こんにちは、ピストンです。


ある知人の看護学生や実習中の看護学生から、質問されたことがあります。


「病院の入浴は週2回なんですね。少なくないですか?私たちは毎日入っているのに。」


なるほど・・・ごもっともです。


僕も看護師になりたての頃は、同じように「週2回って、少なっ。僕なら嫌だなぁ」と思っていました。 ところが何年か看護師をやっていると、週2回入浴が当たり前というか、何にも思わなくなってきました。


今回のお話は、初心を思い出させてくれた看護学生さんに敬意を表し、書かせていただきます。


入浴女性.jpg


では、どうして病院や老人施設などでは、入浴回数が週2回なのでしょうか?

答えは、国から最低週2回はお風呂に入れろと基準を言われているからです。


以下は、国からの省令です。

『厚生省令第46条 第16条(介護)

2 特別養護老人ホームは、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。』


『指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)で、「第十三条 2 指定介護老人福祉施設は、一週間に二回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。」』


と定められており、週2回入浴支援できておれば法令上の違反とはならないのです。


この省令は病院に対してではないのでは?と思う方もいると思いますが、病院はこの老人施設の基準に準じていると考えられます。


最低週2回の入浴は必要とありますが、その根拠はというとかなり薄いようです。厚労省の役人くらいしかエビデンスを知らないでしょう。我々には何も根拠が示されていませんから。

ですので、たまに「うちの施設は入浴は週3回です」というのを売りにしている施設広告を見ます。

週2回をクリアしていれば、別に毎日入ったっていいわけです。


でも現場の人からすると、週2回でも大変なのに、それ以上って無理! と考えますよね。

今の現場の状況なら僕もこれ以上は無理と思います。


あと高齢者は若者と違って皮膚が乾燥しやすい。毎日お風呂で石鹸で洗うと皮脂が落ちてますます皮膚が乾燥しやすい。また皮膜が脆弱になるといわれています。

阿川佐和子・大塚宣夫著「看る力」文春新書 の本のなかに、大塚医師が「風呂は毎日入る必要はない。週に1~2回で十分。」と言っています。


フランスなどヨーロッパでは、毎日風呂に入りません。シャワーも毎日しないそうです。


入浴外国人女性.png


入院患者さんは週2回しか入浴できなくてかわいそうだ、もっと入れてあげたいと思うのは、むしろ日本人だからこそかもしれません。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。









人気ブログランキングに参加しています。

下のバナーにクリックをお願いします↓




看る力 アガワ流介護入門 (文春新書)

看る力 アガワ流介護入門 (文春新書)

  • 作者: 阿川 佐和子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/06/20
  • メディア: 新書



↓この記事が役に立ったという方は、ボタンをクリックしてください。↓

↓↓コメント欄に、ご意見、ご感想をお気軽に書き込んでください。↓↓