みなさんの病院では、リハビリスタッフが痰の吸引をしていますか?
私が前に勤めていた病院ではPT・OT・STさんすべてのリハ職が、吸引をしていました。
これ当然だと思っていましたが、転職したいまの病院では、リハ職は誰も吸引をしないんです。
これはびっくりしました。
周りのリハスタッフにどうして吸引をしないのか聞いてみると、
「リハの部長が吸引の必要性を分かっていない」
「痰吸引の必要とする患者がそんなに多くないから」
「どうしてなんですかね?わからないです」
「えっ、吸引してもいいんですか?」
など、さまざまな答えが返ってきました。
はっきり言ってみんな勉強不足です。勉強不足以外のなにものでもありません。
リハスタッフは吸引していいんです。当然の業務なのです。
◆ リハビリスタッフも吸引してOK。厚生労働省は認めています。
平成22年3月の厚生労働省の通達に、「チーム医療の推進について」というのがあります。
その通達の中に、
理学療法士(PT)について、
「理学療法の手法である『体位排痰法』等を安全かつ適切に実施する上で当然に必要となる行為である」
作業療法士(OT)について、
「食事訓練を実施する際、誤嚥に対応するために喀痰等の吸引が必要となるケースがあるので、食事訓練を安全かつ適切に実施する上で当然に必要となる行為である」
言語聴覚士(ST)について、
「嚥下訓練を実施する際、誤嚥に対応するために喀痰等の吸引が必要となるケースがあるので、嚥下訓練を安全かつ適切に実施する上で当然に必要となる行為である」
と明文化されています。
リハビリスタッフは、吸引が「当然に必要なる行為」なのです。
この通達は大事です。
とても重要なことが書いてあります。
リハビリスタッフも吸引は当然しなくっちゃいけないのです。
痰吸引が必要な患者が一人でもいるならば、吸引をしなくてはいけないのです。
対象患者の数の多少ではないのです。一人でも必要な患者さんがいれば、しなくてはならないのです。
STにいたっては、そもそも嚥下障害がある患者を受け入れて訓練しているわけですから、吸引ができないと、STも怖くて踏み込んだリハビリができない。
VF(嚥下造影)のときもSTが吸引できないから、看護師が吸引役でいるんです。
本当におかしなことです。
おかしなことをおかしいと言えない職場はブラックとしかいえません。
悲しいことです。
あれほど患者第一と言っておきながら、まったく患者のことを考えていません。
リハスタッフのことも考えていませんね。リハスタッフとして技術が磨けない。
もし何年かしてリハスタッフが転職したら、転職先の病院から
「あんた〇年も経験あんのに、吸引したことないの?嘘でしょ、どうやって嚥下のリハビリやってたの?」
というように言われるのが目に見えてます。
そのリハスタッフも屈辱ですよ。恥かきますよ。
うちの病院も恥かきますよ。
本当に高度なリハビリテーション病院を目指すのであれば、「当然に必要な」吸引をリハスタッフにさせてあげることです。
そしてリハスタッフももっと自分たちのことを勉強してほしい。
理不尽なことに負けないように。
論破できるように。
すべては患者さんのためです。
上層部がよりよい方向に変わってくれないと、みんなが困ります。
自らの首を絞めることになるでしょう。市民や医療職から選ばれない病院になる前に。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
初出掲載:2018年10月6日 更新日:2019年11月15日
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