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急性期病院に勤務していたときは「回復期っていいなあ。楽そうだよなあ」と思っていました。

次に転職するなら急性期ではなく回復期に行こうとおもったものです。

で、思いが叶い回復期リハビリテーション病院へ転職しました。

そこで見たものは、とんでもないナースコールの多さと転倒リスクとの闘いでした。


◆ 回復期リハビリテーション病棟は楽じゃない



回復期は急性期に比べて楽だろうと思って転職すると、その思いは裏切られるでしょう。

回復期も忙しいです。

急患がひっきりなしに来るという忙しさではありません。

患者対応が急性期よりもある意味大変です。


中途半端な動きゆえに目が離せません。

一番忙しいのはここです。

認知症患者、高次脳機能障害患者の増加にともない、転倒など危険行動を防ぐ為に看護師の手がとてもかかります。


①トイレなどに行きたいときは必ずナースコールを押す。

②ナースコールを押したらスタッフが来るまで動かずに待つ。

この2つを守ってくれる患者ならまだいいのですが、病気で守れない患者が多いのが実態です。


なのでナースコール連動センサーがあちこちで鳴り響いています。


◆ 夕暮れ症候群の患者の対応



夕方になると「家に帰ろうとする」夕暮れ症候群というのをご存知でしょうか。

認知症患者のなかには、夕方になると家に帰ろうとされる人がいます。

これを「夕暮れ症候群」といいます。

本当にこういう名前の症状があります。


実際に夕暮れ症候群の患者の対応をすると大変です。

教科書的には「傾聴する」「ほかに注意を向ける」と書いてありますが、そんな簡単なものではありません。

本人はなんとしても家に帰ろうとします。

説得はほとんどムダです。

一瞬、こちらの話を聞き入れてくれたと思っても、すぐにまた帰ろうとします。


放っておくと絶対に病院や施設の外に出ようとしていますので、目が離せませんし、他の業務ができなくなります。

フロアに一人こういう患者がいると、スタッフも一人付き添うのでスタッフ全員が大変になります。


◆ だまされて連れてこられたと帰ろうとする患者





これもよくあるケースです。


急性期病院から回復期病院へ転院してきますが、本人は「家に帰れる」と思い込んでいたのです。

しかし連れてこられたのは回復期病院。

「だまされたー!家に帰る!」と言って病院を脱出しようとします。


この場合、夕暮れ症候群とは違って、夕方に関係なく帰ろうとします。

本人にとっては、そもそも騙されて連れてこられたんだから、ここに居る必要はないということです。

だから、昼夜問わず病院を脱出しようとします。

本当に大変です。


急性期病院で主治医や家族から「次はリハビリ病院でしっかりしてから帰ろうね」と言わていますが、本人はそんなことはすぐに忘れています。


◆ 一晩中、重い患者を抱きかかえられますか?



重い患者のばあい、一回のトイレだけでも大変です。

経験のある方でしたら分かると思いますが、トイレって単に車いすから便座に移乗すればいいだけではありません。

立たせたら、その時ズボンやオムツを下ろさなくてはいけません。

患者は一人で立てません。

看護師は片手で患者を支えて、もう片方の手でズボンを下ろします。


もう1つの方法は、一旦ズボンのまま便座に介助しながら座らせます。

ズボンのまま便座に座って、体重を左右に振り子のように荷重を変えながら、少しずつズボンをずらします。


いずれにしても、排泄後も超大変です。

患者を介助で立たせて立位を保持しながら、おしりを拭かなくてはいけません。

一人の看護師では無理ですので、二人の看護師でやることが多いです。

トイレで用を足すのって、本当に大変です。一回だけでも超大変です。

これを夜中ずっと繰り返し繰り返しおこないます。

介助する人間は、トイレ介助だけでもかなりの体力消耗をします。


◆ 高齢化にともない孫の年齢のスタッフがつぶされていく



今や80代は当たり前。90代もたくさんいます。

60代で「若い」と言っているくらいです。


しかし長生きができても、健康寿命がそれと同様に長いわけではありません。

誰かの手を借りないと日常生活が送れなくなる確率が上がります。


長生きをすると必ずそうなります。

誰かの手を借りないといけなくなる時が絶対にきます。


病院や介護施設をみてください。

若いスタッフがいっぱいでしょう。

大部分のスタッフは若い人です。

入院患者の孫みたいな年齢のスタッフが、おしっこやうんちまみれの体を拭いてくれて、ベッドやシーツや服をキレイにして、暴言をはかれようが、暴力を受けようが、「帰る!離せ!帰るんや!」と叫ぶ患者をなだめて、「その患者うるせえ!寝れないじゃないか!」と他の患者からのクレームを受け、転倒したら「なんでちゃんとみていなかったんですか!」と家族から怒られています。


ある日、22歳の新人の看護師が言っていました。

「私、毎日毎日おしっこでドボドボになったオムツを交換し、便まみれを拭き、認知症患者に腕を引っかかれ、なにやっているんだろう…私、いったいなにやっているんだろう…」

「もう辞めたい…」


ボクも一緒に働いていますから、よく知っています。

本当にこのようなことをやっていますから。返す言葉もありません。


患者からみたら孫の年齢のスタッフが、どんどんつぶされていく。


これから団塊の世代が、80代90代になっていく。

なかなか死ねない時代です。

長生きをすればするほど、誰しも認知症になる可能性が高まります。

脳卒中など重い病気になる可能性が高まります。


団塊の世代が80代90代になったとき、今の孫やひ孫の若い人たちが支えられるのか?と本気で心配します。

中年や初老で暴飲暴食やストレスマックスの人は、本気で自分の健康維持に取り組んで欲しいと思います。


◆ リハビリは本人の意思が非常に大事



何をしにこの病院に来たのかわかっていない患者と、

リハビリをして何とかよくなりたいと思って来ている患者。

両者のリハビリの成果はまったく違います。


リハビリをしに来たと認識して、やる気がある患者は確実に伸びます。


しかし、現実は「リハビリをしたいと切望して来ている患者は少数」です。

ほとんどが「前の病院の主治医に言われたから」「家族が回復期を希望したから」という患者です。

自分の口から「いや、まだ私は帰らない。次はリハビリ病院を希望します。なんとかもっと良くなりたいから」という患者はめちゃくちゃ少ないのが現状です。


「他人に言われたからリハビリ病院に来た」という患者の多さよ。


なので「暴れる」「帰る」「文句を言う」のオンパレード。

リハビリ時間になっても「今日はリハビリやらない」と言って理学療法士や作業療法士を困らせているのを、どれほど見てきたことか。

そもそも本人の意思でリハビリをしに来たわけではありませんので、当然です。


なので、リハビリをしたいという本人の意思をまず尊重しましょう。家族の意思ではありません。

次に、できるだけ「健康寿命を延ばす」ように日ごろから取り組みましょう。

たとえ病気を持っていても「落ち着いていたらそれでいい」んです。

ほっといても長生きする時代です。

ならば「健康寿命」を意識したいものですね。














それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


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