今回は脳の機能の中でも、「言語」について少しお話をします。
◆ 分かりやすい脳の基本 ⑷ - 言語について -
およそ600万年前にチンパンジーと共通の祖先である猿人類、そのあと180万年前に原人類が現れました。
さらにその後、ヒトに近いネアンデルタール人と現生人類が分かれました。およそ37万年前のことです。
この皆さんもよく知っているネアンデルタール人は、ヨーロッパを中心に3万年前頃まで生存していました。
現在のヨーロッパ人の祖先であるクロマニョン人と約1万年間、共存していたことが分かっています。
ネアンデルタール人は我々人類の祖先と違い、言語を持っていませんでした。
そして絶滅してしまいました。
言葉を持つことができなかったネアンデルタール人は、生存競争に敗れたのです。
私たち人類は言語を獲得できたことで、他の動物とは桁違いの進化を遂げました。
チンパンジーは構造的に発声はいくつかできても、発語は難しいのです。
声でコミュニケーションを取ってはいるものの、簡単なことしかできません。
私たちは言葉を使って生活をしていますが、これは本当に奇跡のようなことです。
私たちの祖先が言語を使える構造に進化し、実際に発語し、言葉がどんどん生まれました。
脳の進化だけでなく、声帯などの器官の進化もあります。
この言葉を大切に使っていくことで、気持ちよく社会のなかで生きていけるのでしょう。
◆ 人類の祖先は、たった一人のアフリカの女性「イヴ」にたどり着く
すべての人類の祖先は、約20万年前にアフリカに生まれたたった一人の女性にたどり着くと言われています。
細胞に含まれるミトコンドリアやDNAを解析した結果から導かれるのです。
その全人類の祖先である一人の女性の名前は「イブ」と名付けられています。
地球上にはさまざまな生物がいて、それぞれ進化をしているわけですが、人類の脳は他のどの生物よりも進化を遂げています。
脳は言語、精神、創造、思考など人として最も重要な働きをしている臓器です。
脳の形成に関与する遺伝子が、ヒトの遺伝子全体の中で最も多いとされています。
脳が私たちにとって重要なことが分かりますね。
◆ 言葉には力がある
言葉は物理的には空気の振動に他なりません。
しかし頭で考える時にも言葉は必要です。
私たちの社会では、言葉は単なる空気の振動にとどまらず、大きな力を持っています。
言葉で人を幸せにし、革新を生み、悲しませ、殺すこともできます。
単なる空気の振動以上に、強い力を持っているのが言葉です。
私たちの社会では、言葉は単なる空気の振動にとどまらず、大きな力を持っています。
言葉で人を幸せにし、革新を生み、悲しませ、殺すこともできます。
単なる空気の振動以上に、強い力を持っているのが言葉です。
先ほどチンパンジーは言葉をつかってコミュニケーションをするのは、ごく簡単なことしかできないと書きました。
実はチンパンジーと人類との遺伝子の違いは、1.2%程度のごくわずかしか違いません。
たった1.2%しか違わない遺伝子でも、言葉を自在に操るということは大きな違いの一つでしょう。
私たちは脳とその他の器官の進化によって、言葉を使い、言葉を発展させ、ありとあらゆることを表現できるようになりました。
言葉には力があります。
脳がもたらす言葉の力を今一度、見直してみてはいかがでしょう。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。