脳卒中と遺伝との間に関係性はあるのでしょうか。
実は、脳卒中と遺伝には関係性があるのです。
ではその関係はどのようなものなのでしょう。
◆ 体質には遺伝子が関係している
「うちはガン家系だから・・・」
「うちは糖尿病の家系だから・・・」
と言っている家庭があります。
「ウチの家庭は〇〇だから・・・」ってよく言うものですが、家系と病気の関係は、心臓の病気や脳卒中といった特定の病気が多い家系、ガンが多い家系がよく知られていますよね。
何らかの遺伝的な要因があると思われます。
しかし同じ家庭であれば食事や仕事環境や気候環境など同じような環境で生活をしているので、別に遺伝だけが関係しているとは考えられません。
不規則な生活やよくない食生活をしている家庭は、家族全員がその犠牲となります。
それゆえ、ガンや高血圧などにかかりやすくなる、ということも言えます。
でも高血圧や糖尿病などになりやすい体質には遺伝子が関与します。
こうした体質に関係する遺伝子は一種類ではなく、複数の遺伝子が関わっています。
これを多因子遺伝といいます。
このような要因を持った人が、塩分の多い食事や、カロリーの高い食事や、肥満、運動不足の状態を続けると高血圧になる可能性が高くなります。
糖尿病にも多因子遺伝が関与しています。
◆ 遺伝と強い関係があるくも膜下出血
脳卒中のなかで、家族性がはっきりしているものに脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血があります。
二親等以内にくも膜下出血の患者さんがいると、そうした家族がない人にくらべて、脳動脈瘤が二倍から三倍の高頻度で見つかることが分かっています。
家族にくも膜下出血の方がいる50歳くらいの年齢の方は、脳ドックを受診したり、頭痛があればMRI検査を受けておいたほうが安心するでしょう。
◆ 遺伝子によって起こる脳卒中
全部が全部、遺伝で脳卒中が起こるのではありません。
基本的に、脳卒中は若い時からの生活習慣が蓄積してきた結果です。
遺伝で発症することは少ないのです。
しかし最近の研究では、遺伝性の脳卒中はあるということが分かってきました。
「ある年代になると、脳卒中を発症するというプログラミングされた人がいる」
ということが分かりました。
こうした人は通常よりも脳卒中になる可能性が高い。
なのでより生活習慣に気を付けていく必要があるのです。
◆ 遺伝が関係しているが、どうすれば予防できるのか?
遺伝的な要因があったとしても、生活習慣に気を付けていれば生活習慣病の予防はできます。
また、適切な治療を受けることで、このあとに引き続いて起こる脳卒中や心臓病の発症を抑えることができます。
なので、「うちは〇〇の家系だから・・・」とあきらめるのは早い。
そんなに心配なら、今すぐ行動です。
適度な運動をしましょう。
野菜中心のバランスのとれた食事をとりましょう。
睡眠はしっかりとりましょう。
不摂生をやめましょう。
塩分の摂りすぎはやめましょう。
笑いましょう。
遺伝が関わっているとしても、生活習慣に気を付けていれば必ず発症するとはかぎりません。
「気を付けなきゃなあー」と思っているだけではだめですよ。
行動しましょう。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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