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どこの病院にもいる、いわゆる「困った患者」。

その困った内容はいろいろありますが、今回は「自分のペースに周りを巻き込むでいく」ちょっと自己の正義基準が強い患者さんのお話です。




◆ 部屋のにおいが臭いと同室患者に勝手に香水を振りまく。

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部屋が実際に臭いのかというとそうではありません。

何人かの看護師が部屋のにおいを嗅いでも分からないくらいのレベルです。

まったく気にならないレベルです。


それなのに、「部屋がくさい、くさい」持ってきた香水を振りまくっている。

自分のベッドのスペースだけならまだしも、同室患者で寝たきりの患者にも通りすがりに香水を巻いていく。

食事などをとるデイルームなどのスペースに座ってTVを見ている他患者にも、後ろからそっと香水を振りまいていく。

「お前もくさい」と言わんばかりの行動。

さすがに失礼なので、師長から注意を受けました。


同室患者で寝たきりの患者さんがいますので、オムツ交換があります。

すると、「くさい」といって部屋の中であからさまに香水を振りまくります。


こうした行為は他人に自分の基準を押し付けている失礼なことだと考えます。

誰だってオムツで用を足したいわけじゃないですから。

そしてもちろん換気もしますよ。

それでも、あからさまに香水を振りまくるなんて、しかも後ろからそっと振りかけるなんて他の患者さんに失礼ですよね。


◆ うるさい患者を「どうにかしろ!」と追い出そうとする。

これは今までもたびたびご紹介しているケースです。

今回は、普段はやさしい言葉をよく発する患者ですが、同室患者に認知症の患者さんがいて夜中にしゃべってうるさいと、キレて怒鳴ってくる人がいます。

それで、じゃあ個室に移られますか?と聞くと「なんでこっちが動かなあかんねん!あいつの方をなんとかしろ!こっちは動かん!」と個室へ移ることは拒否されます。


というか、周りの多くの患者さんから文句は出ていないんです。

ほら、他の患者さんは誰も文句言っていませんけど?

文句がある人こそ、個室へ移ったらどうです?

だってあなた以外誰もうるさいなんて、文句ないですから。あなただけですよ、うるさいって文句言ってくるのは。

でも自分が部屋を移るのは嫌なんですって。まるで交差点で車同士が出会い、「オレはバックしないぞ。お前がバックしろ」と変な意地を張っているドライバーと同レベルです。


◆ 認知症患者に対して「うるさい!死ね!」と大声で怒鳴る。

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こんなこと実際あるんです。

患者が患者に対して「死ね!」って。

認知症の患者さんでいつもスタッフの悪口を言う患者さんがいます。スタッフは悪者と思い込んでいるんです。これは認知症の症状の一つで、自分にされているケアが理解できなくて「何か私に危害をくわえようとしている」と勘違いすることがあります。

それでスタッフに怒るんですね。ですから、ちゃんと理解してもらうように接していくんです。


ところが、認知症のことを知らないその患者は、悪口を自分に言っていると怒るんです。

こちらが説明をしても怒りは治まりません。

挙句の果てには、認知症患者に対して「こっちかって病人なんや!お前なんか死んでしまえ!」と怒鳴ります。


これらの三つのケースは、すべて同じ患者のことです。

こういう患者が病棟に一人いるだけで、場の雰囲気が悪くなります。


「一番うるさいのは、おまえだ」と病棟ではある意味有名人になっています(笑)


この患者には他にもエピソードがあるんですが、とにかく自分基準で病棟の生活を送ると、周りの患者さんにも失礼ですし、病棟スタッフにも迷惑になります。

本人は「私がうるさい、くさいと感じることは、他の患者もそう思っているはず。だから私は正しいことをしているんだ」と思っている。これは幻想です。だからよけい病棟スタッフもやりづらくなります…。


このように、病棟をかき乱す患者は少なからずいます。

いろんな人が世の中にいますから、1年に何回かは病棟はこういう事態になります。




それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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