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回復期看護ってどういう視点を持って看護をすればいいの?

この質問は実際は先輩や上司に聞きにくいですよね。

「そんなの自分で考えなさいよ」

そう言われそうじゃないですか?

看護師ってすぐそう言うからね。

意外と誰も回復期看護の視点って語らないんですよね。


でも回復期で働くうえでこれは大事なポイントになりますから、しっかりと分かっておくことが重要です。

とりわけ新人ナースや回復期に転職してきたナースなど、回復期初心者に向けて解説します。


◆ 回復期看護の視点とは?



まず一言で言うと、

「患者さんがスムーズにリハビリができる状態か?」

ということです。

これはどんなシチュエーションでも言えることです。

すべてがここにつながります。


患者さんの体調管理
ポジショニングで褥瘡予防
着替えや排泄をすましておく
病棟での移乗移動介助など
これらはすべて「スムーズにリハビリができるようにしている」のです。


本人や家族の「歩いて帰れるようになりたい」「せめてトイレ動作が自分でできるようになってほしい」

こうした思いに応えるためにも、リハビリ時間を奪ってはいけません。

時は金なりです。だからこそ、リハビリ開始前に排泄を終えて車いすに座って待つ。いつでもリハビリが開始できるようにすること。


もうちょっと言いますと、

患者さんの目標を達成しようとするなら、リハビリをしっかりやらないといけませんよね。

入院期間は有限です。

回復期は一日最大3時間のリハビリをします。

そうなると、1分たりとも無駄にしたくない。

30代、40代、50代の働き盛りの人だと余計そう思うでしょう。

だから健康管理をしっかりし、リハビリ開始時間までにすぐに始められるように準備をしておくこと。

患者さんの日常生活動作を把握して、修正すべきところは修正し、目標に達するようにチームと一緒に関わっていくのです。


言い方を変えると、

回復期看護師は「患者さんがリハビリをするのを阻害するものを取り除く」ことが大事なんです。


この視点を持つと、自分のやるべきことが見えてきます。


セラピストと話をして、「病棟でも歩行練習をすればもっと歩けるようになるだろう」となったら、看護師は病棟でも患者さんを安全に歩かせないといけない。

病棟での歩行練習は、リハビリの補完なのです。看護師が付き添って歩く練習をするのも、リハビリの延長なのですね。これをすることで、セラピストがおこなう訓練がさらに活きてくるのです。


「患者さんがスムーズにリハビリができるような状態か?」

この視点を持ちましょう。

そして初心にかえるときは、この言葉を思い出しましょう。


◆ 看護師は患者の日常生活動作を把握することが求められる。



リハビリスタッフと連携をするために、看護師は患者さんがどのような能力があるのか把握する必要があります。

リハビリスタッフはもちろんのこと、看護師も患者さんの能力を見極めること。


たとえば麻痺のある患者さんなら、看護師も麻痺がみれないといけません。

だから麻痺を測るスケールを使えないといけませんし、測定結果の数値がどんな意味を持つのか知っておかないといけません。

そうでないとリハビリスタッフと看護師が同じ目線で患者さんを評価できなくなるからです。


病棟での日常生活動作は、退院してからの在宅での能力に直結します。

入院中に必要な動作ができないと、家に帰ってからもできません。


回復期看護は看護技術だけでなく、リハビリスタッフが使うスケールも勉強する必要があります。


◆ 患者さんはリハビリをしに来ている。これを忘れないで。



回復期はやはりメインは「リハビリ」です。

どう考えても、患者さんは「リハビリ」をしに来ています。

なので、看護師は患者さんがリハビリする時間をしっかり確保できるように、無駄にしないように関わることです。


リハビリは体を動かします。

食事があまり進まないのでしたら、運動に耐えられる栄養をどう確保するのか?

褥瘡が発生すると車いすに座ることすら難しくなります。予防や処置が大切になりますよね。

睡眠がしっかりとれていないと疲れがたまるし、日中傾眠の原因になります。夜間の良眠のためにできることを考えます。

もちろん主治医と連携をとっていくこともします。


「患者さんがスムーズにリハビリができる状態か?」

回復期看護は、患者・家族・チームの他職種・在宅支援チームと幅広く関わります。

そのためいろんな要望が出てきますし、忙しくなります。

自分のやるべきことが見失いそうになったら、この視点に戻りましょう。


リハビリスタッフが使うスケールやケア、症状、薬、装具、ポジショニングなどが一冊にギュッと詰め込んだ、ポケットサイズのおすすめ本です。急性期や回復期看護に大活躍間違いなし。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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