脳の病気になると言葉が話せなくなる場合があります。
これは脳の言葉を司る場所にダメージがあると、言葉が出なくなったり、言葉の意味が理解できなくなったりするからです。
また、言葉が出るのですが、聞き取りにくかったり、意味不明なことを言ったり、コミュニケーションが取りにくくなることもあります。
このように脳の言葉を支配している場所にダメージがあり、コミュニケーション障害があることを失語といいます。
実際に失語の方とお話をしたことがある方なら分かると思いますが、コミュニケーションをとることはとても難しいのです。
ではどういう風に会話をしていけばいいのでしょうか?
◆ 相手の発する言葉だけに気を取られるない。全体を見るように。
失語の方といきなりコミュニケーションがうまくとれる魔法はありません。
いろいろと話かけてください。
相手が重度の失語でもです。
そのとき、口元だけに気を取られて、口以外の全身の観察をおろそかにしてはいけません。
たとえば手をどう動かしているのか、または動かそうとしているのか。
眉は?しかめっ面か笑顔か、表情はどうなっているのか。
まったくの無反応なのか。
どういう声掛けで、どんな反応が返ってくるのか。
偶然か必然か。
何が言いたいのかというと、患者さんの全体をみて反応を見逃さないようにするということです。
何か異変があったときや、何かを訴えたいとき、話すこと以外の方法で私たちに伝えようとしているサインを見逃してはいけません。
だからこそ、失語のある方にはよく話しかけるように心掛けるのです。
◆ ゆっくりと普段の声掛けをする。
特に高齢者の場合、高齢ということだけで耳が遠いということがあります。
また、言葉の掛け合いのレスポンスが悪くなるということもあります。
しゃべりにくいというタイプの失語では、本人のしゃべりもゆっくりになりがちです。
しゃべりにくいので、絞り出すように発声をしようと努力しているからです。
なので、こちらのしゃべりも相手に合わせて少しゆっくりしゃべると、相手も合わせやすくなります。
私たちはついつい早くしゃべってしまいがちですが、こうした失語の方と話すときはゆっくりを意識しましょう。
いかかでしたか。
今まで失語の方と話したことが無い方には、ピンとこないかもしれませんが、失語の症状を持っている方はけっこういらっしゃいます。
大事なことは、失語を理解して、敬遠しないことです。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
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