「分かりやすい脳梗塞」シリーズ


今回は脳梗塞のなかの「ラクナ梗塞」で「BAD」(バッドと読みます)と呼ばれるタイプの


ラクナ梗塞についてのお話です。



ラクナ梗塞には種類があるのです。


それが「BADタイプ」と呼ばれるラクナ梗塞です。


BADと聞いて「あー、悪いからBadね。Goodの反対だからか」という看護師もいますが、


それだめーーーー!


良い悪いのBadではありませんから。



◆ BADタイプの基礎



BAD(Branch atherromatous disease)はラクナ梗塞のなかでも症状が徐々に悪化していくため、


ラクナ梗塞よりも重症になります。



ラクナ梗塞では穿通枝という細い動脈が詰まることで起こります。


この穿通枝は脳出血や脳梗塞の好発部位です。


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大きな血管から出ている細い血管が「穿通枝」(せんつうし)と呼ばれる血管です。


この穿通枝はいきなり細いまま大血管から伸びているわけではありません。


穿通枝の根本、生え際というのがいいかもしれませんが、


そこはまだ太いのです。


最初から最後まで細い血管ではありません。


太い血管との接続部は穿通枝も太い。



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穿通枝の根本が詰まるとその血管の全体が詰まることになります。


ラクナ梗塞は穿通枝の奥の方が詰まることが多いですが、


BADは穿通枝の根本が詰まるのでその血管全部が詰まることになります。


それゆえに、通常のラクナ梗塞なら軽度ですんだのに、BADタイプだと麻痺や失語が強く出ます。


最初はそれほど麻痺が強くなかったのに、徐々に症状が悪化していきます。


僕は何人もBADの患者さんを看てきましたが、ラクナ梗塞とは違って麻痺や失語がかなりきつく出ます。


でもラクナ梗塞のように意識はしっかりしています。知能は変わりません。


それゆえ患者さんのショックは相当なものです。


家族もそうです。


急性期の治療が終われば、あとはリハビリを頑張るしかありません。


どこまで回復するかは個人差がありますが、それでも麻痺はついてくることが多い、とても


重症な梗塞といえます。



◆ BADタイプの脳梗塞の看護は?


脳梗塞が完成されると麻痺はそれ以上悪くなりません。


しかし麻痺は強く出るので、拘縮や肩関節の亜脱臼などに注意が必要です。


下肢の麻痺が強ければ転倒リスクもあります。



BADは脳梗塞のなかでも高血圧などが関連しているといわれています。


高血圧を長い間ほったらかしにしていたために発症した事例もあります。


「大丈夫だろう・・」と放っておくとあとで大変なことになることがあります。


入院中は降圧剤を投与しているでしょうし、看護師もいるのでしっかりと血圧管理を


しています。


こういう長年高血圧でいる人は、食生活の乱れや仕事のストレスが酷いことがあります。


普段の生活スタイルを聞いて問題点を見つけることも大切です。


退院して自宅に帰ったら、油っこい食べ物や塩分の多いものを食べるのを控えたり、


血圧管理をしっかりとしていくこと。


入院中から血圧手帳を渡して、記録をつけていく癖をつけていくこともいいでしょう。


いままで自分の健康にあまり関心を持ってこなかった人が多いので、


これを機会に自分の健康を見つめなおすことです。


脳卒中は再発しやすい病気です。


詰まった血管以外の血管も、ボロボロになっている可能性もあります。


第二、第三の脳梗塞や出血が起こることも考えられます。


もう二度と脳卒中にならないように、再発予防も忘れずに。


それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。





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