【男禁(だんきん)】とは:
女性患者さんで、男性スタッフの対応を拒否されること。女性スタッフがトイレや入浴等の介助をすること。
病院に入院している女性の患者さんのなかには、男性スタッフ禁止を要望してくるかたがいます。
入浴、オムツ交換、トイレ介助等、男性スタッフが介助することを嫌がって、女性スタッフでの対応を求められてくるのです。 まあ、比較的若い女性患者さんは分からないでもないですが、それを言われると、男性スタッフは何とも言えない寂しさを感じるのは私だけでしょうか。
男禁の女性患者さんについて、病棟では困ったことが発生することがあります。
それは、人手不足です。
◆ 介助するスタッフが女性スタッフ限定になると、業務が回らなくなることがある。
男禁の患者さんが1人や2人ならまだいいのですが、これがもっと増えてくると病棟の仕事が回らなくなってきます。ただでさえ、慢性的な超人手不足なのに、対応できるスタッフを限ってしまうと効率が悪く大変困ることになります。忙しいうえに輪をかけて忙しくなります。
しかし、入浴の曜日や時間はある程度決まっているものですから、むやみに変更することはできません。
変更するとかえって業務に支障がでることがあるからです。
こういうときは、他部署と協力し、スタッフ同士で協力してなんとかこなしていくことになります。
時間と人がギリギリの状態でこなすこともあります。
もう一人、男禁の女性患者が入院してくれば、もう無理。ということもありました。
◆ 本人は平気でも、家族が早とちりして「男禁」にしてしまうケースがある。
ある程度は仕方がないと考えても、患者も入院する前から病院には男性スタッフがたくさんいて仕事をしていると知っているわけですから、男性スタッフが対応することも想定してきてほしいと思います。
「じゃあ、歳とった女性は羞恥心がないというのか?男性スタッフでもいいのか?」
という声がありそうですが、そうではなくて、男性スタッフが対応しても平気な方はけっこういます。
現場にいるとそれがよく分かります。
ここで言いたいのは、入院時に「家族がよけいなことを言う」ことで男禁になってしまうことがよくあるからです。
本人は別に男性スタッフでも平気なのに、家族が「母の対応は女性スタッフでお願いします」と言うことがあります。家族はそれがいいと思っているのでしょうが、実は当の本人は大丈夫ということが結構あります。
なので、家族さんも早とちりとせずに、本人によく聞いてほしいのです。
若い時は男性スタッフが女性患者の対応をするなんて、と思うかもしれませんが、本人が良ければそれでいいと考えます。
これは、病院だけではなく老健や特養などの老人施設でも同じことです。 病院や介護の現場は超人手不足って、昨今のニュースなどの報道で散々言われているのですから、市民だって知っているはずです。
男禁は、現場をさらにしんどいようにしてしまう。
何度も言いますが、ある程度は仕方ないとしても、現場サイドでは、男禁は困ったことです。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
初出掲載:2018年10月2日 更新日:2019年11月15日
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