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健康でありたい、そう思うのは自然なことです。

きっと読者の皆さんもそう思っている方がほとんどでしょう。

健康でありたいために医療があり、もし不健康になったら医療の力を使って再び健康を取り戻そうとします。

健康を維持するために医療を使うこともあります。

「自分が健康でいたいという気持ち」と「健康へのお手伝いをする医療」の相乗効果があって、その力が発揮されます。つまり患者さん自身が「健康になりたい」「健康を取り戻す」という気持ちを持つことが大切です。

ところが、自分の健康は自分で守るというをすっぽり抜けてしまったかのようなことが現場ではあります。




◆ 「聞かれてもよく分かりませんし、先生にお任せします」って、それでいいんですか。

よく医師と家族との会話のなかで上記のような会話があります。

家族は、とくに高齢の家族は、医療の話がよく分からないからと言って、全面的に病院に任せてしまうことがあります。

私はそばで聞いていて、「それでいいの?本当にそれでいいの?」と考えさせられます。

自分の将来を、いとも簡単に他人に任せてしまう。これは家族だけでなく本人にも、こういう傾向の方がいらっしゃいます。

たしかに医療は難しい部分がありますから、医療者側に任せておこうという気持ちが生まれるのは分かります。

でも丸投げでまったく自分の頭で考えないような振り方はいかがなものかと思います。大事な家族のことですからね。または自分のことですから。

分からないことは遠慮なく医療者に聞いていいんです。

治療のことなら医師に、普段のことやその他あれこれは看護師に、面会に来てリハビリ時間に見学をしているのならリハビリスタッフに。疑問や不安はいつでも周りにいるスタッフに聞いていただいて結構です。そうやって自分の不安や分からない事をつぶしていって、自分で考えることをしていただきたいのです。

分からないことを聞くのは、まったく恥ずかしい事ではありませんからね。

分からない事を分かるに変えていかないと自分で考えられませんし、少しでも納得できる結論を出せるようにして頂きたいと思います。


◆ 自分がどうありたいのか?を知っているのは自分。

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リハビリをされている方でしたら、「自分には何が足りないのか」が自分の中で分かっておられます。

今までの体の変化を知っています。できないことが身に染みて分かっておられます。

だから「おっそいなあー」とか「へたくそ。何度言ったら分かるんだい」とか家族から声をかけられたら、本人はへこみます。つらいんです。周りから見るとそう思うかもしれませんが、本人は動きが悪い体を精一杯使ってやっているんで、全力なんです。

こうした自分の身体の変化を一番分かっているのは本人です。本人は自分の将来やどうありたいかを知っています。しかし悩んだり苦しんだりしながら、未来や過去を行ったり来たりしながら考えを巡らせています。

ビシッと自分の考えがまとまっているのならともかく、あれこれ悩んだりしているのなら、それをカンファレンス等で話されてもいいです。医療者にしてみれば「目の前の患者さんがどういうことをしたいと思っているのか」が大事だからです。どういう未来を望んでいるのか?そのためにはどういう能力が必要なのか、ということを患者さんと一緒に模索しリハビリをしているわけです。なので、将来のことに悩んでいるのなら別に恥ずかしいことではないですから、言って欲しいと思います。何かアドバイスや関連のところに紹介もできるかもしれませんから。


◆ 普段の生活を律するのも自分。

たとえば健康のためにランニングをしている方やウォーキングをしている方がいらっしゃいます。

スポーツジムに通っている人や何らかのスポーツをやっている人もいるでしょう。

こうした人たちは「楽しいから」「もっと上手くなりたいから」という気持ちの根底には「運動をすることで健康を維持したい」と考えがあるでしょう。

とても素敵なことです。

しかし、こうしたことを「継続する」ことがとても大変です。健康はちょっと運動をすれば手に入るというものではありませんから、継続していくことが重要です。

これができない人が多いんです。

途中であきらめてしまったり、億劫になってしまったり、いづれにしても継続は難しい。

こうした悪魔のささやきに打ち勝つことができるか。健康になるためには自分を律する勇気や努力がいります。

特に高齢になればなるほどリハビリを継続していくことが難しくなってきます。90歳以上になって毎日リハビリをするなんて、とても大変なことです。しなくていいという訳ではありませんが、常識的に考えて「もうゆっくりしたらどう?」と思うわけです。中には90歳以上の方で毎日リハビリをがんばっている方もいますが、それはみんなに当てはまりません。

入院している患者さんの多くが高齢者です。退院した後の健康維持のための運動や活動を継続することは大変なこと。でも人によっては農業であったり友人とお茶をしたり孫と遊んだり、そういうことが良い運動や活動になりますから、ぜひ楽しみながらできる日々の活動をしていっていくのが継続の秘訣だと思います。


継続することは大変ですが、何事もコツコツしかありません。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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