こんにちは、ピストンです。


自分では気が付かないうちに何かの病気が潜んでいたら・・・と考えると心配になります。


たまたま検査したら、偶然に病気が発見された。という事例は意外とあります。リハビリテーション病棟に入院している患者さんとお話をしていると、そういう偶然発見された病気を経験された方もいらっしゃいます。



● 頭部・全身MRI検査で偶然に病気が発見される確率は3.9%


頭部・全身MRI検査で偶然に病気が発見される確率は3.9%というイギリスのエディンバラ大学の論文があります。



無症状の成人に対して行った頭部・全身MRI検査で発見される、潜在的に重篤な偶発的所見はどれくらいなのか。英国・エディンバラ大学のLorna M. Gibson氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析の結果、有病率は3.9%であることが明らかにされた。そのうち悪性病変が疑われたのは約半数だが、最終的に重篤と診断される割合は偶発的所見の20.5%と相対的に少ないことが示されたという。

ただし分析データが限定的で、それら病変の健康への影響はほとんど不明であった。

著者は、「潜在的に重篤な偶発的所見のアウトカムをより理解でき、そうした所見をどうフィードバックするかを考えるうえで、系統的な長期追跡研究が必要だ」と述べている。偶発的所見の有病率の推定値はばらつきが大きく、多くが重篤でない偶発的所見を含んでいると考えられ、偶発的所見検出の臨床的価値は限定的である。


研究グループは、MedlineとEmbaseの創刊~2017年4月25日を検索し、明らかに無症状の成人に対する頭部、胸部、腹部の各MRI検査または頭部・全身MRI検査における偶発的所見の有病率とタイプについて行った試験を対象に、システマティック・レビューとメタ解析を行った。


 頭部・全身MRI検査による潜在的に重篤な偶発的所見のプール有病率は3.9%(95%信頼区間[CI]:0.4~27.1)、頭部MRI検査では1.4%(1.0~2.1)、胸部MRI検査では1.3%(0.2~8.1)、腹部MRI検査では1.9%(0.3~12.0)だった。


潜在的重篤性が不確実の偶発的所見を含むと、プール有病率はいずれも増加し、それぞれ12.8%(3.9~34.3)、1.7%(1.1~2.6)、3.0%(0.8~11.3)、4.5%(1.5~12.9)だった。


潜在的に重篤な偶発的所見のうち約半数は、悪性病変の疑いありだった(頭部:0.6%[95%CI:0.4~0.9]、胸部:0.6%[0.1~3.1]、腹部:1.3%[0.2~9.3]、頭部・全身:2.3%[0.3~15.4])。

原著論文:BMJ (Clinical research ed.). 2018 Nov 22;363;k4577. doi: 10.1136/bmj.k4577.

引用:ケアネット



● 脳ドックで動脈瘤が見つかることもある


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脳神経外科の救急病院に勤めていた時は、脳ドックで動脈瘤が見つかり、そのコブが破裂しないようにする手術をする患者さんがいました。


脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血になります。


死亡率が30%~40%と高く、生きて手術を受けても後遺症が襲ってくるとても恐ろしい病気です。

ちなみにエボラ出血熱の死亡率は50%~90%と言われています。


死亡された方の多くは、病院に辿り着く前に亡くなります。つまり即死が多い。


くも膜下出血の場合、まず生きて病院に辿り着けるかどうかが第一番目の山です。


最初のコブの破裂が起こると脳圧が急激に上がりカサブタで辛うじて出血が止まります。


まだこの時点で生きているのなら、このコブを再破裂しないようになんとかしなければなりません。


もしこのカサブタが取れて再破裂をしたら、さらに死亡率が上がります。


脳ドックで運よく?脳動脈瘤が発見されたら、コブの破裂する確率を考えて今後のことを主治医と話すことになります。

すべてのコブが破裂するわけではありません。

コブの大きさ、成長率、場所などを考慮し、いつ手術するべきかを主治医と相談していくことになるでしょう。


人によっては、経過フォローだけで済み人もいます。


早めに手術したほうがいい人もいます。


このコブが自分の頭の中にあると思うと、とても怖い。


よく時限爆弾にたとえて言われますが、このままコブが大きく成長してくるといつか破裂するんじゃないかと不安になる気持ちはよく分かります。



● 一年に一度は検診を受けるほうがいい


問診.jpg


今は脳の病気だけでなく、早期発見で対応できる病気は増えています。


ガンもそうです。


高血圧や糖尿病なども早期に対応することで、あとあと大事に至らないようにできます。


自分に何か病気があるのを知るのことが怖いから受けないという人もいますが、今は大した手術をせずに内視鏡だけで済んだり、投薬だけで済んだりするケースも多いので、そんなに怖がらずに受けた方がいいと思います。


後でどうしてもっと早く対処しなかったんだろうと後悔するよりかは、治る可能性が高い早期に病気を発見したほうが、健康寿命を延ばすことになります。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。











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