認知症には、必ず起こる症状の「中核症状」と、人によっては起きる場合がある「BPSD(行動・心理症状)」があります。
「すぐ怒り出す」「怒りっぽい」というのはBPSD(行動・心理症状)にあたります。
こういう「すぐ怒り出す」という認知症の場合、どう関わったらいいのでしょうか?
◆【認知症ケア】怒りっぽい症状には「放置する」ことも有効な方法
突然怒り出す人をどう落ち着かせるか、これはとても難しいことです。
本人しか分からないことで、いや、時に本人すら分からないことで怒り出しているのですから。
私たち医療介護に携わっている人はこういう突然怒り出す人がいると、職業がらどうしてもそばに寄ったり、寄り添ったりします。
しかし、近づくことでより一層興奮してしまうことがあります。
認知症のケアに「応用行動分析」というのがあります。
応用行動分析の基本は、
「問題行動があるときは近寄らない。落ち着いているときに近寄る」
というものです。
興奮しているときに人が「どうしたんですか?」「大丈夫ですか?」と近寄ると、
「興奮すると人が来てくれる」「かまってくれる」と条件づけられてしまいます。
逆におだやかな時に近づいて話しかけるようにすると、「おだやかにしているとかまってくれる」と学習してくれるということです。
興奮している本人も疲れるので、それほど長時間怒り続けることはできません。
しかし、周りで介護している人にとっては短時間に思えず、長い時間のように感じてかなりストレスになるでしょう。
怒りが静まるまで待つのもつらいことですが、家庭でこのような状況になったら、試してみるのもアリです。
◆ 医療介護の現場では「怒っているときは放っておく」のが難しい
家庭ではできるかもしれませんが、病院や施設などでは難しいでしょう。
私たち看護師や介護士は、「困っている人を助ける」ことを使命としているので、放っておくことは非常に心苦しいです。
応用行動分析に理解のない同僚や上司から目を付けられる可能性もあります。
しかし、応用行動分析を認知症ケアに導入することで成果を出しているのも事実です。
職場で導入するのでしたら、勉強会を開くなどしてスタッフに応用行動分析を知ってもらうのがいいと思います。
◆ どういう状況で怒り出すのか観察をしていくとヒントが見つかるかも
もう1つのケアの方法は、「どういう状況で怒り出すのか」を観察して見つけることです。
お腹が空いた時に怒りやすい
〇〇の話をしている時に怒りやすい
特定の人がいると怒りやすい…
など、何のきっかけで怒り出すのか、パターンをつかむこと。
このパターンが分かれば怒るタイミングがあらかじめ分かりますので、回避することができやすくなります。
では、どんなに観察していても「怒りだすきっかけ」が分からない…、という場合はどうでしょうか。
この場合は、「怒りだすヒマを与えない」という方法を試すのはどうでしょう。
つまり、料理を手伝ってもらう、洗濯を手伝ってもらう、掃除を手伝ってもらう、レクリエーションの準備を手伝ってもらう、人に何かを教えてもらうなど、なにかに集中する時間を持ってもらうことで、怒りに意識が向かないようにする方法です。
「人との会話」で怒り出すことが減ったという報告もあります。
◆ まとめ
認知症の人が怒りだすとき、どうすればいいのか?
これは正解がないので、その人に合わせて解決策を探していくしかありません。
だから難しい問題なのです。
介護をする側もあまりの理不尽さにカッときてキレることがあります。
キレちゃいけない、相手は病気でこうなっているんだと分かっていても、毎日毎日理不尽に怒りだす人を前にすると、ほとほと精神がすり減ってしまうものです。
今回は応用行動分析という方法をご紹介しました。
認知症ケアは方程式のほうに正解はありませんので、いろいろ試行錯誤を繰り返していきましょう。
ぜひ応用行動分析を参考にしてください。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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