
患者さんで、何を言っても話が通じない人っていますよね。どんなに分かりやすく理屈を言ってもわかってくれない人。「わからんし、その時に考えますわ」と言うのです。こういう人はやはりどこかおかしいのです。具体的には認知症の可能性が高い。高齢の家族さんも同様です。
— ふるたによしひさ@看護師 (@yoshihisanurse) November 8, 2023
なにを言っても、どんなに説明しても分かってくれない人がいます。
高齢者の場合、認知症を疑ったほうがいいかもしれません。
◆ 理屈が通らない人
夫婦二人暮らしで、妻が要介護、夫が介護者の場合。
病院「そろそろ介護保険を使われたらどうですか?お父さん一人じゃ介護は大変でしょう」
夫「うーん、まあ、わしがやるし、大丈夫ですわ」
病院「それと、今、要介護1ですけど、区分変更して要介護度をあげたらどうですか?
そのほうが、あとで何かと選択肢が増えますし」
夫「よーわからんし、まあ、いいですわ」
病院「せめて要介護を今の1から3に変えるだけでも、もしものとき施設に入りやすくなりますし。今はご主人が介護してくれていますけど、この先どんどん介護が大変になってきます。そのときに慌ててもすぐに対応できませんから、今のうちに、せめて要介護だけでも上にあげておきませんか?」
夫「むずかしいことはよう分からんし、そのとき考えますわ」
病院「いや、手続きはケアマネさんがやってくれますので大丈夫です。せめて今のうちに要介護だけでも変更したほうが、あとあと便利です。これで今すぐ施設入所というわけではないので。今までどおりご主人が介護がんばってもらえます。もし将来、ご主人がしんどくなっても安心ですから」
夫「いや、なんかよう分からんし。まあ、今は大丈夫なんで、そのとき考えますわ」
病院「…」
こういうことってよくあります。
どんなに説明しても、
どんなに分かりやすく説明しても、
分かってくれない人。
どんなに言っても動いてくれない人。
なかには、「そんなん言われんでもわかっとるわ!」
と怒り出す人もいます。
実はぜんぜん分かっていないんですけどね。
こういう人は認知症を疑います。
もちろん認知症だけが原因と考えられるわけではありません。
違うかもしれません。
しかし、こういう、何を言ってもわかってくれない人の場合、
特に高齢の場合、認知症を疑います。
本人は自分が認知症だとはわかっていません。
周りの人も認知症と疑っておらず、「こういう性格なんだ」と思っていることがほとんどです。
しかし、なにを言っても、どんなに言っても分かってくれない人の場合、
認知症の疑いがどうしてもあるのです。
◆ どんなに言っても免許返納しない人
たとえば高齢で家族から見ても危なっかしい運転をするおじいちゃん。
家族が「もうそろそろ運転しないほうがいいよ。人を殺すよ」
と言ったとします。
本人は「わしはボケとらんわ!」「わしから自由を取るんか!」「絶対免許は返さん!」
と怒りだします。
こういう人は認知症を強く疑います。
せっかく周りの人が本人のためを思って何度も何度も言っているのに、
まったく聞く耳を持たない人。
言うと怒り出す人。
こういう人は認知症の疑いがあります。
だからこそ、こういう人ほど、なんとかして免許証を返納させないと本当に危ないです。
第三者が「おかしい」と感じる人は、やはりどこかおかしいのです。本人は自分がおかしいとは思っていないのでしょうけど、これが認知症の困ったところなのです。直系の息子や娘も目が曇るので「親はまだ大丈夫だ」と判断を間違えやすい。第三者の目から見た「おかしい」は、本当によく当たります。 https://t.co/xfc6vV7cjc
— ふるたによしひさ@看護師 (@yoshihisanurse) November 8, 2023
これは一例でしたが、
このように、どんなに説明をしても分かってくれない人は、認知症の疑いがあります。
とにかく前頭葉の機能が落ちて、理屈で考えることが弱くなっているのです。
認知機能が落ちているから、将来の危険性について考えられなくなっています。
こういうことになったらこうなるかもしれない、という将来予測ができなくなっています。
だから、人の話しをまったく聞かないとか、
どんなに説明してもまったく聞いてくれないとかになると、
本当に危険なのです。
家族もほとほと困ってしまいます。
免許証の場合は、主治医から公安に連絡してもらって、公安が強制的に免許返納させるという手段がありますが、介護に関することになると、なかなか強制的にはできないので困ります。
◆ 早めに将来の介護に備える
「わしがみるからええねん!ほっとれくれ!」
高齢の夫が要介護の妻を介護しています。
訪問ヘルパーも利用せず、
デイサービスも利用せず、
要介護は1のまま。
どう考えても要介護は3以上の妻です。
このままでは、夫が倒れたら、
たちまち妻の介護をどうするか?という問題に直面します。
せめてデイサービスだけでも利用してくれていたら、
ケアマネージャーさんが様子を伺いに訪問してくれるので、状況の把握ができます。
せめて週1回でも訪問ヘルパーさんを利用してくれていたら、
同じく、ケアマネージャーさんが様子を伺いに訪問してくれますし、訪問ヘルパーの情報も得ることができます。
なので、まったく介護サービスを利用しないで高齢の夫だけで妻の介護をしている場合、
ほんとうに困ることになります。
夫にそのことを説明しても
「難しいことはわからんで。まあ、そのときになったら考えますわ」
と言うのです、それは違うのです。
それじゃあ困るのです。
そのときになったら遅いのです。
これがわからない。
転ばぬ先の杖。
これが分からないので、理屈が通らない。
こういう人は認知症になっていることを疑います。
なので、このままだと高齢夫婦共倒れになります。
そうなるとたちまち周りは困るので、
早めに対策をとることが大事です。
ですが、何度言ってもわかってくれない人がいます。
本当に困ったことです。
それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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年を取ると頑固になると言いますが、理解をさきまわしにして何も決められないというのも父母で経験しました。
子供だから一生懸命話しているのにと思って腹も立ちましたが、病気も関係していたのかもしれませんね
介護費用などは要介護は3と1では違ってくるんではないでしょうか?
その点にも問題が有りそうですよね。
流石に倒れて誰も面倒見られないとなると
「どこかには入れてもらえるだろう」と思ってるんだと思います
2桁×1桁の掛け算等をして頭の中に、計算した一桁同士の数字
が残ってい無いのに気が付いたら、認知症が始まっています。
老眼で視力が落ちたのがそもそもであり、「そう言えば以前と
異なり、『情景』を脳裏で再現し情報分析して、い無いなぁ」
と気が付けば、「遅らせる為の出発点」とみられる、自覚は可能
なよう。以上のように、経験者は語る(泣)。