脳卒中患者さんの中で、40~50才代の比較的若い方がいます。


そういう患者さんてお仕事をしているのが普通です。


そこで問題になるのは、退院後に仕事をどうするのか?です。


脳卒中による高次脳機能障害や麻痺があると、なかなか一般的な仕事がやりにくくなったりして、今までの職場を離れてしまうことにも繋がりかねません。


こうした人たちにどのように支援をしていけばいいのでしょうか。



◆ 高次脳機能障害があることを避けない。向き合って考えましょう。

麻痺や高次脳機能障害の程度に大きく左右されますが、多くの患者さんは、今まで通りの仕事ができなくなります。

患者さんは入院中からもう退院後の仕事の不安を分かっています。


患者さんとお話をしていると、仕事をしている若い人はとても不安があることを話してくれます。


僕も働いているので、仕事を失う恐怖はよく分かります。


まずは、今の勤め先がどこまで病気を理解してくれるか、です。


話が分からない会社ばかりではありません。患者さんのことを理解して引き続き雇用をしてくれる会社もあります。

そういう会社は、入院中に上司がお見舞いに来たり、カンファレンスに同席したりすることが多いです。

これなら、患者さんは安心しますよね。


◆ 高次脳機能障害や麻痺は、職場の理解が不可欠。

問題は麻痺や高次脳機能障害の程度が重い場合で、会社の理解がないときです。

または、現在無職の場合でこれから働きたいときです。


営業マンであれば商品を納品したり車を運転したり、見積書を作成したり交渉したりと仕事範囲は多肢に渡ります。

麻痺や高次脳機能障害が重ければ、このような仕事はなかなか難しいでしょう。

かといって、今までやったことのない仕事を一から覚えるのも大変です。

営業から事務へ業種を変えてもらうことも一つの手ですが、電話やパソコンを扱えるのかという問題もあります。高次脳機能障害の程度では、これらも難しいことがあります。


今の会社を辞めて再就職するにしても、難しいです。

ただでさえ40~50才代のいいおじさん(おばさん)なのです。普通でも再就職は難しい。


この就職の問題は毎回、頭を悩まします。

ハローワーク、職業支援所などいくつかの就職支援のところがありますが、本人の希望どおりに職が見つかるかはわかりません。


企業の障碍者雇用枠で雇ってもらうという手もあります。


お子さんがまだ未成年の場合はとくに収入は欲しいですよね。

病院のソーシャルワーカーさんなどに相談していくのが一般的です。


日本はこういった病気やケガで障害を持った人の就職には、援助が少ないのが現状です。


なんとかして本人の希望にあった仕事に就いていただきたいと思います。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2018年10月26日   更新日:2019年11月18日