杖って年間約50万本売れています。
意外と売れていると思いましたか?それとも高齢者の数のわりに少ないと思いましたか?
私が医療現場で感じることは、
「杖はジジくさくて、嫌!」
という声が少なからずあるということです。
実際、患者さんから「杖は嫌なんだよ。あんなジジくさいの。杖なんか使ったら、まるで老人みたいじゃないか」
と言われたことは何度もあります。
私も「それは分からないでもない」と思いますが、杖を提案するには、それなりの理由があります。
でも、杖は恥ずかしいですか?
◆ 杖は何も持たないで歩く「独歩」のひとつ手前。
病院やリハビリでは「移動形態」といって、どういう手段で人が「移動」するかを区分しています。
例えば、重症で起き上がれない状態の人だと移動は「ベッド」か「ストレッチャー」になります。
座ることができるがまだ歩くのはおぼつかない場合は「車いす」
歩けるがふらついたりして転倒のリスクがある場合は「歩行器」「シルバーカー」
あともう一息で何も頼らずに歩ける場合やふらつきを自己修正できる人は「杖」
何も頼らずに歩ける人は「独歩」
というように、その人の状態に合わせて使う補助具を考えます。
リハビリスタッフから「杖」を使うことを提案されたということは、「独歩」では転倒する危険性があるということです。
◆ 杖は恥ずかしいという時代は終わった。
ライフスタイルは昔と違って、多様性を認める社会になってきています。
ひと昔前なら眉をしかめるファッションも、今では普通になっているものがたくさんあります。
街に出ればいろんな個性のある格好をしている人たちであふれ、多少変な格好をしていても別に周りの人たちが気にしている様子はありません。
何が言いたいかというと
見た目なんて自分が思っているほど周りは気にしていない
ということです。
なので安心して自分の身を守ることを最優先すること。
杖を使えば、より安全に、より安心して外出ができるのです。
そっちのほうを優先したほうがいいと思いませんか?
◆ 今どきの杖はオシャレで多機能。これで外に出ましょう。
京都に「つえ屋」という杖専門のお店があります。
入ったことはありませんが(爆)、お店の前はよく通ります。杖のお店としては京都でけっこう知名度はあると思います。
サイトもあり、種類がたくさんあります。
「つえ屋」(京都)のサイトです。オンラインショップもあります→つえ屋(京都)
足元を照らすライト付き杖。
ほかにも持ち手のところが懐中電灯のようにライトになっている杖もあります。
杖って階段は使わないものなんです。階段ではかえって使うとバランスが崩れやすくなって危ないんです。
でもこの杖は違います。
なんと階段昇降用に作られた杖なんです。
杖自体が伸び縮みするので、段差にあわせて踏ん張れるんですね。
「天国のつえ」って…。
使うと天国に逝ってしまうのか…、と最初は勘違いしてしまいましたが、違います。
故人が天国でも困らないようにお棺に入れる杖です。
よく見ると柄に「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」と刻まれています。
びっくりした…、これで街を歩くのか…と勘違い。すみません。
これらはほんの一部です。カーボン製の杖もあり、めっちゃ丈夫で軽いのも。
とまあ、最近の杖は本当に多種多様です。
しかも、おしゃれ!
おしゃれで安心。
いいじゃないですか。
他人の目を気にするより、自分の安心安全を選びたいものですね。
まだ杖を恥ずかしがっているの?
転ばぬ先の杖って昔からいうでしょ。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。