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なにかトラブルやミスが発生したとき、こんなことを言う上司はいませんか?

「なんでそんなことをやったんだ!」

「こうなることくらい分かるだろう?」

「オレならそんなことはしない」

言われませんか?

もしくは自分も言ったことがあるんじゃないでしょうか。

これは「後知恵バイアス」と呼ばれる脳のクセです。




◆ 脳のクセ「後知恵バイアス」はしつこいクセ



何か物事が起こったとき、さも自分は予言者のように「そんなことは避けられたはずだ」という思考は

「後知恵バイアス」といいます。

これは脳科学や心理学を学ぶとよく分かるのですが、どの民族にもこうしたクセがあるそうです。

つまりどの人にも「後知恵バイアス」はあります。


ミスを報告してきた部下に

「なんでそんなことをしたんだ!ちょっと考えたら分かるだろう!!」

「そんなことも気づかなかったのか!このバカヤロー」

と怒鳴る上司。

これはまさしく「後知恵バイアス」です。


自分がその場にいたら失敗なんかするはずがないという、いかにも自分ならミスを回避できたと言わんばかりです。

そう!これこそ、脳のクセなのです。


物事が起こってしまっているので、いまさらどうしようもないのに、ネチネチと「オレならこうした」「こうすればよかったのに」と言われても、ミスをした人にはもはやどうしようもありませんよね。


しかもこの「後知恵バイアス」、やっかいなことに拭い去ることは難しいと言われています。

「あとになってこんなことを言ってもしかたがない」と分かっていても、意識をしていても、やはりどうしても後知恵バイアスが出てしまうそうです。

「なんでそんなことを…」

どうです?言ってしまいそうになりませんか?


子どもが悪さをしたとき、

テストの成績が悪かったとき、

部活などで怪我をして帰ってきたとき、

「なんでそんなバカなことをしたの」

って言ってしまいそうですよね。

「ほらみろ、ゲームばかりしているからだ」

言われますよね。


それくらい後知恵バイアスというのは、根強い脳のクセなのです。


◆ 後知恵バイアスってよくないことなの?



いまさら言ってもどうしようもないことを言うので、そういう意では後知恵バイアスはネチネチと小言を言う原因になります。

でもこれはもともと人間に備わっている脳のクセなので、人類にはどうしようもないことです。

人類誕生から今までずーっとあるので、実社会では今もこの瞬間に誰かが言っているでしょう。

だからみんな慣れている(笑)

「こう言われるだろう」と簡単に予測できる(笑)


「課長に報告したらきっとこう言われるだろうなぁ」

と部下はすぐに予測できます。


それくらいみんな自然と使っているクセなんです。

だからよいとか悪いとかではなく、クセです。

でも根拠のない内容のクセなので、そういう点では言う側は言うととスッキリするし、聞かされる側は「もうー、うるさいなぁ」で終わるクセですね(笑)


トラブルが発生してそれを報告したとき部長が上記のようなことを言ったら、

「あぁ、部長、いま後知恵バイアスが出ているなぁ」

と心の中で思いましょう。


サスペンスドラマの最後シーンに誰が犯人か分かります。

オカンは必ずこう言います。

「そうやと思った!最初からこの人が怪しいと思ってたんよ!」


ほんまかいー。



脳科学者 池谷先生の著書です。めっちゃ面白い脳の世界

それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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