3e4189b3d08034eb1d0847edfc33260e_s.jpg


脳卒中の予防に高血圧対策は大切です。

これは「脳卒中治療ガイドライン2015」のなかにも書いてあるように、高血圧は脳卒中の危険因子の一つだからです。

高血圧を放置していると、もしかしたら脳卒中を誘発するかもしれません。

今回は高血圧と脳卒中、高血圧と自己管理が大事というお話です。


◆ 脳卒中の危険因子の一つに「高血圧」がある。

『脳卒中治療ガイドライン2015』の中の「危険因子の管理」で、高血圧があります。

高血圧患者は降圧療法を行うことを勧められています。


急性期病院を退院されて、次に回復期リハビリテーション病院に転院されてこられた患者さんの中には、まだ血圧が高い方がいます。

もちろん降圧剤を服用されているのですが、それでもなかなか低くならない方がいます。


回復期の医師が薬の調整をされることになりますが、僕たち看護師も患者さんの日々の血圧管理には敏感になっています。


◆ 再発予防のために、自宅で血圧の自己管理をすることのすすめ。

血圧に関しては、入院中は看護師等が測っているし、その値をアセスメントしていますので、患者本人は特に何もしていません。

出た血圧値を見て「あー、高いね。どうしたんだろ?」と呟いたり感想を言うくらいです。


問題は退院した後です。


自宅でも継続して血圧測定をしていくのかが重要です。


最近は血圧計を持っているご家庭が増えていて、入院患者さんとお話をしているときに血圧計を持っているか聞くと、「持っています」と答える方が結構いらっしゃいます。


ただし、持っているだけで使っていないことが大半ですが。


もったいないですよね。予防という意味でも、今までに使って、自分の血圧や健康にもう少し関心を持っていたら、もしかしたら脳卒中の発症を抑えられていたかもしれません。


もう発症してしまった入院患者さんには、退院してから「発症予防」に関心を持っていただきたいと思います。


そこで僕がよくやるのは、入院中から自分の血圧を手帳に記録していくということです。


まず血圧手帳を用意します。

これは大抵病院の薬剤部に置いてあります。病院によっては何種類か血圧手帳を置いていますから、好きなのを選べばいいです。



患者さんに「これから毎日血圧をこの手帳に書いていきましょう」と説明します。


実際に今は血圧を測って書いてみるのが、分かりやすくていいでしょう。


血圧手帳には記録項目に朝と夜といったように、1日2回測定値を書き込めるようになっていますが、別に1日1回だけでもいいです。もちろん、朝晩の2回測定して書いてもいいです。

大事なのは、毎日継続していくこと。

これが難しいのです。


血圧手帳に毎日自分の血圧を書いて記録していることを、病棟の看護師やリハビリスタッフにも周知しておくのも忘れずに行います。

そうすればみんなが協力してくれます。


その血圧手帳は、患者さんに差し上げています。退院してもそのまま継続して家にある血圧計で測って記録を続けてもらうようにしています。


血圧値の基準は、140/90mmHg未満です。

糖尿病や蛋白尿合併例には、130/80mmHg未満、

後期高齢者には150/90mmHg未満を目標にします。

これは『脳卒中治療ガイドライン2015』に準じています。



受け持ち患者さんにこういう提案と実行ができるようにしていくことが、回復期リハの看護師です。

もちろん、僕は急性期にもいましたから、急性期から継続してもらえたらそれでいいと思います。


入院中はまじめに毎日血圧を記録していた患者さんも、家に帰ってから継続しているのかはわかりません。しかし、回復期を終わると次は生活期で、毎日看護師などの医療職に接する機会もなくなります。だからこそ、脳卒中の再発予防について、回復期にいるときにしっかり勉強して退院して欲しいと考えています。 脳卒中は再発しやすい病気です。


もう二度と入院しないように願っています。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

初出掲載:2018年10月26日   更新日:2019年11月18日