今日は脳梗塞について記事を書きます。


脳卒中についてのシリーズです。


脳出血やくも膜下出血など他の疾患についても分かりやすく書いていきます。


まずは脳梗塞から。



専門的な分野ではありますが、医療職以外の方が分かりやすく読めるように書いているつもりですので、一緒に勉強していきましょう。



脳は難しい・・・と考える方が多いようです。


脳の勉強は「No!」


なんて言いたくなるかもしれませんが、


そんなに肩肘張らなくても大丈夫ですヨ。


少しずつゆっくり勉強していきましょう。



分からなかったことが分かったら、視野が広くなると思いますよ。




● 脳梗塞の基礎の基礎


以前の記事で脳卒中は、


「脳」が「突然」に「中る(あたる)」という意味だと解説しました。


また、脳卒中は「脳梗塞」・「脳出血」・「くも膜下出血」の3つの病気の総称だとも解説しました。






脳卒中の中の一つ、「脳梗塞」は一番頻度の多い疾患になります。


脳梗塞はどちらかというと、脳外科よりも神経内科の領域になります。


今は神経内科が名称変更しまして、「脳神経内科」に変わりました。


神経内科が主に扱っていたのは、ほとんどの脳梗塞が手術を必要としなかったからです。


手術しないので脳神経外科よりも神経内科(=脳神経内科)というわけです。


ところが手術適応な脳梗塞もあります。


重症な脳梗塞の場合や予防的に行う手術、または手術をすることで生存率を上げることができる場合などでは、脳神経外科の出番です。




ではこの脳梗塞、脳卒中のなかで一番多いのですが、脳卒中の8割を占めています。


毎年約8万人の人が亡くなっています。


脳梗塞は、脳の血管が詰まったり細くなったりして、脳に血流が行かなくなる病気です。


この血管というのは、動脈のことです。


動脈は全身に酸素や栄養など生きていくのに大事なものを運んでいます。


この動脈が詰まったりすると脳に酸素や栄養がまったく行かなくなるため、血液がなくなった部分の脳が死んでしまいます。


そんなに簡単に死ぬんですか?と聞かれたことがありますが、そうなんです。


脳のエネルギー源はブドウ糖です。それは動脈から運ばれてきます。


脳は全身のなかで一番ブドウ糖の消費が激しいところで、ブドウ糖をたくさん使っています。


しかも厄介なことに、脳はブドウ糖をストックしておくことができません。ブドウ糖を蓄えておいて、いざ足りなくなったら貯蓄を使うということができないのです。


生きていくのに酸素も必要です。


脳は全身の酸素の20%も使います。とてもたくさんの酸素を消費しています。


血流が途絶えて酸素が行かなくなると、たちまち脳は死んでしまします。



脳の血管が詰まったり細くなったりして血液が届かなくなると、その血管から酸素と栄養を得ている部分の脳細胞は死んでしまいます。


脳梗塞では、血流が途絶えた部分だけが静かに死んでいきます。


大きな脳梗塞になると、ダメージがひどくて脳が腫れてくることがありますが、そうでない限りは周囲の部分までやられてしまうことは少ないです。


とはいえこれが「軽く済む」という意味ではありません。



● まとめ


脳卒中は「脳梗塞」・「脳出血」・「くも膜下出血」の3つの病気の総称。

脳卒中の中の一つ、「脳梗塞」は一番頻度の多い疾患。

脳梗塞はどちらかというと、脳外科よりも神経内科(=脳神経内科)の領域。

手術適応な脳梗塞もあります。

脳卒中の8割を占めています。

毎年約8万人の人が亡くなっています。

脳梗塞は、脳の血管が詰まったり細くなったりして、脳に血流が行かなくなる病気です。

脳は全身のなかで一番ブドウ糖の消費が激しいところで、ブドウ糖をたくさん使っています。

脳はブドウ糖をストックしておくことができません。

脳は全身の酸素の20%も使います。

血流が途絶えて酸素が行かなくなると、たちまち脳は死んでしまします。


いかがでしたか。


脳の勉強は難しいと思いがちですが、分かってくるとこんなに奥深い領域はありません。


脳の病気は身近なところに沢山あります。


他人事と考えずに、いつ家族や大切な人や自分に起こるかも分かりませんから、自分の事として理解していくようにしていきましょう。


このブログでは看護師や医療職だけでなく、一般の方でもできるだけ分かりやすく医療や看護、介護について、また、健康情報について書いていくように心掛けています。

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それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2018年12月27日   更新日:2019年11月18日