f6d7023bcc3b4a8541cccb010df8a064_s.jpg


「隣の患者がうるさくて夜眠れない!」

と複数人部屋の患者さんから苦情を言われたことは、看護師ならたくさんあると思います。


「夜うるさい」はよくあることで、他にも

「あいつと相性が合わないから、部屋を変えろ」

「昼間でも夜でもゴソゴソしてて気になって仕方がない」

「私のところのカーテンを開けたのよ。ほんとかなんわー」


これらはほんの一部ですが、病棟では毎日・・・とは言いませんが、結構な頻度で患者さんからの苦情が来ます。


私は複数の病院勤務経験があるので分かるのですが、どこの病院でも同じようなクレームはよくあります。

おそらくほとんどの病院であるはずです。

ではこうしたことに対してどのように対応しているのでしょうか。





◆ 病棟は基本、部屋を替える努力をします。

同室患者さんからのクレームには、基本的に部屋を替えることで対応はします。

でも空いている部屋がないとか、空いているけど夜に不穏になりやすくて結局うるさい患者さんばかりとか、痰の吸引が夜間も必要で吸引音がするからとか、とにかく希望に沿えないこともあります。


別にいじわるで部屋異動をしないのではなく、本当に希望に沿えないことがあります。


夜うるさくて眠れないのなら、

・耳栓を使う。

・ウォークマン等でヒーリング音楽を聞きながら寝る。(イヤホン型ではなくヘッドホン型が尚よし)

・最終手段で眠剤を飲む。(あまりおすすめしません)

・日中に昼寝を一切せずにいて、リハビリ等でかなり疲れさせてから夜ベッドに入るようにする。

・眠くて眠くて仕方がなくなってからベッドに入るようにする。それまでは起きとく。


といろいろな方法を試して、自分に合った寝れる工夫をします。

方法はたくさんありますが、どれが自分に合っているかは試してみないと分かりません。


眠剤をおすすめしない理由は、例えばよく使われるのに「マイスリー」=「ゾルピデム」、「レンドルミン」=「ブロチゾラム」などがありますが、いずれも「常習性」があり、クセになりやすいからです。

これらの眠剤はほんとうにあちこちの病院や施設で使われているメジャーな眠剤です。

「こりゃあいい。よく眠れる」と一度味をしめると、もうこれなしでは私は眠れないと錯覚してしまう人も多くいます。

本当は生き物は薬を使わなくても、そもそも夜眠るようになっています。

多少眠れない日があっても、一週間もまったく寝ていませんという人はいないのです。

どこかでかならず寝ます。眠れなくても、そのうち絶対寝れます。


人によっては「熟睡間がない」「寝た気がしない」ということはあります。

しかし原因は精神的なものであったり、環境によるものであったり、ちょっと工夫をすれば眠れるようになることも多い。

そういうことをしないで、まっさきに眠剤に手を出す人が多いので、本来なら使わずにすむはずの薬を使うことになってしまいます。


あと夜眠れないと言っている人の中には、昼寝をよくしている人も多いのです。

昼寝をしている人に「昼寝をしているから、夜眠れないんじゃないの?」と聞くと、たいてい「いや、昼寝なんかしていない」と返ってきます。

でも看護師さんたちはちゃんと見てますから、分かっています。


6ecd5b422939c217e36d6ec352f822f0_s.jpg


いずれにしても部屋を替えるとまず眠れるようになります。そこの新しく異動した病室もそこそこ音がする部屋だったとしても。

そう考えると、「あいつのせいで眠れないんだ」という心が眠りを阻害していたのかも知れません。


◆ 神経質な方はそもそも個室を申し込んでほしい。

もう、これに尽きます。

これでいってください(笑)


ほんと、これですよ(←しつこい)


個室なら何ら問題ありません。

TVも深夜まで見ててもいいし、プライバシーも守られます。


他患者に気兼ねすることもなし。


ただ個室代がかかります。


今は個室代も保険でまかなえる時代になりました。

もし入院したときのために備えるなら差額ベッド代を保険で使えるのを選ぶことをおすすめします。

自分は静かでないと眠れない、プライバシーが確保されていないと眠れない、大部屋は苦手という性格の方は、すでに自分のタイプが分かっているので、ぜひそうして頂きたいと思います。

だって、入院する前から大部屋が苦てと分かっているんですから。


◆ いろんな病気、いろんな性格、いろんな年代が混ざって入院しています。

介護を支える イメージ.jpg


これも誰しもが分かっていることだと思います。

だけどいざ入院すると、これがすっ飛んでしまうことがあります。


自分の病気のことで精一杯になるものです。


でもやはりここをしっかりと国民みんなが理解しないといけないと思うのです。

要は、お互い様なのです。

うるさいと怒っている人も、実はけっこう自分もうるさいなんてことはよくあること。


「いびきがうるさい」と言っている本人も、けっこうな大きないびきをしていることはよくあります。

自分が気づいていないだけ。


まとめとして、

①神経質な人はぜひ個室を希望してください。

②個室じゃないのなら、ある程度は我慢をしましょう。もちろん限度はありますよ。

大部屋はいろんな人が混じった病室です。痰吸引が必要な人もいるでしょう。歯ぎしりする人もいるでしょう。でもそれは本人でコントロールできるものではありません。仕方がないのです。性格も症状も年齢も入院の背景も、みんな違うということを今一度考えて頂きたいなあと思います。


それではではでは最後まで読んでくださってありがとうございました。






カテゴリ

タグ