22308089_s.jpg




筋ジストロフィー患者たちが病棟での虐待の実態に声をあげたという報道がありました。

具体的な内容は「ナースコールを押してもすぐに来ない」「異性による入浴介助で恥ずかしかった」


◆ ナースコールを押してもすぐに来ないのはなぜ?



これは筋ジストロフィー病棟に限らず、どこの病棟でもありますね。

開き直って言いますが、現実としてこれはあります。


ボクも経験がいっぱいあります。

「なんですぐ来ないの?」「全然来ないじゃないの」

ナースコールがあってもすぐに行かないと患者からこう言われます。


これは行きたくても行けない事情があるからです。

一病棟40人の患者を少ないスタッフで回していると、どうしても他の患者に手を取られてすぐに行けないことがあります。

昼休憩のときはスタッフは交代でとりますから、半分ずつ休憩して3人で1時間みるということがあります。

特に夜間帯は3人か2人で回していますから、どうしても行けない時があります。


◆ 具体例をもう少しあげると…



すぐに行かないといけないって分かっているけど、もうどうしようもありません。

わかっちゃいるけど、本当にどうしようもない。(開き直ります)

オムツ交換しているときにナースコールが鳴っても取れません。行けません。

便だらけできれいにするのに時間がかかることもあるし、服まで便まみれで余計に時間がかかることもけっこうあります。

痰の吸引で時間がかかることもあります。途中でやめるわけにはいきません。


認知症や高次脳機能障害で不穏で暴れている患者から目を離せないこともあります。

麻痺などで動作がめっちゃ遅い患者がいますから待つために時間がかかることもあります。

めちゃくちゃ体重が重い患者はスタッフ2人介助でするので、2人ともナースコールに出れないこともあります。


もう批判覚悟で言いますけど、いじわるですぐに行かないのではなく本当に無理な場面が多いんです。

患者は自分一回だけのコールのつもりですが、受けている側は何人もからのコールを受けているので。

こちらも「言ったら遅い!って言われるんだろうなあ」と分かっています。
なので早く行きたいのは山々ですが、途中で場を離れるわけにもいかないので仕方ありません。


医療、介護の現場経験がある人なら、絶対にわかるはずです。

もう開き直って言いますが、それぐらい人手不足なのです。


そして、大したことではないのにすぐナースコールを押す人は後回しにされます。

「いつものアイスノン持ってきてだろう」

「いつものTVのリモコンとってだろう」

「いつもの湿布貼ってほしいだろう」

まるでオオカミ少年のように「いつもの〇〇だろう」とスタッフから思われて、命や事故に関わらないことは後回しです。

患者のパターンってだいたい分かりますので。


じゃあどうしたらいいの?ってことですが、

やはり人手を増やすしかないでしょう。


◆ 筋ジストロフィー患者の看護の難しさ



上記ツイートのリンク記事では

「ナースコールが手の届くところになかった」という内容が書いてあります。

これはたしかに良くないですね。

ボクは筋ジストロフィー病棟の経験があるのでよくわかりますが、

筋ジストロフィー患者は動きがかなり制限されていますので、ナースコールがほんの数センチ、数ミリ離れているだけで触れなかったりします。

それぐらい気を使います。

まじでほんの数ミリ手から離れただけでナースコールが押せなかったリします。


なので看護師もわかっているのですが、時にポロッと手から落ちることがあります。

なにかの拍子に手から少しだけズレることがあります。

看護師も気を付けていますが、そういうことはあります。

でもそれで虐待って言われても…。

実際に筋ジストロフィー病棟にいたので、こういう場面によく出会いました。


虐待は絶対にあってはならないです。

筋ジストロフィー病棟の記事を読んだら、こうした昔を思い出しました。

…ほんと、難しいです。



それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。


ぜひ、ボクのライブ配信に遊びに来てください(笑)

「LIVE812」のフォロワーさん、現在202名

↓QRコードをスマホで読み取ってください

QR_993276.pngD4531521-16C0-4ADE-B9E6-0A09916B6DAF.png

↑QRコードをスマホで読み取ってください

こちらからもできます。スマホからクリック→LIVE812アプリ 無料ダウンロード

ありがとうございます。
Twitterのフォロワーさんが5,800人を超えました。



「Clubhouse(クラブハウス)」がんばっていますフォロワー数500人



カテゴリ

タグ