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「ここは病院だろ？病院なら治せるだろ」と言ってくる患者さんがいます。


◆ 病院はなんでも治る場所ではない



病院という場所は、本当に「なんでも治る場所」と思っている人がいます。

今より改善するとか、今よりマシにできるとかじゃなくて、

「なんでもかんでも治癒する」と本気で思っている人がいます。


そんなに多くはいないと思いますが、

実際に数人に患者さんに出会ったことがあります。

その人たちは、病院という所はなんでも治してくれると本気で信じていました。


◆ 治らないことも多々ある



病院は病気やケガの治療をするところですが、

なんでもかんでも治るわけではありません。


いまさらですが、人類はすべての病気やケガを克服したわけではありません。

人類にとってお手上げの病気は山ほどあります。


こういうのって、医療従事者以外の世間の人でも知っていると思うんです。

治らない病気はある、と。

老衰以外で亡くなる人は毎日毎日たくさんいますから。


でも「すべての病気を治せるわけではない」と言われると、

なんだか冷たいイメージになりますね。


◆ なんとかしてほしい気持ちの裏返し



しかしながら、自分なりに、なぜ「病院なんだからなんでも治せるだろ」と言う人がいるのか考えてみました。


本音のところは聞けませんからボクの憶測になりますが、

たぶん「この病気をなんとかしてほしい」という気持ちが表れているのだろうと思います。



すべての病気が治るとは当然思っていないけど、

それでも「この病気をなんとかしてほしい」という

わかっちゃいるけどなんとかお願いします！という気持ちの表れではないかなと思います。


われわれ医療従事者に求められているのはここなんです。


病気になると、「なんでこんなことに…」

「もう最悪や…、なんとかしないと」

「お願いします！元の身体に戻れるなら戻りたい！」

こう思った人は多いと思います。


病気になると「なんとか元の身体に戻りたい」と思うものです。

なので、「病院なんだからこれも治せるだろ」と言ってこられるのではないでしょうか。


治せない病気でも、症状が軽くなるような治療はできます。

場合によっては、「寛解」といって病気は治っていないけど姿をひっこめるほどに落ち着かせることもできます。


難しい病気ほど、医療従事者とよく話をして、自分自身の健康へつなげていきましょう。



それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。





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