「スタンダードプリコーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは「標準予防策」といわれる、病院内での感染予防対策のことです。
スタンダードは、「標準」
プリコーションは、「警戒」「用心」
という意味です。
患者も医療従事者も、みんなで感染予防に気を付けようということです。
昨今の、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、感染症だけでなく、血液汚染などあらゆる感染から身を守るための標準的な予防策です。
◆ なにが感染源か?これは決められています
世間では新型コロナウイルスとかインフルエンザとかの感染症のことが話題ですが、
院内感染は年中そんなことだけを意識しているわけではありません。
血液、体液など、年中感染をしそうなものが病院内にはゴロゴロしていますから。
このスタンダードプリコーションは、どちらかというと、こうした普段病院でよく遭遇する感染源に対する防御策になります。
スタンダードプリコーションでいう感染源とは、
①血液
②体液(汗をのぞくすべての体液)
③粘膜
④損傷した皮膚
⑤これらに汚染したリネンや器材
ということになります。
どれも感染しそうでしょ?
これらを扱う時は、十分感染に注意が必要です。逆にいうと、これらから自分を身を守ると感染するリスクはグッと減ります。
だからみんながこれらを意識して行動しないといけないんですね。
◆ どうやって感染を予防するのか
•手洗い・手指消毒
•個人防護具を使う
•患者に使用した器材の取り扱い
•リネン・洗濯
•安全な手技
•清潔な環境
•患者配慮
いそがしい病棟では、ついおろそかになりそうな感染対策ですが、自分が他の患者さんにうつすことは論外。
自分も感染することはダメです。
ちょっとしたことで感染することも充分ありますから、常に「予防」を考えた行動が求められます。
今は回復期リハビリテーション病棟ですので、入院は予定入院です。
でも急性期病院では、救急車や急患での患者さんが来ますので、どんな感染症を持っているか分かりません。
だから急性期病院ではよけい怖い。
私が以前勤めていた救急病院では、当然ながらしっかりした感染対策をとっていました。
C型肝炎、B型肝炎、梅毒、HIVなど、意外といらっしゃいます。
◆ 汗は「感染の可能性がある体液」ではない
汗って、スタンダードプリコーションの中に入っていないんです。
汗そのもの、汗単体では、感染源にならないことになっています。
人間の中から出てきた体液なのにね。
これは大丈夫ということです。日本だけじゃなく、世界も。
なんだか不思議な感じがしますが、汗には重篤な感染物は含まれていないということになっているから、いいそうです。
あと頭髪。髪の毛もスタンダードプリコーションの除外です。
感染源として扱わないということです。
ばっちいと思って扱うのは自由です(笑)
感染源ではないので、特に感染対策はしません。だから散髪屋さんが成り立つのでしょうね。
このように院内感染は、季節性ウイルスだけじゃなく、普段の処置やケアにも気を付けないといけません。
これを分かりやすく動画にしました。番宣よ(笑)
「おしえて!ピストン先生」登場!
ふぅーー。
サムネイル画像もだいぶうまくなってきたでしょうか?
いかに「おっ!なんか面白そう」と思ってもらえるかが、クリック率をあげるコツです。
だから、他の有名ユーチューバーさんのを研究して作っています。
内容も、BGMの音楽を選んだり、テロップや効果音を多用して、観ている人が飽きないように工夫をしています。
日々改善、日々勉強。そしてコツコツと継続。
それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。
これを読んでいる3月1日に名古屋市緑区の南生協病院に入院している
患者さんが新型ウィルスに感染。別の患者3人と同室だったとか。
院内感染が気になります。
まさにこの記事にあることをもう少し気を付けていれば。
病院の隣には映画館まである大型商業施設や鉄道駅が。
nikki さん>>
病気というのは、正しい感染経路を知ることです。
正しい感染経路を知って正しい予防策をする。
これが基本ですね。
マスクにこだわるあまり、一番大事な手洗いをおろそかにする。
私がいままで散々「マスクよりも手洗いが重要だ」と言ってきたとうりでしょう。
飛沫感染接触感染ですから、
マスクにこだわるよりも、手洗いにこだわりましょう。
マスクは咳などの症状がある人がつけましょう。
これはWHOも厚生労働省も同じことを言っています。