
この施設って「サ高住」でしょ。サ高住は重度な介護はしませんよ。こんなことをしていたらサ高住に入居できなくなりますよ。というか、日本も北欧のように「食べられなくなったら寿命」という国民の意識改革が必要じゃないかな?こんなんじゃ誰も介護しなくなるよ。https://t.co/ZEBOCv8TkB
— ふるたによしひさ@看護師 (@yoshihisanurse) June 4, 2023
またこういう裁判が…。
もう誰も介護しなくなっちゃうよ。
◆ サービス付き高齢者住宅はそんなに介護しないよ
報道から簡単に引用します
2022年1月、岩手県北上市の高齢者施設に入居していた男性が食事を喉につまらせて死亡したのは、施設が安全配慮義務を怠ったからだとして、男性の遺族が運営会社に対し損害賠償を求める訴えを起こしました。 6月2日付で盛岡地方裁判所に訴えを起こしたのは、北上市内にあるサービス付き高齢者住宅に入居していた男性の遺族2人です。
うーむ、この「施設」って、サービス付き高齢者住宅のことです。
いやいやいや、サービス付き高齢者住宅(サ高住)って、ほとんど自立した人が入るところなんで。
そんな重度な介護が必要な人がくるところじゃないんです。
介護施設はいろんなタイプがあります。
ややこしいので、各タイプに違いについて知らない人が多いです。
まあ介護施設なんで、どれも似たようなもんだろ、という感じの人がいます。
それ間違いです。
介護施設にてって受けられる介護が違いますし、
入所できる要件も違います。
こういうのをちゃんと調べてから施設入所しないと、あとでトラブルになります。
サービス付き高齢者住宅は軽介助な人が入るところです。
しかも、個室なので、個室でなにをしてようが介護スタッフはいちいち見てません。
簡単に言えばそういうところです。
それにしても、食事を喉に詰まらせて死亡したから裁判だって、もういい加減にしてほしいです。
100%防げませんから。
◆ 転倒と窒息は防げません
これは前からずっと言っていますが、
転倒と窒息は防げません。
無理です。
どちらも一瞬で起きるので無理です。
たとえそばに誰かスタッフが付いていても100%は防げません。
その証拠にどこの病院でも、どこの施設でも、絶対に転倒や窒息があります。
ボク自身も、何度も目も前で起きているので、無理なんです。
そりゃ当然スタッフはそんなことが起きてほしくないし、起きないように注意していますよ。
そのためにそばにいるんですから。
でも無理なんです。
介護したことがある人ならわかると思いますが、本当に一瞬で起きるので、わずか1分目を離した隙に発生します。
◆ 老化を受け入れらない日本人
人間には老化というものがありまして、誰でも長生きするとあちこち衰えます。
これは自然の摂理です。
人間の力ではどうにもできません。
これがわからない人が多い。
病院に来たらなんとかできると勘違いしています。
施設に入ったら老化が進もうがなんとかなると勘違いしています。
無理ですから。
老化は老化なので、いくら周りがなんだかんだやったとしても、本人の身体は老化していますから。
◆ 自分にしてほしくないことを親にはする日本人
多くの人の話しを聞くと、将来食べられなくなったらどうする?という質問では、
「いやー、胃ろうは造りなくないわ」
「鼻からの栄養チューブも入れてほしくないわ」
「口から食べられなくなったらもういいわ」
「チューブだらけになってまで生きたくないわ」
「最後は自然に死にたい」
という意見をよく聞きます。
なかには「一分一秒、徹底的に生かしてほしい」と思っている人もいるかもしれませんが、多くの人は最後は自然に死にたいなぁと考えていると思います。
特に、徹底的に生かされている患者さんを見ている医療従事者はそう思う人が多いような気がします。
自分は胃ろうしてほしくないと思っていても、親がいざそういう状況になったら胃ろうを造ることを承諾します。
いじわるな言い方ですが、
自分にしてほしくないことを親にはするのです。
ちなみにボクの父親は寝たきりになって最後は経鼻経管栄養チューブでした。
元気な時は「俺は自然に亡くなりたい」と言っていましたが、
キーパーソンの母も自然にしたほうがいいと思いつつも、
父は寿命が尽きるまでいろんなチューブをつけられていました。
なので、いざ、そういう状況になったら
その時の状況で変わることがあります。
これは難しい問題ですので、一刀両断的な判断はできないです。
本当に難しい問題です。
◆ 北欧は食べられなくなったら寿命
これは広く知られていることですが、
欧米、北欧などは「食べられなくなったら寿命」という考えが国民に広く浸透しています。
高齢で嚥下機能が落ちてきたときは、スウェーデンでも徹底的に嚥下リハビリを行います。
それでも食べられないといなると、それはもう寿命という判断になります。
国民もそういう考えなので、受け入れるんですね。
逆に、胃ろうや経鼻経管栄養チューブは虐待になってしまいます。
もちろん北欧の考え方のほうがいいとは一律言えませんが、
こういう考えの国も多いということです。
◆ やがて介護をする人がいなくなる
日本では、司法が「転倒したらスタッフが悪い」「喉を詰まらせたらスタッフが悪い」ということになります。
正しくはスタッフというより、そこの施設や病院が悪いということです。
でも、その時そばにいたスタッフはかなりショックでしょう。
病院や施設が賠償責任を負ったとしても、そのスタッフは相当心に傷を負うでしょう。
そのスタッフだって、別に転倒したらいいとか窒息したらいいとか絶対に思っていないはずですから。
安全に過ごしてもらうとがんばっているんですから。
でも100%予防できないから、たまたま自分のときにそういう場にあたってしまった。
本人も不幸かもしれませんが、スタッフも不幸です。
老化という自然現象を受け入れらない家族、
サービス付き高齢者住宅はどんなタイプの施設か理解していない家族、
このような家族のために裁判を起こされては、現場のスタッフはたまったもんじゃないです。
今回、4100万円の損害賠償請求をしたとのことですが、
高齢の親がもし余生を生きていたら4100万円の価値があるというのなら、
そんなに大事な親なら自分で介護したらどうですか?
軽度の介護の人が入所するサービス付き高齢者住宅(サ高住)でこんな裁判を起こされては、今後誰も介護の仕事をしなくなっちゃうよ。
それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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