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「分かりやすい脳梗塞」の続編で、今回は脳梗塞の治療についてです。

どういう治療をおこなうのかを知るいい機会にできればと思います。

ではさっそく始めましょう。


◆ 基本は薬物治療

基本的に脳梗塞は点滴および内服の薬物治療が主役となります。

どういう薬を使うかというと、抗血小板薬、抗凝固薬、脳保護薬とよばれる薬を使います。

このほかにもたくさんの種類の薬がありますが、まずはこれくらいでいいと思います。「超基礎シリーズ」ですからね。

脳梗塞ですから、血管が詰まっているんですね。またはものすごく血液が通りにくい状態です。血液を通してやらないといけません。

抗血小板薬と抗凝固薬の違いは、これまた細かく言うと難しくなるのですが、簡単にいうと血の固まり、血栓というのが血管内にできて血管が詰まります。

この血栓は大きく2種類あります。固まりの成分が違うと思ってください。成分が違うので、溶かす薬の種類も違うというわけです。

この抗血小板薬と抗凝固薬を使うことで、血を固まりにくくします。

固まりにくくすることで血栓が大きくならないようにするのが基本的な作用です。さらに血管を開いて血流を増やす効果も持つものもあります。


脳保護薬は、神経の毒となる『フリーラジカル』という物質を抑制して、脳の保護に働くといわれています。

フリーラジカルは脳を酸性にします。この薬は抗酸化作用があるということです。


脳保護薬は入院中だけ、抗血小板薬は退院してからもずっと飲み続けることになります。


◆ これ以上悪くならないようにするための治療

脳細胞は死んでしまうとそれはもう復活しません。つまり脳梗塞が起こり脳細胞が死んでしまった箇所は、そこの部分の復活はないのです。

通常の脳梗塞の薬物治療は、症状を改善するというより、これ以上さらに悪化するのを防ぐための治療になります。

集中治療室に入っているとき、たくさんの点滴や内服薬があり、いろんな検査もしますが、結局のところ、脳梗塞を「治す」治療はしていません。していそうに感じるかもしれませんが、していません。

しているのは、「これ以上悪くならないように」しているのです。


脳梗塞の治療について知ることは、ご本人やご家族に脳梗塞の方がいらっしゃったら、病院でどのような治療をされていたのかを知る機会になります。

発症直後は動揺し、医師の話があまり頭に残らないことも多いですから、振り返ることができればと思います。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。