今日は「脳卒中の超基礎シリーズ」で、「脳出血」についてお話をしていきます。
これまでは脳梗塞について基礎の基礎をお話してきましたが、今回は「脳出血」です。
このシリーズは、医療職ではない方でも分かりやすく脳卒中を解説していきます。
難しく思わなくても大丈夫です。
ゆっくり、やさしく解説していきます。
● 脳出血の基礎の基礎
「脳梗塞」・「脳出血」・「くも膜下出血」の3つを一まとめにして「脳卒中」と言います。
これは今までも言ってきたことです。
この「脳卒中」は、
「詰まる」か「出血」かの2つに分かれます。
脳梗塞は「血管が詰まること」です。
脳出血とくも膜下出血は「血管が破けて出血すること」です。
まさに読んで字のごとくです。
脳出血とくも膜下出血の違いは、言葉のとおり、出血のある場所の違いです。
脳の中の細い血管が破れて脳の内側で出血するのが脳出血、
脳の表面近くの太い血管から出血して、脳を覆うくも膜と脳の表面の間に血が溜まるのがくも膜下出血です。
脳梗塞は、太い血管から細い血管まで、脳に通じる血管のどれが詰まっても脳梗塞です。
詰まる血管が太ければ太いほど重症になります。
逆に、とても小さな血管が詰まる程度ではほとんど症状がないこともあり、
これを「無症候性脳梗塞」といいます。
脳出血、くも膜下出血、脳梗塞の3つのうち、主に脳神経外科が関わるのは、
脳出血とくも膜下出血です。
脳梗塞に関しては、脳神経外科が診ることもありますが、専門領域は脳神経内科(旧 神経内科)になります。
脳に入り込んでいる細かい血管が破裂して、血が回りに噴き出るのが脳出血です。
普通の血管であれば破たんすることはあまりないはずですが、高血圧や糖尿病、高脂血症(脂質異常症)などで
動脈硬化が進んで脆くなった血管に高い血圧で血が流れてくると、血管の壁が破たんして出血が起こるのです。
噴き出た血の勢いによって周囲の脳がボロボロにされることが、脳出血による後遺症の一番の原因です。
どのような後遺症が残るかは出血が起こった場所によります。
一番怖いのは、「脳幹出血」とよばれるもので、致命的となることが多い脳出血です。
脳幹は呼吸など生命維持に深く関わっている場所です。
そこがダメージを負うと、、、もう分かりますよね。死亡する可能性が高いのです。
しかもそのような重要なところは医師もメスを入れたり何か施したりはできません。
医師も触れない最も怖いところが脳幹なのです。
● 動脈が破れると噴き出す血の勢いはすごい
出血によって血が溜まっていくと、周りの脳が血の固まりに圧迫され、ダメージとなっていきます。
噴き出る血の勢いと溜まっていく血による圧迫、このダブル攻撃で脳出血はしばしば致命的となります。
よく脳は「お豆腐」に例えられます。
お豆腐のようにもろいものです。
その脳は髄液という水のプールの中に浮かんでいるとイメージしてください。
お豆腐も大きな入れ物の水の中に浮いていますよね。
あれは壊れやすい脆いお豆腐を衝撃から守っているのです。
あんなに柔らかくて脆いお豆腐でも、水の中なら形を保っていられるのです。
脳のまさしく同じです。
それくらい脆いのです。
だから動脈血が噴き出すとひとたまりもありません。
庭に水撒くときホースで水を出すでしょう。
そのホースから勢いよく出ている水をお豆腐に当てたらどうなるでしょう。
そう、お豆腐はボロボロになってしまいます。
血管が破れて動脈血が勢いよく噴き出して脳に当たるというのは、これと同じです。
高血圧が原因で起こる高血圧性脳出血が最多ですが、
他にも生まれつきの血管の奇形から出血したり、数%程度ですが、脳腫瘍から出血することもあるので、
脳出血では隠れた病気への注意も必要です。
● まとめ
脳出血とくも膜下出血は「血管が破けて出血すること」です。
脳の中の細い血管が破れて脳の内側で出血するのが脳出血
脳に入り込んでいる細かい血管が破裂して、血が回りに噴き出るのが脳出血です。
普通の血管であれば破たんすることはあまりないはずですが、高血圧や糖尿病、高脂血症(脂質異常症)などで
動脈硬化が進んで脆くなると血管が破れることがあります。
噴き出た血の勢いによって周囲の脳がボロボロにされることが、脳出血による後遺症の一番の原因です。
どのような後遺症が残るかは出血が起こった場所によります。一番怖いのは、「脳幹出血」とよばれるもので、致命的となることが多い脳出血です。
脳出血のタイプとしては、高血圧が原因で起こる高血圧性脳出血が最も多い。
いかかでしたか。
脳卒中シリーズは、難しい脳の病気の話を焦らずゆっくりと解説していきます。
どれも身近な病気であることに変わりはありません。
いつ自分や家族に起こるか分かりません。
正しい知識を持つことで、仮に病気になっても、効果的なリハビリや在宅生活が行いやすくなります。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
初出掲載:2019年1月8日 更新日:2019年11月18日
コメント 0
コメントを書く