脳はまだまだ不思議なことがいっぱいで、人類は完全に理解しているわけではありません。

そこが神秘的で、かけがえのない存在といえます。

脳を解明しようとするのはなにも医学だけではありません。

「脳科学」という学問分野があります。

医学から脳にアプローチをするのは医師ですが、脳科学からアプローチをするのは科学者です。

脳を理解したい、謎を解明したい、と考えるのは医師だけでなく、多くの研究者が思うことです。

では脳科学の視点から、脳をちょっと見てみましょう。








◆ 言葉で脳は変わる。

なぜ言葉を出す(話すだけでなく、書くことも含みます)と、願いが叶いやすくなるのか。

それは言葉を頭の中から出すことで、脳が変化するからです。


たとえば、「将来、僕は弁護士になりたい」と子どもが言ったとします。

そうすると、

ある願いを口にした人の脳は、その言葉を一度も発したことのないころの脳と比べると、明らかに仕組みが変化します。


脳科学者の茂木健一郎さんによると、

願いを口にする前の人間がαだとすると、「僕は弁護士になりたい」と言った人間はα’になる。

同じ人間でも、新しい脳の回路が立ち上がり、「弁護士になるためにはどうしたらいいか」を常に考え、情報収集するようになるそうです。


今までだとTVや雑誌に弁護士に関連することや法律に関することなどが流れていても何気なくスルーするだけだったのが、脳の回路が強化されると、それらの情報を前頭葉がいち早くキャッチしてどんどん脳に送り込むようになります。


頭のなかの言葉を出すことで、脳は変化し活性します。そして自分でその夢に近づこうとする。

こうして夢を手繰り寄せるようになるのです。


◆ 鏡を認識するのは人間だけではない。

先ほどの話しにしても、客観的に自分を見ることは大切です。

言葉を一旦脳から出して、たとえば声なら耳で聞くことで思っていた時と違う刺激で同じ言葉を感じます。

書けば、その文字を目で見ることで、思っていた時と違う刺激を受けます。


皆さんは鏡を見たことがあるでしょう。鏡を見れば客観的に自分の姿を見ることができますよね。

言葉は自分を写しだすもう一つの鏡と言えます。

地球上には鏡を持っている文化圏と持っていない文化圏があります。

一度も鏡を見たことがない人に鏡で自分を姿を見せると、とてもびっくりするそうです。

「鏡のなかに誰か他の人がいる」と思い、そこに写っているのが自分とは分からないからです。


「ミラーテスト」というのをご存知でしょうか?

動物に鏡をみせて、そこに写っているのが自分の姿だと分かるか確認するテストです。

人間であれば、初めて鏡を見る人でも、最初はそこに写っているのが自分だと分からなくても徐々に自分だと気づくようになりますが、動物だと基本的にそれができません。いくら時間が経っても、鏡に写っているのが自分以外の動物だと思って威嚇を続けます。

ところが一部の動物はそこに写っているのが自分自身だと気づきます。

アジアゾウ・オランウータン・シャチ・イルカなどはこの「ミラーテスト」に合格しています

鏡を見せた当初は自分自身の姿と分からずに威嚇をしていますが、徐々に「もしかしたらこれは自分の姿なのかもしれない」と気づき始めます。

鏡の裏側に回ってほかの動物がいないか確認したり、自らさまざまなポーズをとってみたりした結果、

「やはりこれは自分の姿なんだ」

と鏡の中の姿は自分だと確信します。

「鏡の中の姿は自分である」と認識した動物は、飼育員がわざと頭に印をつけておくと、鏡を見てびっくりし、それを取ろうとします。

人間も頭に何か糸くずとかゴミが付いていると鏡を見て取るように、「ミラーテスト」に合格した動物も人間と同じように鏡を見ながらそれを取ろうとします。




「ミラーテスト」に合格した動物は、「他者への共感能力が高い」という共通点があります。

仲間が困っていたりすると助けようとします。他者への思いやりの心があります。もちろん、人間のそれとは程度が低いのですが。


このように客観的に物事を認識できると、していない脳より明らかに変化が生まれます。


では今回はここまでです。

いかがでしたか。

普段あまりこんなことを考えながら生活はしませんから、脳科学者がどんな研究をしているのか、ちょっとだけ見えましたね。

脳は不思議は臓器で、言葉や意識、自覚など説明するのが難しいことをさも簡単にやってのけます。

しかも脳は変化し、学習していく臓器です。

続きは次回で。


それではではでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

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