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胃ろう(PEG)を造設されている患者さん、もしくは在宅で生活をされ

ている方はたくさんいらっしゃいます。

まず白湯のことを検証するまえに、胃ろうについて少しばかり解説します。

◆ 胃ろうとは?



胃ろうとは、病気などで口から食べ物をうまく食べることができない、もしくはまったく食べることができない時、手術でお腹に小さな穴をあけて、その穴から胃に食べ物を流し込むことで、この小さな穴のことを「胃ろう」といいます。

胃ろうに食べ物を流しこむといっても、穴に直接食べ物を流し込むのではありません。

この穴に取り付けられたチューブを「胃ろうカテーテル」といいます。

口から食べ物をうまく食べることができないといいましたが、このような状態ですと食べ物を食道に流れずに気管にも流れ込んでしまうという健常者では起こらないことが起こります。気管に流れた食べ物は体温で温められて菌が繁殖し肺炎をおこすリスクが高くなります。

そこで直接お腹に穴をあけて直接胃に食べ物(実際はそれ専用の栄養剤)をいれる方法ということです。

胃ろう造設をする理由(メリット)は、

まず第一に口から必要な栄養がとれない状態の改善。

つぎに誤嚥性肺炎の予防。

さらに胃ろうで必要な栄養を摂りつつ、食べるリハビリをしやすくするためです。


さて、胃ろうの場合、通常は専用の栄養剤と白湯を胃に注入します。

栄養剤はいろいろな種類がありますが、一般的によく使われているものは液体のものです。

これは本当に各メーカーからたくさんの種類が販売されていますので、一概にはいえないのですが、一般的によく使われているものは液体のはずです。

◆ 白湯とは?

次に白湯ですが、これはなんのへんてつもない普通の白湯です。

一般家庭の水道水をポットで湯沸かした白湯。

病院でも一緒です。

水道水を湯沸かした白湯が一般的です。

何のために白湯を注入するのかというと、栄養剤だけでは一日の水分摂取量が足りないからです。

胃ろう、経鼻経管チューブの場合も、「栄養剤」と「白湯」の二つの組み合わせが一般的です。


ここでよく議論になるのは、

白湯は栄養剤の前後どっちにいく?

ということです。


これは病院や施設によっても違っていて、まちまちなようです。

でも本当のところ、白湯は栄養剤の前後どっちがいいのでしょうか?

◆ 白湯は前派vs後派、それぞれの主張を比べてみた

『前派の主張』

①榊原白鳳病院の笠間睦氏、m3.comのHPからのご紹介です。


榊原白鳳病院の笠間睦氏のコラムがありその中で『通常は栄養剤の後に白湯を注入する』として、通常は後だとする記述があります。

しかし経腸栄養剤の投与前に、白湯を注入することで、胃の動きが活発になり、誤嚥が誘発しにくくなると見られている、とする見解も紹介されています。

水を先に入れることで蠕動運動を促し、胃から腸への排出時間を短縮したり、突発的な嘔吐を防いだりすることができるという考え方です。

記事は前、後のどちらでもいいが、前にすることのメリットが紹介されているため、どうも「前」のほうが良さそうだと感じられる内容です。

②NPO法人PDNさんのHPからの水分補給の記事をご紹介します。


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記事には「追加水投与のタイミングは?」というカテゴリーがあり、『そこには栄養剤投与後に投与することが多いのかと思います。』と一般的には「後」派であるような内容が書いてあります。

ただ、そのあと『経腸栄養剤の投与前後どちらでもかまわない』と書かれています。

続いて、『最近、近森病院の宮澤靖先生たちは、経腸栄養剤の逆流予防という観点から、栄養剤投与前の追加水投与を推奨されています。』

水の方が栄養剤よりも胃からの排出が早いので、先に水を投与することで胃内容量が適切に保たれ、逆流や漏れが起こりにくくなるというのが理由です。

このように「前」派の意見を紹介されていて、患者さんの状態によってはありとする内容になっています。

『後派の主張』

①私が以前勤めていた救急病院では、白湯は栄養剤の「後」に注入していました。
理由は栄養剤がチューブ内に残っている分も、きちんと胃内に流し入れることができるから。

『どちらでもいい派の主張』

①医療機器メーカーのアボット ジャパン株式会社の胃ろうの解説ページから。
スクリーンショット (4).png
そのには「水分補給」のカテゴリーがあります。
読むと「水分の注入を、経腸栄養剤投与の「前」もしくは「後」におこなうかは、医師や看護師等の指示に従ってください。」
と書いてあります
ここでは前か後かは医師や看護師等の判断ということを読み取れます。

◆ まとめ



ここまでいろいろ調べますと、

■一般的には白湯は栄養剤の「後」が多いようだ

■しかし結局のところ前、後のどちらでもよい。特に身体には問題ない。

■誤嚥性肺炎や嘔吐を軽減させる理論として、前のほうがよい。

ということが言えるでしょう。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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