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回復期リハビリテーション病棟では、基本的には次は自宅生活が待っていることになります。


例外はあります。


リハビリをしてきたが、諸事情で自宅ではなく施設を選ばれることもあります。


しかし急性期をすぎてリハビリ病院に入院してきたということは、


可能性に賭けてこられたということです。


多くの患者さんは自宅に帰ることを思っています。


自宅退院を目指す患者さんにたいして、リハビリスタッフをはじめてとして看護師や他の医療職


は、自宅での生活を考えて日々の仕事をしていくことになります。



自宅に帰るにあたって、障害の程度によってこえなければならない壁があります。


そこ壁にどうやってむかっていくか。


入院中にいろいろ試すことをやってみて、帰ってから困らないように課題を抽出していきます。


そのひとつが


「外出」と「外泊」です。



● 退院したあとの自宅生活を視野にリハビリをする



退院までにたとえ1回でも外出をして、


家の中での動作が安全におこなえるかを試したほうがいい。


それまでは入院中に、歩く、食べる、排泄する、着替える、くつを脱着するなど、基本的な


日常生活動作を訓練します。


入浴の練習もします。



自宅にベッドがない場合は、床からの起き上がりも訓練します。


畳の家でも、そうです。



すべては自宅での生活を見据えて訓練します。



● 外出をしていろいろ試す


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ある程度リハビリで日常生活ができるようになってくると、自宅ではどうかを試します。


自宅にリハビリスタッフが同行します。
必要があれば、ケアマネージャーや福祉用具業者なども同行することがあります。
自宅の玄関の段差は何センチで、安全に越えられるか?
手すりは必要か?
トイレ動作はできるか?
バスタブに入れるか、出られるか?
ベッドは適切か?
ベッドからトイレまで、いつもいる部屋からトイレまで歩いていけるか?
など、多くのチェックポイントがあります。
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自宅に外出する以外にも
仕事や買い物などでバスや電車といった公共交通機関を利用する場合は、
実際にバスや電車を乗りに、リハビリスタッフと一緒に外出をする場合があります。
健常者ではなかなか気づかないことがありますが、バスや電車に乗ることは
障がいを持つ患者さんには不安なことなのです。
このように入院中に外出をすることで、このあとにある自宅退院が安心しておこなえるのです。
これらを一つ一つ確認していきます。
問題があれば、残りのリハビリ期間中の課題となります。

● 外泊もしてみる


外出だけでなく、外泊をすることも有効です。


たとえ1泊だけでもいいのです。


外泊なら時間的にせかせかしなくて済みます。


時間は外出よりありますので、じっくり自宅生活のイメージがつきやすい。


できるだけ普段どおりの生活をして1泊してもらいます。


問題があれば、残りのリハビリ期間中の課題となります。



● すべては退院したあとのことを考える


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これに尽きます。


そのためにリハビリ入院をしているといっても過言ではありません。


患者本人や家族は、単にリハビリスタッフのいうままにするのではなく、


看護師のいうままにするのではなく、


もっとどん欲にリハビリに飢えて欲しい。


「もっとやりたいんだ」って言っていいんです。


そういう患者さんは良くなります。


リハビリメニューは多彩にあります。


お金と時間をつかって入院しているのです。


ずっと入院はできません。


だからこそ、どん欲にリハビリに励んでほしい。


僕たちは精一杯サポートさせていただきます。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。