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看護の質は患者の質。

「患者によって質って変わるなんてけしからん！」という声がありそうですが、実はそうとも言えない状況があります。

前提としては「万人に同じ看護」ということですが、あまりにひどい患者の場合はそうともいえないことがあります。


◆ 看護の質と患者の質



基本的な医療の前提は「万人に同じ医療」です。

看護も同じです。

人によって医療に差をつけることがありません。

医師も看護師も患者によって差をつけるような考えはありません。


しかし、この大前提が崩れる場合があります。

それは、あまりに暴言暴力のひどい患者の場合、医療人は心情的に助けようという気持ちが薄れることがあります。

こういう暴言暴力をふるう患者の場合は強制退院になりますので、医療看護に差が生まれる前に病院から去りますから実際的には差を生じることはありません。

なかなか強制退院にならない場合は、病院に滞在している間、看護師はずっと暴言暴力にさらされることになります。

この時、あきらかに看護師たちはその患者には必要以上に接しませんし、観察力も落ちます。


◆ 接する時間が少ないと、観察も手薄になりがち



暴言暴力などいわゆる「やっかいな」患者の場合、看護師は必要以上に接しません。

ベッドに訪れる回数も減りますし、滞在時間も短くなります。

もちろんその患者に必要な観察はしますが、それが終るとサッサと部屋を出ます。

危害が加わるおそれがありますから、そういうものです。


接する時間が少ないということは、その分観察の目が落ちます。

ささいな皮膚の発赤やちょっとした体の変化に気付きにくくなります。

必要な観察以上の手厚い看護はあまり期待できません。


◆ 暴れるぐらい元気があるということ



手厚い観察ができないけど、逆に言うと、暴れるぐらい元気があるということです。

暴言を吐くぐらい口が回るということです。

セクハラするぐらい余裕があるということです。

なので、看護師は必要最小限の観察だけをして、あとは近寄らず身の安全をはかります。


◆ かわいいジジババは超お得



逆に「かわいいジジババ」は超可愛がられます。

看護師たちは、かわいいジジババは大好きです。

ボクは看護師10年以上やっていますが、かわいいジジババはあきらかに優遇されます。

優遇というのは、看護師たちからの声かけが超多い、やさしい。

必要以上にベッドに来てくれるし、おむつ交換もなんだか嫌そうじゃない。

あきらかに看護師たちは優しく接してくれます。


「そんなの差別だ」と思う人がいるかもしれませんが、現実はこうです。

看護師も人間なので、普段から暴言暴力や理不尽なことや偉そうな態度の患者には冷たい。

もちろんあからさまに冷たい態度はとらないでしょうが、ナースステーションではけっこう悪口を言っていますよ。


かわいいジジババは、ナースステーションのなかでも人気者です。

看護師やっているとよくわかります。

歳をとったら「かわいいジジババになるべき」だと。


◆ まとめ：看護の質は患者の質に影響を受ける



看護師ならわかるはずです。

表向きは「患者によって看護に差をつけることないから」と言っているが、心の中は違うことを。

やはり歳をとったら「かわいいジジババは最強」なのだ。


※ちなみに収入や社会的地位は関係ありません。

以前、「生活保護の患者はちゃんとした医療を提供されないのでは？」と言われたことがありますが、それはないです。

生活保護だろうが同じです。

患者の収入は医療看護にまったく影響を受けません。

実際、看護師たちはそんなことを気にしながら日々の看護をしていません。



それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。



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