これは個人差も大きく、これらの動作時に血圧の上がりやすい人では、100mmHg以上も上昇していました。


これらを考えると、脳出血は高血圧によって血管に病変が起こり、


そこに季節内、日内、さらに動作時の一時的で急激な血圧上昇が加わって破綻をする病気といえます。



● まとめ


脳出血の最大の危険因子は「高血圧」です。

脳出血を起こす血管は、0.2~0.5mm程度の細い血管で、
ラクナ梗塞(脳梗塞の一つ)を引き起こすのと同じ細い血管(穿通枝)です。
出血した血液のかたまりを血腫といいます。

血腫が脳細胞を破壊し、さらに周囲の脳細胞を圧迫するため、脳の機能が障害されて、神経症状が出ます。
最近の研究では、より厳格な血圧管理が大事なことが分かってきています。

血圧は季節や日内でも周期的に変動します。

季節的には冬に高く夏に低く、日内では早朝と夕方に高くなります。

日常活動では、咳、排便、階段の昇降で血圧の上昇が大きいことが分かりました。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2019年1月9日   更新日:2019年11月18日